ニュース

ダイハツ、5ナンバーサイズの新型コンパクトSUV「ロッキー」

DNGA第2弾。広い室内空間&荷室に加え、4WD新制御など投入

2019年11月5日 発売

170万5000円~242万2200円

ダイハツ工業の新型コンパクトSUV「ロッキー」

 ダイハツ工業は11月5日、新型コンパクトSUV「ロッキー(Rocky)」を発売した。価格は170万5000円~242万2200円。

 ロッキーは、7月に発売された軽自動車「タント」に続く、ダイハツの新世代のクルマづくりとなる「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」第2弾商品。DNGA商品として初めてトヨタ自動車のラインアップに加わるモデルとなる。

 車両のコンセプトは「アクティブ・ユースフル・コンパクト」。若々しくアクティブな生活を楽しむスタイル志向層をメインターゲットとし、「レジャーなどのためにSUVが欲しいけれど大きなクルマは苦手」というアクティブユーザーに向けて、レジャーから買い物などの日常生活まで幅広いシーンで活躍できる“良品廉価”な新商品を目指して開発された。

グレードエンジン変速機駆動方式価格
L直列3気筒DOHC 1.0リッターターボCVT2WD(FF)1,705,000円
4WD1,944,800円
X2WD(FF)1,848,000円
4WD2,086,700円
G2WD(FF)2,002,000円
4WD2,224,200円
Premium2WD(FF)2,200,000円
4WD2,422,200円
ロッキー。ボディサイズは3995×1695×1620mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2525mm。画像は「G」グレード
ロッキー Gのインテリア
ロッキー「L」
ロッキー「X」
ロッキー「Premium」

 ロッキーのボディサイズは3995×1695×1620mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2525mm。取りまわしのよいコンパクトな5ナンバーサイズかつ全長4000mm以下でありながら、DNGAによるパッケージング技術を生かし、カップルディスタンスを900mm確保する広い室内空間と、最大室内長755mm、最大容量369Lの大容量ラゲッジ+80Lの大容量アンダーラゲッジを実現した。

 また、DNGA新プラットフォームにより、最小回転半径は16インチタイヤ装着モデルが4.9m、17インチタイヤ装着モデルが5.0mという高い小まわり性を実現。665mmの高いヒップポイントと、31度(俯角+抑角)という運転席からの広い上下視界により、ボンネットフードの左右前端を見やすくして、安心して運転ができるようにした。

DNGAによるパッケージング技術を生かした広い室内空間を実現
車両諸元
大容量のラゲッジルームを実現
2段に高さを調節できるフロアボードを採用してVDA法で369Lの容量を確保。また、80Lのアンダーラゲッジを設定することで多彩な荷室レイアウトを実現した
2WD(左)と4WDでアンダーラゲッジの形状が異なる
リアシートは6:4分割可倒式のため、長尺物にも対応する
運転席からの広い上下視界を確保

DNGA新プラットフォームによる高い基本性能

DNGAによる新技術を用いた新プラットフォームを採用

 新型タントで採用した軽自動車用のDNGA新プラットフォームに対し、骨格の通し方や足まわり部品の取り付けの考え方などは共通としながら、コンパクトカーのサイズに拡大。骨格構造のスムーズ化や合理化を実施して部材の構造断点をなくすとともに、ハイテン材の活用による軽量高剛性ボディを開発し、走行時の安定性と乗り心地のよさを実現した。

 サスペンションに関してはジオメトリを見直してゼロから開発。サスペンションの取付位置およびブッシュ特性、バネ定数、ショックアブソーバー特性を最適化して、高い操縦安定性と乗り心地のよさを両立した。

 パワートレーンは、1.5リッタークラス相当の動力性能を確保する直列3気筒DOHC 1.0リッターターボ「1KR-VET」型エンジンを搭載。最高出力72kW(98PS)/6000rpm、最大トルク140Nm(14.3kgfm)/2400-4000rpmを発生させる。燃費は1.5リッター以下の小型SUV(ガソリン車)では最も低燃費となる、WLTCモード燃費18.6km/L、JC08モード燃費23.4km/Lを達成している。

 トランスミッションは、DNGAにより新開発したスプリットギヤを用いた技術を採用したD-CVTを搭載。変速比をワイドレシオ化することで燃費性能や静粛性に貢献するほか、アクセルのスロットル特性を最適化して、低開度域はコントロール重視、中高開度域はレスポンスを重視した設定とすることで、レスポンスやコントロール性を向上した。

最高出力72kW(98PS)/6000rpm、最大トルク140Nm(14.3kgfm)/2400-4000rpmを発生する直列3気筒DOHC 1.0リッターターボ「1KR-VET」型エンジンを搭載。トランスミッションには新開発したスプリットギヤを用いた技術を採用したD-CVTを組み合わせる。WLTCモード燃費は18.6km/L、JC08モード燃費は23.4km/Lを達成

 そのほかにも、ダッシュとカウルの一体構造化や、遮音材/制振材の最適化、ドアの2重シール化などにより、高い静粛性を実現している。

新開発の4WDシステム採用

電子制御式カップリング機能を用いた「ダイナミックトルクコントロール4WD」を採用して、滑りやすい路面での安定性を向上

 4WDシステムには電子制御式カップリング機能を用いた「ダイナミックトルクコントロール4WD」を採用。走行状態や路面状況を検知し、ECUで前後輪に100:0~50:50までシームレスにトルク配分を行なうことで、機械式カップリングを用いた4WDと比較して安定した走行性能を実現。滑らない路面では燃費向上のために2WD走行を行ない、滑りやすい路面では後輪の駆動力を高めることでスリップを抑制するとともに、安定性を向上させる。なお、走行中のトルク配分はマルチインフォメーションディスプレイで確認できる。

マルチインフォメーションディスプレイにトルク配分を表示可能

 足まわりは、ディファレンシャルギヤをボディ側に取り付けることで、2WD同様のトーションビーム式サスペンションの採用が可能となり、乗り心地や操縦安定性の向上に貢献。さらに、低床化による室内空間の拡大も実現した。

SUVらしいデザイン

 エクステリアでは、安心を感じさせる厚みのあるロアボディと、薄く軽快なキャビンを支える張り出したフェンダー&17インチの大径タイヤでSUVらしい力強さを強調。デザイン要素をシンプルで明快にすることで、コンパクトでありながらクリア感と力強い存在感を表現した。ヘッドライトは全グレードでフルLED化するとともに、安全性と先進性を表現したLEDシーケンシャルターンランプを採用して周囲からの視認性を高めた。

LEDシーケンシャルターンランプを採用
フルLEDヘッドランプ(オートレベリング機能&サイドビューランプ付)
LEDリアコンビネーションランプ

 ボディカラーには、光が当たると朱色に輝く光彩色の新色「コンパーノレッド」を含めた全8色を設定。このコンパーノレッドは1963年に発売したダイハツ初の小型乗用車「コンパーノ」に由来し、ダイハツのモノづくりを象徴するとともに、暮らしに寄り添うダイハツの姿勢を表現する。

 また、ブラックルーフの2トーンをコンパーノレッドのほか「シャイニングホワイトパール」「ブライドシルバーメタリック」に設定した。

コンパーノレッド
レーザーブルークリスタルシャイン
マスタードイエローマイカメタリック
ファイヤークォーツレッドメタリック
ナチュラルベージュマイカメタリック
シャイニングホワイトパール
ブライトシルバーメタリック
ブラックメタリック
ブラックマイカメタリック×コンパーノレッド
ブラックマイカメタリック×シャイニングホワイトパール
ブラックマイカメタリック×ブライトシルバーメタリック

 インテリアではシルバー加飾を施した背の高いフロントコンソールや、高い位置にあるスポーティなシフトレバーとコクピットタイプのインパネデザインにより、SUVらしいワクワクする空間を表現。「X」「G」グレードでは赤色の加飾を施してアクティブ感を、最上級の「Premium」グレードでは革巻きのステアリングやシフトノブ、ソフトレザー調のシートを採用するとともに、黒とシルバーの加飾で上質感を表現した。

ロッキー Gのインテリア
ロッキー Premiumのインテリア

 フロントシートは背もたれサイドの形状を最適化して、ホールド性を向上。座面を長くして形状を最適化することでフィット性も高め、安心感ある座り心地とした。

形状を最適化して安心感ある座り心地としたフロントシート
リアシートはリクライニングも可能

 さらに、豊富なポケッテリアを設定して使い勝手を向上。フロントコンソールの高さを生かしてサイド部分にもポケットを配置するなど、デザインと使い勝手のよさを両立した。加えて、先進性とプレミア感のあるフル液晶を想起させるデザインを採用した「アクティブ マルチ インフォメーションメーター」をX、G、Premiumに設定。4種類のデザインをステアリングスイッチの操作で選択可能とした。

豊富なポケッテリアを設定
SRSサイドエアバッグ(運転席/助手席)、SRSカーテンシールドエアバッグ(前後席)、デュアルSRSエアバッグを全車標準装備
アクティブ マルチ インフォメーションメーターは4種類の表示が可能

“スマアシ”に2つの新機能

「次世代スマートアシスト」を搭載

 予防安全機能については、予防安全機能「スマートアシスト」の10機能と、運転をサポートする「スマートアシストプラス」の7機能を加えた計17機能の「次世代スマートアシスト」を搭載。

 計17機能のうち、隣接する車線の死角を走る車両を検知してミラーインジケーターを点灯させドライバーに知らせる「ブラインドスポットモニター」と、後方を横切る車両を検知してミラーインジケーターとブザー音で注意喚起する「リヤクロストラフィックアラート」の2機能をロッキーから新たに追加。後方確認時の安全性を向上させた。

「スマートアシスト」と「スマートアシストプラス」の機能を合わせたものが次世代スマートアシストとなる
全車速追従機能付ACC(定速走行)のイメージ
全車速追従機能付ACC(減速走行・停止制御)のイメージ
全車速追従機能付ACC(発進制御・追従走行)のイメージ
全車速追従機能付ACC(加速走行)のイメージ
レーンキープコントロールのイメージ
リヤクロストラフィックアラートのイメージ
ブラインドスポットモニターのイメージ
車両を検知するとミラーインジケーターが点灯
スマートアシストの各種センサーの作動イメージ
スマートパノラマパーキングアシストのイメージ
夜間の検知イメージ
アダプティブドライビングビームのイメージ
全点灯時
遮光時

新たなコネクトサービス「ダイハツコネクト」提供

 ロッキーは、10月7日に発表したスマートフォンを利用したコネクト機能「ダイハツコネクト」を初搭載。事故や故障時にスムーズな対応を可能とする「つないでサポート」、ドライバーの状況を家族などの“見守り者”にメール送信する「見えるドライブ」、駐車位置情報やガソリン残量といったクルマの状況を記録し、スマホで確認できる「見えるマイカー」、車検や点検時期などをディスプレイへの表示とメールで知らせる「つないでケア」の4つの機能でカーライフをサポートする。

 また、ダイハツコネクト対応のディスプレイオーディオやカーナビの購入者を対象に、車内で利用できるWi-Fiサービス「ダイハツWi-Fi」を提供。所定の条件を満たすと利用開始から3年間、1GB/付きの通信プランを無料で提供するほか、3GB/月~30GB/月の有料プランも設定する。

 そのほかにも、9インチのスマホ連携ディスプレイオーディオを設定し、SmartDriveLinkやApple CarPlay対応のスマホをディスプレイ上で表示・操作可能として利便性を高めた。

9インチスマホ連携ディスプレイオーディオ

 なお、ロッキーの世界観を広げる3つのアクセサリースタイルとして、ブラック塗装のエアロパーツやメッキ加飾により、存在感ある上質なスタイリングを表現する「エレガンススタイル」、サテンシルバーを基調色にレッド加飾付きのアンダーガーニッシュを装着してSUVの力強さを強調したスタイリングを表現する「パワフルスタイル」、車体色に対応したエアロパーツを装着することでスポーティさを強調し、アグレッシブで躍動感のあるスタイリングを表現する「スポーティスタイル」を用意した。

オリジナルアクセサリーパッケージ「エレガンススタイル」装着車
シートカバー(エレガンススタイル)
オリジナルアクセサリーパッケージ「パワフルスタイル」装着車
シートカバー(パワフルスタイル)
オリジナルアクセサリーパッケージ「スポーティスタイル」装着車
シートカバー(スポーティスタイル)

【お詫びと訂正】記事初出時、エンジンスペックの表記に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。