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カウンタックからアヴェンタドールまで新旧ランボが大阪に集結。「ランボルギーニ デイ ジャパン 2O19」レポート

「アヴェンタドール SVJ 63ロードスター」をアジア太平洋地域で初披露

2019年11月22日 開催

大阪で「Lamborghini Day Japan 2019」開催

 ランボルギーニ ジャパンは11月22日、大阪にあるGLION MUSEUM(ジーライオンミュージアム)において「Lamborghini Day Japan 2019」を開催した。このイベントは今年で4回目の開催で、今回はモントレー・カー・ウィークで発表された「アヴェンタドール SVJ 63ロードスター」をアジア太平洋地域で初披露する機会になった。

 アヴェンタドール SVJ 63ロードスターは、ニュルブルクリンク北コース市販車最速を記録した「アヴェンタドール SVJ クーペ」の性能を引き継いだオープントップバージョンだが、今回展示されたモデルはランボルギーニが日本の歌舞伎からインスピレーションを受けて製作した「アヴェンタドール SVJ ロードスター JP63」となっていた。同時に「ウラカン EVO スパイダー JP63」も展示された。

アヴェンタドール SVJ ロードスター JP63。日本や歌舞伎をイメージしたカラーになっている
シートには「扇」のイメージが刺繍で取り入れられている
こちらはアヴェンタドール SVJ 63ロードスター。「63」は生産台数の数字ですべて完売とのこと
ウラカン EVO スパイダー JP63。こちらはドアトリムに扇イメージの刺繍を採用

 Lamborghini Day Japanはランボルギーニオーナー向けのイベントということで、会場ではオーナーを迎えるためのさまざまな準備が整えられていた。その中でとくに目を引いたのが、会場に向かう通路に展示されたランボルギーニの歴史的なクルマである。まずはこれらのクルマを写真で紹介していこう。

会場になった大阪のGLION MUSEUM
「ランボルギーニ・チェンテナリオ ロードスター」。ランボルギーニ創業者の生誕100年を記念して作られた。ベースはアヴェンタドール。40台が作られ、うち20台がロードスター
ランボルギーニ・チェンテナリオ ロードスターのインテリアとロゴ
「ランボルギーニ カウンタック LP400S」。ルーフが低いモデル
ランボルギーニ カウンタック LP400Sのインテリア。内装パーツの状態もとてもきれい
オリジナルの状態を保つランボルギーニ カウンタック LP400Sのエンジン
「ランボルギーニ ミウラ P400S」
こちらは屋内に展示されていた「ミウラ SVR」。ランボルギーニがレストアした車両
ミウラ SVRの部分アップ
再び屋外の展示車へ。こちらは「ランボルギーニ イスレロ」。2+2の4座スポーツカー
「ランボルギーニ ハラマS」
「ランボルギーニ ウラッコ P200」。2.0リッターエンジンモデルだ
「ランボルギーニ LM002 エヴォリツォーネ」。LM002ベースのラリー専用マシン
「ランボルギーニ ディアブロ GT」。世界限定80台モデル
「ランボルギーニ ムルシエラゴ 40th アニバーサリーエディション」。50台限定
ムルシエラゴとディアブロの2ショット
「ウラカンGT3 EVO」はSUPER GT GT300クラスの88号車を展示
カスタマイズプログラム「アド・ペルソナム」仕様のモデルも。「ウルス」も歌舞伎にインスピレーションを得たJP63仕様となっている

歌舞伎エディションはイタリアのデザイン文化と日本の伝統文化の融合

アウトモビリ・ランボルギーニ アジア太平洋地区CEO マッツオ・オルテインツィ氏

さて、ここからは冒頭で紹介したアヴェンタドール SVJ ロードスター JP63のアンベールと同時に行なわれたプレスカンファレンスの内容を紹介する。

 アヴェンタドール SVJ ロードスター JP63は日本歌舞伎にインスピレーションを得たということから、オープニングは歌舞伎役者の片岡愛之助さんが演技を披露するという大変豪華な演出が盛り込まれた。

マッツオ・オルテインツィ氏の登壇前に始まった歌舞伎役者の片岡愛之助さんの演技

 片岡愛之助さんの演技のあと、ステージに上がったのはアウトモビリ・ランボルギーニ アジア太平洋地区CEOのマッツオ・オルテインツィ氏だ。オルテインツィ氏は「今回、私たちが日本の伝統的な文化である歌舞伎に賞賛を送っているという新しい試みからこれらのクルマを作りました。これら歌舞伎エディションはイタリアのデザイン文化と日本の伝統文化の融合であり、非常に意味のあるクルマになっています。歌舞伎における“歌”とランボルギーニのV12エンジンとマッチするものだと思います。そして歌舞伎の中の“舞”はウラカン EVO スパイダー JP63のダイナミックなフォルムで表現しています。さらに歌舞伎の中の“伎”は別会場に展示しているウルスで表現します」と、初公開された3台のJP63仕様車を紹介した。

アヴェンタドール SVJ ロードスター JP63を紹介するマッツオ・オルテインツィ氏。イタリアのデザイン文化と日本の伝統文化が融合しているという
アウトモビリ・ランボルギーニ CEOのステファノ・ドメニカリ氏

 続いて登壇したのはアウトモビリ・ランボルギーニ CEOのステファノ・ドメニカリ氏。同氏からは「日本は私たちのブランドにとって特別なところであります。日本のお客さまはどういった方であれ、イタリアの文化の独特なところをしっかりと理解してくださっています。その中にはランボルギーニの技術やデザインも含まれます」。

「われわれランボルギーニは2019年、とても素晴らしい年を送ることができました。それは販売台数にも表れています。2019年は日本で650台という台数を記録しました。そういったところも踏まえて、われわれは日本のカスタマーと一緒にしっかりと日本の文化とイタリアの文化をよい形で表していきたいと思ってます。今日発表しましたこれらのモデルは、日本のために、日本のことを考えて、日本のお客さまのために出したものです。現在、ランボルギーニには年齢の若いお客さまが増えています。こういった方々は将来に対して非常に高いモチベーションを持っていますので、ランボルギーニは皆さまと一緒にできることをやっていきたいと思っています」と語った。

ステファノ・ドメニカリ氏とアヴェンタドール SVJ ロードスター JP63
アヴェンタドール SVJ ロードスター JP63は日本の伝統文化とイタリアの文化を融合させたクルマとのこと
夜にはランボルギーニオーナーによるパーティが開催され、大阪市内の集合場所から会場に向けて順次スタート。大阪の街にランボルギーニのエンジン音が響いた

今年中に初めての中古車ショールームをオープンさせる予定

 プレスカンファレンス終了後、別室でマッツオ・オルテインツィ氏、カティア・バッシ氏、デザイナーのミィティア・ボルケルト氏が参加したインタビューセッションが行なわれた。ここでは参加メディアからいくつかの質問があり、それぞれに3名が返答していたが、ここでは2つのポイントに絞って紹介しよう。

マッツオ・オルテインツィ氏
カティア・バッシ氏
ミィティア・ボルケルト氏

 前出のステファノ・ドメニカリ氏の発言にもあったが、近年、ランボルギーニの日本での販売は好調で、実際、街中で比較的新しいモデルを見かけることも増えている。それに伴い「ランボルギーニがほしい」と思う人も増えているようだ。

 ただ、ランボルギーニ ジャパンとしていわゆる認定中古車の販売は行なってない。安心感があって品質の高い認定中古車は必要ではないかということから、今後の中古車の扱いについて質問をしてみた。

 答えてくれたのはマッツオ・オルテインツィ氏。同氏からは「私たちのクルマの販売台数が非常に伸びいますので、もちろん中古車市場にも注目しています。実際に、今年中に初めての中古車ショールームをオープンさせる予定があります。場所は東京になります。スポーツカーに乗っているお客さまだけでなく、ウルスのようなタイプのクルマが売れているところからも、中古車という分野のビジネス展開にも力を入れていかなければならないと思っています」という回答をいただいた。

 また、近年、女性オーナーが増えているのではないかという質問もあり、この答えも「今までにないほど増えている」とのことなので、直営の中古車ショールームのオープンはこちらの流れも加速させそうだ。

マッツオ・オルテインツィ氏によると、東京に認定中古車ショールームのオープンを予定しているとのこと。スーパーカーの中古車は信頼性の高さとアフターフォローの内容が非常に大切なので、これは歓迎である

 このほかでは、今後の自動車業界の流れである電動化についての質問も出た。この問いには「ランボルギーニは電動化の技術やパワーについてけっして妥協したくないと思っています。現在の内燃エンジンではV12やV10など素晴らしいものを揃えています。そしてトレンドである電動化に対しても対応を進めています。先ごろ発表した『シアン』もその1つです。この電動化ですが、われわれは他社の追従ではなくて自分たち独特の方法でやっていきたいと考えています。次世代のスポーツカーはハイブリッドになるでしょう。ただ、ランボルギーニでハイブリッドスポーツカーを出すにはテクノロジーのすべての面で妥協しないというところに到達できて初めて実現できるものであるでしょう」と回答いただいた。