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ミツオカ、新型SUV「バディ」正式発表 価格469万7000円から

「これまで私たちが経験したことのない数の問い合わせが殺到」、Webサーバーがダウン

2020年11月26日 発表

ガソリン車:469万7000円~549万4500円

ハイブリッド車:525万300円~589万9300円

バディを中心に、右から株式会社光岡自動車 代表取締役社長 光岡章夫氏、執行役員 ミツオカ事業部 事業部長 営業企画本部長 渡部稔氏、企画開発課課長 青木孝憲氏

 光岡自動車は11月26日、ミツオカ初の新型SUV「Buddy(バディ)」を発表した。価格は2.0リッターガソリン車の「20ST」の2WDが469万7000円から、2.5リッターハイブリッド車は「HYBRID ST」の2WDで525万300円から。11月26日から先行予約を受け付け、納車は2021年6月からとなる。

 新型SUVバディは、トヨタ自動車の「RAV4」をベースとしたSUVで、「自然体でサラリと乗りこなせる相棒」をコンセプトに開発した。光岡自動車の創業50周年を記念したスペシャルモデル「Rock Star(ロックスター)」とは異なり、通常ラインナップとして展開する。2021年6月から出荷を開始、2021年は50台、2022年以降は年間150台の生産を計画するという。

「バディ」独自の内外装を持ちながら、ベース車の特徴であるハイブリッド仕様や4WDが選べることや、先進安全装備などもほぼ踏襲。ムーンルーフやアクサリーコンセントといったベース車のオプションも選べるほか、バディの特徴でもあるスタイリングに合わせたタイヤとホイールなどのオプションも用意される。ただし、トヨタ純正の「T-connect」は利用できないとしている。

 外見ではフロント縦に2灯を並べる4灯ヘッドライトとし、リアも横長のステンレス鋼のバックパネルと縦長のテールランプでベース車とは全く異なる印象を与え、パンパーは前後ともメッキタイプが装着される。ボンネットやフロントフェンダーなどは独自の形状となっており、これまでの光岡自動車のものと異なり、部品精度と生産性の向上をはかるため、金型を使用した成形方法を中心としている。

モデルエンジントランスミッション駆動方式価格
20ST直列4気筒 2.0リッターCVT2WD(FF)4,697,000円
4WD4,892,800円
20DX5,313,000円
20LX5,494,500円
HYBRID ST直列4気筒 2.5リッター電気式無段変速機2WD(FF)5,250,300円
4WD(E-Four)5,471,400円
HYBRID DX5,899,300円

本当にアメリカンビンテージになった

 新型SUVバディの発表にあたり、今回はじめて実車を見たという光岡自動車の代表取締役社長 光岡章夫氏は「スケッチブックでは1年半前に見たときはまだ違和感があったが、今見ると、フロント、サイド、リア、本当にアメリカンビンテージになりました」と喜びを語った。

株式会社光岡自動車 代表取締役社長 光岡章夫氏

 また、光岡氏は2年前に「100年企業」を目指すと全社員と誓いあったことにも触れ、今後の予定として「大蛇(オロチ)」「ゼロワン」のタイプ2を計画に入れたいという希望も飛び出した。

これまで経験したことのない問い合わせが殺到

 営業企画本部長執行役員の渡部稔氏は、SUVタイプの登場について「Tシャツにジーンズで、気取ることなく、さりげなく、自然体で乗れるようなクルマがあれば、みなさんにも喜んでもらえるのではないか。自分自身もそういうクルマが好きで、乗ってみたいと思っておりましたので、今回、SUVを発表することになった」と、きっかけを語った。

株式会社光岡自動車 執行役員 ミツオカ事業部 事業部長 営業企画本部長 渡部稔氏

 さらに「バディ」のテーマは「見ての通り70年代から80年代のアメリカンSUVをテーマにしてること間違いありません。イメージデザインが、青木(企画開発課課長)から送られた時点で、よし、これはいけると、ひと目見て採用を決めました」とし、バディという名前についても「人それぞれの物語を紡ぎあげる中で、そっと寄り添って、どのシーンでもそばにいてくれるような大切な相棒であってほしい、という思いから」と名付けの理由を語った。

 また、ティザーを公開してからバディに対する反響が大きかったことにも触れ、「これまで私たちが経験したことのない数の問い合わせが殺到」や「2018年のロックスターのときの3倍のアクセス件数で、Webサーバーがダウン」ということも紹介された。

ボディには新たにABSやPPといった素材を使い、品質向上

 企画開発課課長の青木孝憲氏は、デザインについて「アメリカンビンテージと日本車のよさをうまくおりまぜながら、デザインに落とし込んだ」と説明。「アメリカンビンテージの香りをのこしながら、令和という新しい時代感を取り入れて、全体を整えた」とした。

株式会社光岡自動車 企画開発課課長 青木孝憲氏

 一方で、バディからはボディ素材も大きく変更。これまで光岡自動車では少量生産に対応するためにFRPを主に使ってきたというが、「一般的な自動車の外装に使われる、ABSやPPを使用。われわれの生産規模からすとイニシャルコストが高いが、バディの場合は角張った造形を出すために、表面平滑度とか細かい造形が苦手なFRPからABSとかPPとか射出成形に変える必要があった」と説明した。

 また、ボディカラーについては18色を用意。それぞれ独特なネーミングが付いているが「青春時代にすごしてきたカルチャーからそれをヒントにボディカラー名をつけた。説明してしまうと“ボケ”を説明しているようなので、差し控える」とし、カラー名称もそれぞれの人が想像して楽しんでほしいとした。

実車を展示

バディ、2.5リッターハイブリッド車、ボディカラーはノースカロライナブルー/ホワイト
サイドはベース車の印象を残すが、ホイールでかなり印象を変えている
フロントまわりは、ボンネットはアウターがスチールのプレスで成形、インナーがFRPになる。グリルはABS樹脂にメッキを施した
逆スラントノーズになっていて、フロントのフェンダーはPPを射出成形
エンブレム内にはセンサー類が入っている
ライトは上下になり、上がロービーム、下がハイビームでどちらもLED
フロントウインドウ
サイドダクトはイメージのみで穴はなし
ドアハンドルはベース車のグレードに合わせてメッキモールが付く
ドアとミラー
リアはステンレスのバックパネルを横長に貼り付け、MITSUOKAのブランドも表示
テールランプ
標準の「バディ」のロゴ。ミッドセンチュリータイプが標準装備となる
バックドアエンブレムは七宝焼で標準のブルー
ベース車のハイブリッドのロゴ
リア周り
エンジンルーム。改造車としても違和感はなし
オプションのヴィンテージ風のアルミホイールとタイヤを装備
ヘッドライト点灯。ロービームを点灯し、スモールランプは下のほうになる
ロービーム点灯
ハイビーム点灯
ハザード点灯。ウインカーもそうだが、スモールライトが消灯してオレンジ色に発光する
リアはスモールランプを点灯状態
バックランプと中央のブレーキランプを点灯
バックランプ、ブレーキ、ウインカーを点灯
運転席。シート表皮はバディのオリジナル。シートのカラーはボディカラーに合わせている
ステアリング中央には光岡自動車のロゴ
フロントのスピーカーにもバディのロゴがある
リアシート
ラゲッジスペースはベース車と同様
バディの2.0リッター車。ボディカラーはフューリーイエロー/ホワイト
ルーフにはオプションのルーフラックを装着。これはTRD純正品となる
オプションのヴィンテージ風のアルミホイールとタイヤを装備。ホイールのカラーはマットブラック
インテリアはボディカラーとの組み合わせでイエローのラインが入る
バディのエンブレムはオプションのスペシャルタイプ(フレアロゴタイプ)
バックドアエンブレムはオプションのブラック

【お詫びと訂正】記事初出時、一部登壇者の氏名と役職に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。