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ブリヂストン、60%摩耗時の騒音エネルギーを17%低減した新タイヤ「REGNO GR-XII」発表会
竹野内豊さん、杏さん登場の新プロモーション活動も発表
2019年1月16日 00:30
- 2019年1月15日 開催
ブリヂストンは1月15日、同社のプレミアムブランド「REGNO(レグノ)」の乗用車用タイヤの新製品「REGNO GR-XII(レグノ ジーアール・クロスツー)」を発表。同日に都内で記者発表会を開催した。
新製品のGR-XIIは、2015年2月に発売された「REGNO GR-XI(レグノ ジーアール・クロスアイ)」の後継モデルとなるレグノブランドのタイヤ。新たに購入直後の新品時に加え、タイヤを使い続けて摩耗してからの上質な静粛性を実現している。
発売サイズは175/70 R14 84S~275/30 R20 97W XLの全68サイズで、価格は1万4472円~8万9964円。このほか、GR-XIIの商品概要やサイズラインアップは関連記事「ブリヂストン、ロードノイズ&パターンノイズを5%低減して摩耗しても静かなタイヤ『REGNO GR-XII』」を参照していただきたい。
レグノはさまざまなユーザーの期待に応える信頼のブランド
発表会ではブリヂストンタイヤジャパン 常務執行役員 消費財タイヤ事業担当 長島淳二氏がプレゼンテーションを実施。ブリヂストンが考えるタイヤ性能の基本と新製品であるGR-XIIの商品コンセプトについて解説した。
ブリヂストン製品ではドライバーの安全・安心を守るため、タイヤには「支える」「伝える」「やわらげる」「転換・維持」の主に4つの役割があると考え、この4つの役割をしっかりと果たすことに加え、さらに安全・安心を追求してユーザーニーズを実現するため、運動性能としての「直進安定性」「ドライ性能」「ウェット性能」、快適性能としての「乗心地」「静粛性」、環境性能としての「ライフ」「低燃費」の7点を総合力として兼ね備えることがタイヤに求められていると長島氏は紹介。
また、レグノブランドはブリヂストンの最上位に位置付けられるタイヤで、このためタイヤに求められる7点の性能すべてを磨き上げ、高次元でバランスさせる「グレートバランス」をコンセプトにタイヤ開発を行なっていると語り、長島氏は1981年から始まるレグノブランドの歴史について説明した。
新製品のGR-XIIは従来品であるGR-XIを超え、タイヤの新たな価値を創造することをテーマに開発を実施。「静粛性の進化」「乗り心地と運動性能の両立」「グレートバランスのもとにライフ、低燃費、ウェット性能も高次元でバランス」の3点を大きな特徴としているという。この中でもとくに「新品時だけでなく、摩耗後も上質な静粛性が実現されている」という点を挙げ、独自の性能低下抑制技術により、使い続けていっても静粛性をキープできるよう設計していると長島氏は語った。
発売にあたってはより多くのユーザーにGR-XIIを使ってもらえるよう、新たなキーメッセージ「手のひら一枚分に込められた技術が、圧倒的なパフォーマンスをうみだす。REGNO FEELING」を策定。新製品のGR-XIIも訴求する新CMを披露した。
また、レグノブランドを取り巻く市場環境について長島氏は、内閣府が発表している消費動向調査の指数が2008年のリーマン ショック以前を上まわるまでに消費者マインドが回復しており、近年では高機能をセールスポイントにした家電製品や高品質な食品、飲料などがヒットして、高付加価値商品の購買が拡大していると指摘。この環境下でレグノブランドのタイヤについても製品ラインアップを拡大し、販売数を順調に伸ばしているとアピール。ユーザーアンケートの回答では、コア性能である静粛性や乗り心地のよさだけでなく、高いグリップ力による運動性能についても高く評価されていることを明かし、レグノブランドはさまざまなユーザーの期待に応える信頼のブランドになっているとの自負を述べた。
GR-XIIは「次世代のグレートバランス」を達成
レグノ搭載技術とGR-XIIの進化ポイントの解説は、ブリヂストン 執行役専務 CTO・技術・品質経営分掌 兼 開発管掌 坂野真人氏が担当。
坂野氏はタイヤにおけるノイズ発生の原理を解説。発生するノイズの周波数によって「中・低周波」「高周波」と分けて、抑制することで車内の快適性を高めるポイントに合わせて実施している歴代レグノタイヤで培ってきた技術を解説。新製品のGR-XIIではGR-XIに搭載した「ノイズ吸収シートII」「3Dノイズカットデザイン」「3Dノイズ抑制グルーブ」「サイレントACブロック」「左右非対称のタイヤ形状とトレッドパターン」「ナノプロ・テック」といった主要技術を継承。
この中でもパターンノイズを低減する3Dノイズ抑制グルーブで採用する「ダブルブランチ型消音器」の機能に、タイヤ製造技術の進化によって可能となった「シークレットグルーブ」を新設定。GR-XIでは走行による摩耗により、消音器として機能する縦溝とストレートグルーブを接続する溝が途切れてしまっていたが、これを摩耗後も維持できるように設計。また、GR-XIは摩耗によってグルーブの深さが減ることで消音効果が失われていたが、新たに溝の断面構造を最適化することで消音効果が維持できるようになっている。この結果、タイヤの60%摩耗状態で比較した場合、GR-XIIはGR-XIから騒音エネルギーの低減率が17%低減。新品状態から静粛性が低下しにくい構造を手に入れている。
このほかに静粛性では、路面の状態によって発生しやすいノイズの周波数が異なることに着目。荒れた路面で気になりやすい低周波数のロードノイズ、滑らかな路面で気になりやすい高周波数のパターンノイズを抑制できるよう改良を施し、それぞれの路面でGR-XIと比較して騒音エネルギーを5%低減した。さらに路面に付与されている直線形状の突起を乗り越える時の衝撃を緩和するため、タイヤ前方側の形状がなだらかなアーチ状になるよう接地圧をデザイン。直線形状の突起を乗り越えた場合の衝撃を5%低減させ、車内の快適性を高めた。
また、ナノプロ・テックのゴム配合とトレッド形状の最適化を推し進め、タイヤのグリップ力と燃費性能のトレードオフの要因となるゴムの粘着力を制御する新しいポリマーを開発。走行時にタイヤが変形する大きさと振動する周波数に着目し、ブレーキング時やコーナーリング時にはタイヤのゴムが前後左右に大きく変形し、接地面が高周波で振動することから、「大変形と高周波を伴う条件の場合のみ粘着性を発揮する」という「ウェット向上ポリマー」を新開発。この新ポリマーをコンパウンドに配合することで、これまで骨格として利用してきたポリマーを低燃費向けに徹底した「低転がり性能特化ポリマー」に変更。従来と同じグリップ性能を維持しつつ、転がり抵抗をGR-XIから14%低下させて省燃費性能を向上させている。
これらの総括として坂野氏は、「レグノがこだわってきた『グレートバランス』をすべての点において向上させ、さらに摩耗時の静粛性という新たな性能軸を加えることで、GR-XIIは『次世代のグレートバランス』を達成しております」と解説している。
竹野内豊さんと杏さんのトークセッションも実施
レグノの新製品発表以外にも、当日は3月から全国放映を行なう新プロモーション「100人のちゃんと買い」についてアピールするため、新TV-CMに出演する俳優の竹野内豊さんと女優の杏さんの2人がゲストとして登場。CM撮影の内容などに関するトークセッションが行なわれた。
ドライブが趣味で仕事先にも自身で運転していくという竹野内さんは、新TV-CMの感想について「クルマは同じでも、人によって使う用途は十人十色、1000人1000色だと思います。私も今後はちゃんと選んでタイヤを買いたいと思います」とコメント。
自身のタイヤ選びのポイントを、「私は○○○ちゃんと買い。」と書かれたフリップを使って簡潔に紹介するコーナーで、竹野内さんは「フィーリングで」と記入。これについて「ただ走れればいいということではなく、曲がり方や止まり方を含めてドライビングを楽しんでいけたらと思っています」と理由を述べた。
また、子供を持つ母親になって仕事からプライベートまでクルマがなくてはならない存在になったという杏さんは「CMの中でも竹野内さんが(タイヤを)『靴みたいだ』とおっしゃっていたように、生活するスタイルでハイヒールの人もいればスニーカーの人もいる。立ち仕事の人もいればデスクワークの人もいるといった感じに、それぞれの用途が違って、私も以前の状況から家庭を持って子供がいることで環境がガラッと変わって、クルマやタイヤに関する意識もガラッと変わりました」とコメント。
同じくタイヤ選びのポイントをひと言で表現するフリップに、杏さんは「愛情で」と記入。「やっぱり、安心とか安全とか、運転でも守るような生活スタイルにふさわしいタイヤを選びたいと思いました」と理由を説明している。