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WEC第7戦「スパ・フランコルシャン6時間レース」決勝レポート。TOYOTA GAZOO Racing 8号車が雪のレースを制す

最終戦を待たずTOYOTA GAZOO Racingがマニュファクチャラータイトル獲得

2019年5月4日(現地時間)開催

トップを走行するTOYOTA GAZOO Racing TS050 HYBRID 8号車

 5月4日(現地時間)、ベルギーのスパ・フランコルシャンサーキット(7.004km)で、2018-2019年スーパーシーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第7戦 スパ・フランコルシャン6時間レースの決勝が行なわれた。

 34台が出走し、LMP1クラスのToyota GAZOO Racing(トヨタ自動車)中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ/セバスチャン・ブエミ組のTS050 HYBRID 8号車が総合優勝。今期4度目の優勝を飾り、後続に31ポイントの差をつけ2018-2019年のLMPドライバーズタイトル獲得に向けて前進した。タイトルは6月に行なわれるWEC最終戦 ル・マン24時間レースで決定する。

 同じくToyota GAZOO Racingの小林可夢偉/マイク・コンウェイ/ホセ・マリア・ロペス組のTS050 HYBRID 7号車は、ポールポジションから順調にスタートしてトップを走行するも、3時間経過前の16時20分前後にピットイン。ハイブリッドシステムセンサーのトラブルで交換に4周をロスしてしまい、結果は6位となった。

予選でポールポジションを獲得したToyota GAZOO Racing TS050 HYBRID 7号車 マイク・コンウェイ選手(左)、ホセ・マリア・ロペス選手(中央)、小林可夢偉選手(右)

 今回のレース結果により、Toyota GAZOO Racingは最終戦を前にマニュファクチャラーズタイトルを獲得した。

 LMP2クラスは、アンソニー・デビッドソン/パストール・マルドナド/ロベルト・ゴンザレス組のDragon Speed 31号車が初優勝。トヨタで活躍したアンソニー・デビッドソンの喜ぶ顔が印象的だった。

 LMGTE-Proクラスは、アレックス・リン/マキシム・マルタン組のASTON MARTIN RACING 97号車が今期初優勝。また、ポルシェ 911 RSR 92号車が3位、91号車が8位となり、PORSCHE GT TEAMは総合順位で93ポイントを獲得し、最終戦を待たずにGTEのマニュファクチャラーズタイトルを獲得した。

LMGTE-Proクラスで今期初優勝したASTON MARTIN RACING 97号車

 LMGTE-AmクラスはDEMPSEY-PROTON RACINGの77号車がセブリングに続き2連勝。自身が立ち上げたMR RacingからLMGTE-Amクラスに参戦している石川資章組は総合32位、クラス8位だった。

石川資章組のMR RACING
予選でMR Racingの石川選手はオールージュでクラッシュしてしまった

 決勝日は朝から雪景色。最高気温は3℃までしか上がらず。スタートは曇り空のもとドライスタート。しかし、スタート後3周目に雪混じりの雨が降り出したかと思うと暗くなり、天候は氷混じりの激しい雪に変わりドライからウェットに激変。約30分後には雪が止んでコースが乾き始めるが、路面からの水蒸気と水しぶきで悪条件のコースコンディション。レース中盤はほぼドライ状況だったが、19時30分過ぎには再び氷混じりの雪が降り出し、各車タイヤ交換のためにピットイン。5時間経過ごろにまた雪が激しくなり、止んだかと思うと数分後にまた雪は激しくなる。激変する悪天候のために6時間を待たず、(約10分前に)赤旗でレースは終了となった。

 激変する波乱のコース状況で数度のセーフティーカーやフルコースイエロー導入、赤旗終了となりながらも大きなクラッシュはなく、全車完走となった。

積雪の朝のオールージュ(気温は0℃)
スタート前
スタートシーン
2周目のトップのToyota GAZOO Racing TS050 HYBRID 7号車
3周目でピットに入り、タイヤ交換するTOYOTA GAZOO Racing
ウェットに激変する天気
雪のウェット路面を走行する各車
スタートから30分後には雪は止み晴れるが、水蒸気と水しぶきでコースは悪状況
水蒸気と水しぶきの中を走行する各車
悪路に足下をすくわれ、看板に激突してしまったBYKOLLES RACING TEAMのマシン
雪が止み、乾きはじめるコースを走行する各車
右フロントのタイヤを失いながら走行するSMP RACING 17号車
19時20分過ぎ、レインタイヤを用意するTOYOTA GAZOO Racing
タイヤ交換と同時に中嶋一貴選手からフェルナンド・アロンソ選手に交代するトヨタ8号車
ピット作業を見守る小林可夢偉選手
タイヤ交換をするTOYOTA GAZOO Racing TS050 HYBRID 7号車
DEMPSEY-PROTON RACING 88号車のピット。雪が激しくなる
バスストップシケインでスピンする GULF RACING のポルシェ911 RSR
コースに川ができる「ラ・ソース(1コーナー)」。次第に晴れ間がのぞく
ロッテラー組のREBELLION RACING 1号車
LMGTE-Rroクラス、PORSCHE GT TEAM 92号車を追うAF CORSEのFerrari 488 GTE EVO
またまた天候が激変
激しい雪中を走行する各車
激変する天気レースは赤旗で終了した
LMP1クラスで優勝したTOYOTA GAZOO Racing TS050 HYBRID 8号車のセバスチャン・ブエミ選手、フェルナンド・アロンソ選手、中嶋一貴選手
LMP2クラスで初優勝したアンソニー・デビッドソン/パストール・マルドナド/ロベルト・ゴンザレス組のDragon Speed
初優勝したアンソニー・デビッドソンの喜びの表彰台
LMGTE-Proクラスで今期初優勝したアレックス・リン/マキシム・マルタン組のASTON MARTIN RACING 97号車
LMGTE-Amクラスでセブリングに続き2連勝したDEMPSEY-PROTON RACING 77号車のクリスチャン・リード選手、リカルド・ペラ選手、マット・キャンベル選手