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横浜ゴム、次世代スポーツタイヤ「アドバン ネオバ」のコンセプトは“ネオ・バーニング”。ファイアパターンを採用へ
202x年登場予定
2019年2月23日 16:28
2月23日、ポートメッセ名古屋(愛知県名古屋市港区金城ふ頭)で「NAGOYAオートトレンド 2019」が開幕した。2月24日まで開催されるこのイベントは、東京オートサロン、大阪オートメッセに続くカスタムカーショーであり、初期のオートサロンの雰囲気が残るショーでもある。
横浜ゴムは、このポートメッセ名古屋でも、東京オートサロン、大阪オートメッセ同様、次世代スポーツタイヤ「ADVAN NEOVA(アドバン ネオバ)」のコンセプトモデルを展示。サーキット走行も楽しめるタイヤとして高い人気を誇るネオバ AD08Rの後継製品とされており、202x年発売が予告されている(つまり、2019年には発売されないわけだ)。
本記事では、このネオバ コンセプトに注目してお届けする。
このネオバ コンセプトを見てすぐに気がつくのは、その特徴的なトレッドパターンだろう。
一般的にタイヤは、コンパウンド、トレッドパターン、プロファイル、構造(コンストラクション)から構成され、それぞれの技術要素が大切になってくる。コンパウンドに話題が集中しがちだが、これは最後になっても変更できる部分で、コンパウンドを変更したアドバンスモデルも出しやすい部分でもある。逆に言うと、トレッドパターン、プロファイル、構造などは後から変更しづらく、最初の設計がとても大切になってくる。コンセプトの段階で、プロファイルや構造などが明かされることが少なく、横浜ゴムも「まずはトレッドパターン」と考えての展示になっている。
このトレッドパターンは、従来のネオバと異なり、めらめらと燃える炎を表現したものとなる。パターンコンセプトは“NEO BURNING(ネオ・バーニング)”、炎のエネルギーが表現されている。
従来のネオバでは、センターにストレートグルーブが1本通っており、その両脇に曲線を基調としたグルーブを配置。そのグルーブから構成される2本の周方向に走るリブ、そして巨大なブロックパターンを構成することで、タイヤの接地部分の剛性と排水性を両立するデザインとなっていた。
ネオバ コンセプトでは、単純なストレートグルーブを廃し、生命感のある波打つグルーブ(シーケンシャルラウンドグルーブ)を2本配置。これにより中央部にうねうねと走るリブを作り、中央部、左右部ともに炎をイメージした切り込みが入っている。
同時に展示されていた、新製品のBluEarth-GTもそうだが、現代のタイヤでは直線基調のデザインが多く、ネオバ コンセプトのよう鋭角的なイメージを残しつつ、曲線も多用されているのは珍しい。もちろんコンセプトモデルであるから、という要素はあるだろうが、それでも一般公開した以上は、製品にも反映されていくだろう。
このネオバ コンセプトに刻まれた各種のグルーブも特徴的で、深さが3次元的に変化していく新世代のもの。最初は浅く、進むにつれて深くなっていくもので、細かく見れば見るほど興味深いものだ。現行のネオバの溝深さが一定なのに対して、より狙った特性を出しやすいものだ。
これら特徴的なパターンについて横浜ゴムスタッフに聞いたところ、現状はコンセプトモデルのため手彫りで表現しているとのこと。よく見ると手彫り作業の痕跡があり、コンセプトモデルならではの楽しみを見いだせる。また、シンプルなストレートグルーブがないことによる排水性のデメリットはないように計算されていると語り、すると注目点はどれだけスポーツ性を高めれられるかだろう。
現行ネオバのパターンは、剛性が高く、また剛性変化もゆるやかなため、スポーツ走行時の安心感も高い。運転しやすい、攻めやすい特性を持っているところも人気につながっている。
ネオバ コンセプトではデザインのためか、細い溝が入っており、走りの上ではこの細い溝がどう影響するのかは気になるところ。横浜ゴムスタッフによると、今後もこのネオバ コンセプトをさまざまなイベントで展示することで、多くの人の意見を調査。実際の製品に反映していくという。つまり、まだまだ開発期間はありそうで、次世代ネオバの量産品の登場には時間がかかりそうだ。
今後もこのネオバ コンセプトは、各種のイベントで展示していくという。ネオバ コンセプトを見かけたら、よーく確認して、自分なりの意見を横浜ゴムのスタッフにぶつけてみるのがお勧め。横浜ゴムは、さまざまな意見を集約しつつ、新しいネオバを作り上げようとしているのだから。