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中野英幸の「ル・マン24時間 2018」8号車 トヨタ TS050-HYBRID優勝記念フォトギャラリー

サーキットを走るマシンやパドック、選手の写真をフルHD解像度で

2018年6月16日~17日(現地時間)決勝開催

 2018年のル・マン24時間レースは、トヨタ自動車の優勝で無事終了した。

 ライバルメーカーが次々にル・マン24時間レースから撤退し、トヨタだけがメーカーとして参戦した2018年のル・マンは、当然ながらトヨタが優勝候補の筆頭として語られていた。2016年、2017年も同じように語られながら残念な結果となったトヨタは、背水の陣で今年のル・マンに臨んだに違いない。ミスで落とすことは絶対にあってはならないことだった。“トラブルさえなければ勝てる”そんな思いは一昨年、昨年にもあったはずだった。

 2018年のトヨタのピットには、前年までとは少し違う雰囲気が見られた。具体的にどうとは言えないが、プレッシャーがかかっている雰囲気があまり見られなかったのだ。それは緊張感がないといった意味ではなく、どんな事もプレッシャーとして感じなくなっているように思えた。

 ウォーミングアップから予選にかけ、焦ってタイムを削るのではなくじっくりとタイムを削っていくような余裕も見られた。ライバルはチームメイト。多くのセッションにおいて7号車のほうがわずかに上まわっていた。

 それまでマシンに少し違和感を感じていた中嶋一貴選手、セバスチャン・ブエミ選手、フェルナンド・アロンソ選手の3人のドライバーは話し合った末、7号車のセッティングをフルコピーして最後のセッションに臨むことを決めた。そして、中嶋選手がポールタイムを決めた。小林可夢偉選手を2秒ほど上回まわってポールポジションを獲得したのだった。

 決勝になるとトヨタの2台がほかを寄せつけることもなくワンツー体制を築きあげ、2台によるマッチレースが展開された。夜のスティントに入ったところで、アロンソ選手が3分近くあった7号車との差を、なんと1分以内にまで詰めて中嶋選手にバトンをつないだのは圧巻だった。そして、受け取ったマシンを中嶋選手はついにトップまでもっていったのだ。

 終盤、7号車がスローダウンした場面もあったが、これは小林選手がピットに入るのを忘れて1周多く走らなければならなくなり、セーフティーモードでの走行となったためだった。小林選手とは思えない凡ミスだが、ある意味彼の人間らしさがにじみ出る一瞬ではあった。まさか彼に緊張感が途切れる時があるとは!

 最終的に、トヨタには何も起こることなく、ワンツー体制のままゴールを迎え、トヨタに初優勝の栄冠をもたらした。本稿では20年がかりで初勝利をつかんだトヨタの写真を掲載する。画像をクリックするとフルHD解像度(1920×1080ピクセル)などで開くので、その迫力の写真を楽しんでほしい。Tv(シャッター速度)、Av(絞り数値)などのEXIF情報を一部残してある。撮影時の参考にしていただければ幸いだ。

 トヨタだけが目立ってしまった2018年のル・マンだが、熱い戦いは相変わらずだった。

Photo:中野英幸