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レクサス、新型「LS」を発売 高度運転支援技術「Advanced Drive」搭載車は2021年発売予定
新色「銀影ラスター」やインテリア素材に西陣織やプラチナ箔を採用
2020年11月19日 17:55
- 2020年11月19日 発売
- LS500:1073万円~1580万円
- LS500h:1219万円~1728万円
レクサス(トヨタ自動車)は11月19日、フラグシップセダン「LS」の改良モデルを発売した。価格はLS500が1073万円~1580万円、LS500hが1219万円~1728万円。なお、最新の高度運転支援技術「Advanced Drive」搭載車については2021年発売予定。Advanced Driveでは、高速道路などの自動車専用道路での運転において、車載システムが車線・車間維持、分岐、レーンチェンジ、追い越しなどを支援する。
新型LSでは、パワートレーンやサスペンションからシート縫い位置などの細部に至るまで、徹底的なつくりこみを実施したという。エクステリアデザインでは、ヘッドランプまわりの意匠変更や、フロントグリルとリアコンビネーションランプの表面処理を変更。また、進化した塗装技術によって深い陰影と艶やかで鏡面のような質感を実現した新規外板色の「銀影(ぎんえい)ラスター」を設定。
インテリアではタッチディスプレイの採用による操作性向上に加え、日本独自の美意識に由来した世界観をインテリア空間に取り入れるべく、銀糸を織り込んだ西陣織とプラチナ箔などの匠の手によってつくられる素材を採用した。
モデルラインアップは、ガソリンモデルのLS500とハイブリッドモデルのLS500hに、それぞれ“EXECUTIVE”“version L”“F SPORT”“I package”といったモデルを用意する。LS500は、V型6気筒 3.5リッターツインターボエンジン「V35A-FTS」を搭載、トランスミッションは10速ATを採用。駆動方式は2WDと4WDを用意する。LS500hは、V型6気筒 3.5リッターエンジンを搭載。ハイブリッドシステムは「Multi Stage Hybrid System」を採用して、駆動方式は2WDと4WDを用意する。
Lexus International チーフエンジニア 武藤康史氏は「LSは、レクサスブランド創設以来、フラッグシップとして静粛性と乗り心地、精密なつくりこみによって、多くのお客さまに驚きと感動をお届けしてまいりました。常に最高の体験をお求めになられるお客さまの期待に応えるため、新型LSは自らの原点に立ち返り、静粛性と乗り心地をさらに進化させています。そして、その磨き上げた基本性能の上でこそ実現することが出来た高度運転支援技術『Lexus Teammate』を採用。レクサスの世界観をよりアーティスティックに表現するデザイン開発にも取り組み、お客さまの想像を超える新たな移動体験の提供を目指しました」とコメントしている。
モデル | エンジン | トランスミッション | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|---|---|
LS500“EXECUTIVE” | 3.5L V型6気筒 3.5リッターツインターボ | 10速AT | 2WD(FR) | 15,390,000円 |
AWD | 15,800,000円 | |||
LS500“version L” | 2WD(FR) | 13,450,000円 | ||
AWD | 13,860,000円 | |||
LS500“F SPORT” | 2WD(FR) | 12,340,000円 | ||
AWD | 12,440,000円 | |||
LS500“I package” | 2WD(FR) | 10,730,000円 | ||
AWD | 11,140,000円 |
モデル | エンジン | ハイブリッドシステム | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|---|---|
LS500h“EXECUTIVE” | V型6気筒 3.5リッター | Multi Stage Hybrid System | 2WD(FR) | 16,870,000円 |
AWD | 17,280,000円 | |||
LS500h“version L” | 2WD(FR) | 14,930,000円 | ||
AWD | 15,340,000円 | |||
LS500h“F SPORT” | 2WD(FR) | 13,510,000円 | ||
AWD | 13,920,000円 | |||
LS500h“I package” | 2WD(FR) | 12,190,000円 | ||
AWD | 12,600,000円 | |||
V型6気筒 3.5リッターツインターボエンジンは燃焼室形状の最適化などを実施
具体的な改良内容としては、V型6気筒 3.5リッターツインターボエンジンでは、使用頻度の多い走行領域でのエンジントルクの立ち上がりを向上させ、余裕のある力強い走りを実現。電動駆動方式で過給圧を制御するウェイストゲートバルブのバルブ開度を緻密に制御し、アクセル操作に対して発生するエンジントルクの精度を高め、車両の加速レスポンスを向上させた。また、シフトスケジュールを変更し、ギヤ段を維持したまま加速できる領域を拡げることで、シフトダウン頻度を低減した。
加えて、燃焼室形状の最適化により、燃焼効率を向上することで、出力、燃費性能、静粛性を向上。さらにコンロッド形状の最適化やクランクシャフトのクランクピン径を拡大することで軽量化と、剛性向上による優れた静粛性を両立した。また、可変バルブタイミング機構(VVT)を油圧制御化し軽量化を図るとともに、オイルコントロールバルブをVVT内部に配置するセンタースプール構造で油路を短縮することで、応答性の向上も実現した。
減衰力可変ダンパーAVSは、新たに設計した油圧制御用ソレノイドのオイル流量制御バルブの流路を拡大。これにより減衰力を低減し、上質な乗り心地を実現しています。また、減衰力の可変幅拡大により、優れた操舵応答性と安定性に寄与するとしている。
そのほか、ランフラットタイヤの縦バネ剛性、スタビライザーバーのばね定数、バウンドストッパーの先端剛性を最適化。またエンジンマウント内のオリフィスを変更することで減衰特性の変更を行ない、室内に伝わる振動や衝撃を低減。2WD車では、フロントサスペンションの高強度アルミ鍛造アームへの変更や、タイヤの質量低減によりばね下質量を約3.5kgの軽量化。路面からの入力をボディへ伝わりにくくすることで乗り心地を向上させた。
シート表皮の縫い位置をより深い位置に変更するとともに、新たに開発した低反発ウレタンパッドを採用。振動吸収と柔らかな座り心地により、さらに快適性を向上させた。
新規外板色「銀影(ぎんえい)ラスター」の採用や日本独自の美意識に由来したインテリアデザイン
デザインでは、シルバーの外板色「銀影(ぎんえい)ラスター」を新規開発。銀影ラスターはレクサス最新のシルバーとして、光輝材(アルミフレーク)を含んだ塗料の体積を凝縮させる「ソニック工法」を応用し、蒸着アルミを高密度で敷き詰める最新の塗装技術を採用。鏡面のように粒子感をほとんど感じさせない滑らかな質感で、周囲の僅かな光も繊細にとらえ、時の移ろいや変化に呼応し、さまざまな表情を見せる特別なシルバーとしている。インテリアにおいては、オーナメントにプラチナ箔&西陣を新規設定して、西陣織の銀糸やプラチナ箔の輝きにより、月明りに照らされた波の揺らぎによる「月の道」を表現した。
そのほか、エクステリアではフロントバンパーコーナー部に縦基調のキャラクターラインを配置し、オーバーハングが短く見える意匠とすることで、LSならではの上質な走りを表現。また、フロントバンパー下端のメッキモールがサイドまで回り込む造形とすることで、伸びやかさを表現した。
新意匠の小型3眼ランプユニットとL字を際立たせたクリアランスランプの下に、ブレードスキャンAHSを搭載した厚みのあるヘッドランプ形状で風格を際立たせた。また、サブラジエーターグリルをスクエア形状とし外側に配置することで、スタンスの良さを追求。加えてスピンドルグリルのメッシュカラーをダークメタリックに変更し、よりフォーマルなシーンにも配慮した上品さを表現した。
リアコンビネーションランプ内のメッキモールをピアノブラックに変更。厚みを感じるランプ形状とし、ヘッドランプとの調和とともに存在感を際立たせた。
“F SPORT”ではサブラジエーターグリルのガーニッシュをサイドまで回り込ませることで、ワイドなスタンスを強調。その他にも専用色のスピンドルグリル、20インチホイールなどのアイテムを採用し、スポーティなデザインとした。
インテリアでは、ハンドルとセンターコンソールのスイッチ類を黒で統一し、視認性を向上させるとともに端正な印象とした。また使用頻度の高いシートヒーターとステアリングヒーターの操作画面を表示させるスイッチをセンターコンソールに追加することで、操作性を向上させた。
マルチメディアシステムは、新たにタッチディスプレイを採用するとともに、「SmartDeviceLink」「Apple CarPlay」「Android Auto」に対応。iPhoneやAndroidスマートフォンを12.3インチタッチワイドディスプレイに連携することで、画面操作や音声操作が可能になるなど利便性を向上させた。
「Lexus Safety System +A」を全車に標準設定
新型LSでは、「Lexus Safety System +A」を全車に標準設定して各機能を拡充/進化させた。Lexus Safety System +Aの進化として、「プリクラッシュセーフティ」の対応領域を拡大し、交差点右折時に前方から来る対向直進車や、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知可能にした。加えて低速時の衝突回避または被害軽減をサポートする低速時加速抑制などの機能を追加。カメラで主要な道路標識を読み取り、メーター内に表示する「ロードサインアシスト(RSA*11)」において、最高速度120km/hまで表示する。
2021年発売予定のAdvanced Driveは、トヨタ自動車独自の自動運転の考え方「Mobility Teammate Concept」に基づいた最新の高度運転支援技術により、高速道路などの自動車専用道路での運転において、ドライバー監視のもと、実際の交通状況に応じて車載システムが適切に認知、判断、操作を支援し、車線・車間維持、分岐、レーンチェンジ、追い越しなどを実現するという。クルマに運転操作を安心して任せられるよう基本性能を磨き上げ、常に安全を最優先に判断することでドライバーに信頼される運転操作を追求。ドライバーはアクセル、ブレーキそしてハンドル操作からも解放され、長時間の運転における疲労の軽減が可能となり、より周辺に注意を払った安全な運転が可能になるとしている。
そのほか、高度運転支援アドバンストパーク「Advanced Park」「ブレードスキャン アダプティブハイビームシステム(AHS)」を採用、「デジタルインナーミラー」には高解像度でより大きな9.6インチディスプレイを採用して優れた後方の視認性を確保した。