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三菱自動車、新型「エクリプス クロス」の予約受付開始 新設定PHEVの価格は約385万円から

ガソリンモデルは約255万円~約335万円

2020年10月15日 予約受付開始

約385万円~約450万円(PHEV)

約255万円~約335万円(ガソリンモデル)

新型「エクリプス クロス」の予約受付を開始

 三菱自動車工業は10月15日、12月に発売を予定しているクロスオーバーSUVの新型「エクリプス クロス」の概要を発表するとともに、同モデルの予約受付を開始した。価格については今回新たにラインアップに追加されたPHEV(プラグインハイブリッド車)が約385万円~約450万円、ガソリンモデルが約255万円~約335万円。

 また、発売日までの予約注文期間にPHEVモデルを注文した人への特典として、4種類の「選べるオプションプレゼント」を用意。エクステリアをいっそうスタイリッシュにする「ガーニッシュパッケージ」(ブラックまたはシルバーのフロント&リアアンダーガーニッシュをセット)、もしものときの安心安全に繋がる「前後ドライブレコーダーパッケージ」、アウトドアレジャーでの使い勝手を高める「アウトドアパッケージ」(ベースキャリア、スカッフデコレーション、ラゲッジトレイ、ラゲッジインナープレート)、自宅に充電用AC200Vコンセントの設置費用を支援する「充電設備機器設置支援」から選択可能になっている。

 また、残価設定型クレジット「スーパーマイカープラン」では、予約注文期間にPHEVモデルを注文した人への特典として「実質年率1.9%」を適用するとのこと。

 今回の大幅改良では、前後オーバーハングを140mm延長しつつフロントとリアのデザインを一新して上質感を高めながら流麗で洗練されたフォルムに仕上げるとともに、ラゲッジスペースの容量を拡大してSUVとしての使い勝手を向上。また、「アウトランダーPHEV」から引き継いだツインモーター4WD方式のPHEVモデルを新設定し、モータードライブならではの力強さと静かで滑らかな加速、車両運動統合制御システムS-AWCがもたらす思い通りの操縦性、軽快感と安心感でエクリプス クロスの走りの魅力を高めたという。

新型エクリプス クロスのデザインスケッチ

リアはダブルガラスからシングルガラスに変更

新型エクリプス クロスのフロントまわりでは各種ランプレイアウトの変更によって精悍でスポーティな表情に一新

 新型エクリプス クロスのデザインについて、PHEV、ガソリンともに同社のフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」を進化させ、各種ランプレイアウトの変更によって精悍でスポーティな表情に一新。また、バンパー下部にアンダーガード風ガーニッシュを採用し、SUVとしての力強さを表現した。

 リアデザインでは、従来モデルで採用していたダブルガラスから流れるようなシルエットとなるシングルガラスに変更し、より洗練されたスタイリッシュなフォルムを実現するとともに、良好な後方視界を確保。3方向に延びる立体的なテールランプがこのスタイリッシュなデザインを強調しつつ、高い位置に配置することで被視認性のよさと、ひと目でエクリプス クロスと分かる独自性を持たせた。また、分厚いボディパネルやバンパーは、塊の強さ、頑丈さを表現しつつ、そこに刻まれた背面装着式スペアタイヤからインスパイアした六角形のモチーフと相まって、SUVとしての機動性とスタビリティの高さを表現したという。

リアまわりでは従来モデルで採用していたダブルガラスから、流れるようなシルエットとなるシングルガラスに変更
新型エクリプス クロスのガソリンモデル(豪州仕様)

 また、インテリアではブラックを基調色とし、エンボス加工のスエード調素材と合成皮革のコンビネーションシートを上級グレードに採用したほか、メーカーオプションの本革シートは従来のブラックに加えてライトグレーを新設定。ドアトリムも同色でコーディネートし、上質でスポーティな空間に仕上げた。加えてスマートフォン連携ナビゲーション(SDA)の画面が8インチに変更を受けている。

メーカーオプションの本革シートは従来のブラックに加えてライトグレーを新設定。スマートフォン連携ナビゲーション(SDA)の画面は8インチに

 ボディカラーは有料色の「ホワイトダイヤモンド」(新色)と「レッドダイヤモンド」に加え、「ライトニングブルーマイカ」「ブロンズメタリック」「スターリングシルバーメタリック」「チタニウムグレーメタリック」「ブラックマイカ」の7色をラインアップする。

EV航続距離はアウトランダーPHEVと同等

 今回新設定されたPHEVのパワートレーンでは、前後1基ずつ搭載する高出力モーター、大容量の駆動用バッテリー、2.4リッターMIVECエンジンなどで構成する「アウトランダーPHEV」で実績のあるツインモーター4WD方式のPHEVシステムを新型エクリプス クロスに最適化させて搭載。電動車ならではの滑らかで力強く静かな加速、軽快感と安心感のある走りを実現したという。

 走行モードについては、駆動用バッテリーの電力でモーター駆動する「EV走行モード」、エンジンで発電した電力でモーター駆動する「シリーズ走行モード」、エンジンで発生した動力で走行し、モーターがアシストする「パラレル走行モード」の設定で、走行状況に応じて自動で切り替える。EV航続距離はアウトランダーPHEVの57.6km(WLTCモード)と同等としている。

 また、車内に設置したAC100V電源(最大1500W)より電力供給が可能なほか、V2H(Vehicle to Home)機器を接続すると、クルマに蓄えた電力を家で使うという家庭用蓄電池としての価値も提供。満タン・満充電の状態から、一般家庭の最大約10日分に相当する電力を供給できるとのこと。

 電動化技術を担当するチーフ・テクノロジー・エンジニア(CTE)の百瀬信夫氏は、「PHEVは日常のほとんどをEVとして、遠出する時はハイブリッドとして利用できますので、充電の心配をすることなく、モータードライブを心ゆくまで安心して楽しんでいただけます。また、アウトドアレジャーでは便利な、非常時では頼もしい電力源となります。私たちは環境性能を追求するだけでなく、お客様に安心・安全を提供するため、ツインモーター4WD方式のPHEVシステムを採用しました」とコメントしている。

車両運動統合制御システムS-AWCについて

 4輪制御技術については、PHEV、ガソリンともにボディ剛性の向上とともに前後サスペンションの最適化を実施して乗り心地と静粛性を向上。サスペンションのチューニングについては、リアショックアブソーバーの径拡大や減衰特性の最適化、リバウンドスプリングの採用といった変更が行なわれている。

 PHEVモデルは伝達ロスがなく自由自在に前後駆動力配分を行なえるツインモーター4WDをベースとした「S-AWC」を採用。高応答・高精度・高自由度という電動車の特性を生かし、S-AWC性能をいっそう高めたという。さらに、大容量の駆動用バッテリーを床下中央に配置することで前後重量バランスの最適化と低重心化を推進し、より上質な乗り心地と優れた操縦安定性を実現したとのこと。

 また、ガソリンモデルでは前後輪へ最適なトルク配分を行なう電子制御4WDをベースに、前輪左右の制動力を調整して旋回性を高めるAYC、制動力を制御するABS&ASCを協調させる「S-AWC」を採用し、ドライバーの運転操作に忠実で安心感の高い車両挙動を実現。また、サスペンションの最適化と相まって、日常でのより正確で安定したハンドリング、滑りやすい路面での操縦性を向上させた。

 なお、CTEの澤瀬薫氏は4輪制御技術について「ツインモーター4WDは、『走る』『曲がる』『止まる』を連続的に捉えて瞬時に制御する車両運動統合制御システムS-AWCを採用しており、意のままの操縦性と卓越した安定性を高次元で実現しています。電動車はきめ細かく、素早く、自由自在な制御が可能であり、誰もが安心して楽しめる、私たちの考える理想的な走りを追求しました」と述べている。