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新型「レヴォーグ」開発責任者 五島賢氏が受賞の喜びをコメント 2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤー最終選考会

インポート・カー・オブ・ザ・イヤーはプジョー「208/e-208」が受賞

最終選考会・表彰式:2020年12月7日 開催

新型「レヴォーグ」開発責任者 五島賢氏(写真左)

「第41回 2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤー」最終選考会が12月7日に開催され、スバル「レヴォーグ」が“今年の1台”に選ばれた。同日、オンラインで開催された表彰式において、新型「レヴォーグ」の開発責任者 五島賢氏が受賞の喜びをコメントした。

 スバルは新型レヴォーグにより、第24回 2003-2004 日本カー・オブ・ザ・イヤーの「レガシィ」、第37回 2016-2017 日本カー・オブ・ザ・イヤーの「インプレッサ」に続く、3回目の日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞となる。

スバル「レヴォーグ」(株式会社SUBARU)

 日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会が公開した新型レヴォーグの授賞理由としては、「スバルグローバルプラットフォーム」とフルインナーフレーム構造の組み合わせで類い希な操縦性と快適性を高次元で両立。日常域での扱いやすさを重視した新開発1.8リッター直噴ターボエンジンはリーン燃焼という新しい技術トライとユーザー目線の開発姿勢で支持を集めた。インテリアも大型センターインフォメーションディスプレイや、フル液晶メーターで構成された先進的なデジタルコクピットを採用するなど大きく進化し、2020年代のベンチマークにふさわしい仕上がり。3D高精度地図データと、GPSや準天頂衛星「みちびき」などの情報を活用した高度運転支援システム「アイサイトX(エックス)」を設定しながら、装着車で317万円(税別)スタートというコストパフォーマンスの高さも評価されたとしている。

受賞の喜びをコメントする新型レヴォーグの開発責任者 五島賢氏

 表彰式に登壇した五島氏は「開発責任者の五島でございます。2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤー、私どものニュー・レヴォーグがいただきました。選考委員の皆さま、実行委員会の皆さま、本当にありがとうございました。ニュー・レヴォーグは継承と超革新、今までスバルの諸先輩が作り上げてきました素晴らしい価値を土台にわれわれ、私や私どもの若い人たちが先進技術と、お客さまの“心の導火線に火をつける”という熱い思いで開発を進めて、革新を超える超革新の実現に挑みました」と新型レヴォーグに対する思いをコメント。

 今回の受賞に対して、五島氏は「私どもがいくらよいクルマと申し上げてもなかなかお客さまには届きません。この日本カー・オブ・ザ・イヤーをいただくことがお客さまの心に導火線に火をつけるために一番重要と、ずっとずっと思ってまいりました。まずは、ニュー・レヴォーグをお買い上げいただきましたお客さまに、この受賞をご報告したいと思います」と受賞の喜びをコメント。

 そして、関係各所に対する感謝の言葉を述べた五島氏は「今年はコロナという大変厳しい年でございました。今年は私どものニュー・レヴォーグがこの日本カー・オブ・ザ・イヤーをいただきますが、また来年も日本の自動車業界の発展のために皆さん一緒に頑張ってきたいと思います。本当にありがとうございました」と、あいさつを締めくくった。

2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤー最終結果

 日本カー・オブ・ザ・イヤーは、その年を代表するクルマを決定するイベントとして2020年で41回目の開催。選考対象となるクルマは、2019年11月1日~2020年10月31日に日本国内において発表された乗用車で、60名による選考委員の投票によって決定。最終選考会では、全45台のノミネート車の中から第一次選考会で選ばれた「10ベストカー」に対する投票結果が公開され、レヴォーグが437点で最高得点を獲得した。

2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤー得点表

1位:スバル「レヴォーグ」/437点
2位:ホンダ「フィット」/320点
3位:トヨタ「ヤリス/ヤリスクロス/GRヤリス」/300点
4位:プジョー「208/e-208」/141点
5位:ランドローバー「ディフェンダー」/105点
6位:アウディ「e-tron Sportback」/65点
7位:マツダ「MX-30」/63点
8位:アルピナ「BMW ALPINA B3」/25点
9位:BMW「2シリーズグランクーペ」/24点
10位:日産「キックス」/20点

2020年は新たな試みとして選考委員による動画コメントが流された。写真はCar Watch推薦の岡本幸一郎氏、日下部保雄氏、橋本洋平氏
10ベストカー

インポート・カー・オブ・ザ・イヤーはプジョー「208/e-208」

プジョー「208」「e-208」(Groupe PSA Japan株式会社)
プジョー「208/e-208」が「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞

 2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤーのほか、「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」をプジョー「208/e-208」、そして4つの部門賞として「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」をマツダ「MX-30」、「テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー」をアウディ「e-tron Sportback」、「パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤー」をアルピナ「BMW ALPINA B3」、「K CAR オブ・ザ・イヤー」を日産「ルークス」と三菱「eKクロス スペース/eKスペース」がそれぞれ受賞した。

 インポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したプジョー「208/e-208」は、授賞理由として、高剛性ボディとしなやかに動くサスペンションの組み合わせで実現した、クラスを超えた上質な乗り心地と、ドライバーの意のままにライントレースするハンドリングが秀逸。フランス車らしい内外装の高いデザイン性と精緻な作り込みも魅力で、発進時から豊かなトルクを発揮しガソリン車同様のフットワークを持ちながら、400万円を切る車両価格のEVモデル「e-208」を選べる点も評価されたとしている。

マツダ「MX-30」(マツダ株式会社)
マツダ「MX-30」が「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」受賞。授賞理由:SUVスタイルながら、観音開きの「フリースタイルドア」の採用などで、新しいスペシャリティカーを提案。インテリアにはコルク素材やリサイクルファブリック、「プレミアムヴィンテージレザレット」と呼ばれる人工皮革を採用するなど、サスティナビリティとデザインの両立も評価した
アウディ「e-tron Sportback」(アウディ ジャパン株式会社)
アウディ「e-tron Sportback」が「テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー」受賞。授賞理由:高度な回生システムを備えた発電&蓄電テクノロジーを採用。EV 特有のノイズを一切排除し、プレミアムモデルらしい快適性を実現した。大型スクリーンを奢ったインテリアやデジタル式の「バーチャルエクステリアミラー」の設定もEV 専用車らしい演出。前後輪の電気モーターによる強力な駆動力、実用的な405kmの航続距離も評価を集めた
BMW ALPINA「B3」(ニコル・オートモビルズ合同会社)
アルピナ「BMW ALPINA B3」が「パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤー」受賞。授賞理由:どんなシーンでも最高のパフォーマンスを発揮するスポーツサルーン。ハイスピード域を難なく走りきるポテンシャルを持ちながら、日常域での扱いやすさは感動を覚えるほど。エンジンも足回りもこの上なくスムーズ。20インチという大径のホイール&タイヤを履きながら、しなやかな乗り味も評価した
三菱「eKクロス スペース/eKスペース」、日産「ルークス」
日産「ルークス」、三菱「eKクロス スペース/eKスペース」が「K CAR オブ・ザ・イヤー」受賞。授賞理由:実用性の高いスーパーハイトワゴンながら、コントロールのしやすい、安定感の高い走行性能で軽自動車の水準を引き上げた。内装の質感やシートの座り心地も評価を集めた。さらに登録車と同等性能の先進安全運転支援システム「プロパイロット/マイパイロット」の採用も大きな魅力になっている

次の10年の自動車の進化を示唆するクルマが選ばれた

日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会 実行委員長の清水謙一氏

 日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会 実行委員長の清水謙一氏は、「今年受賞しました車種を見てまいりますと、自動運転向けた安全性能の進化、パワートレーンの電動化、エモーショナルな走り、そしてデザインがキーワードになっております。世界的に自動車のパワートレーンは電動化に向かい、日本においても2030年代の半ばには、純粋なエンジン車の販売停止という動きが報道されたばかりです。今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーは、これらの要素を含んだ次の10年の自動車の進化を示唆するクルマが選ばれたと言えるでしょう」と総括。

 清水氏は「今年はコロナ禍の中、さまざまな制約がございました。しかし無事に2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤーを運営することができ、こうして最終選考会を迎えることができました。本日この動画配信を通して、ご覧になっている皆さま、メーカーインポーターの皆さま、日本カー・オブ・ザ・イヤーが関係者の皆さまへ、厚く御礼申し上げます。来年もですね、元気に一年後皆さまとお会いできることを楽しみにしております。本日は誠にありがとうございました」とイベントを締めくくった。