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豊田章男社長、世界カーオブザイヤー受賞後約束どおりレース現場に 佐藤恒治GRプレジデントとともに

世界カーオブザイヤーの「2021 ワールド・カー・パーソン・オブ・ザ・イヤー」を受賞後、真っ先にサーキットに姿を現わしたトヨタ自動車株式会社 代表取締役社長 豊田章男氏

世界的な賞を受賞した豊田章男氏

 4月8日(現地時間)、WORLD CAR AWARDSは世界カーオブザイヤーの「2021 WORLD CAR PERSON OF THE YEAR(2021 ワールド・カー・パーソン・オブ・ザ・イヤー)」に、トヨタ自動車 代表取締役社長の豊田章男氏を選出した。同賞は、過去1年間に自動車業界において最も活躍した人物に贈られるもので、世界24か国86名の審査員の投票によって選出された。

トヨタ、豊田章男社長が「ワールド・カー・パーソン・オブ・ザ・イヤー」受賞 「『幸せを量産する』べく、私たちトヨタは最大限の努力を続けてまいります」

https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1317611.html

 この受賞にあたり、豊田章男氏はコメントを発表。そこには、「今のトヨタがあるのは、世界中のすべてのトヨタの従業員、販売店、サプライヤーの総力を結集したものです。ですので、この名誉ある賞『car “person” of the year』を勝手ながら、私は『car “people” of the year』として受け取らせていただきたいと思います」など印象的な言葉が述べられていたほか、「日頃より支えていただいているクルマ好きの皆さま、またレースやラリーの現場でお会いできる日を楽しみにしています!」とコメントが締めくくられていた。豊田社長のモリゾウ選手としての側面を知っている人であれば、世界的な賞を贈られても自動車人としてレースやラリーを語る豊田社長のモータースポーツ愛を感じたところだろう。

SUPER GT開幕戦岡山に登場した豊田社長と佐藤GRプレジデント

佐藤恒治GAZOO Racing Company President 兼 Lexus International Co. President(左)とともに話を聞いた。佐藤GRプレデントが「社長が~」と語っていたので、右に立つのはモリゾウ選手ではなく豊田社長

 そして、その2日後、豊田章男社長は佐藤恒治GAZOO Racing Company President 兼 Lexus International Co. Presidentとともにレースの現場である、SUPER GT開幕戦岡山に現われた。記者は自動車工業会の記者会見も取材しているため、自工会の記事では豊田会長、トヨタ自動車関連の記事では豊田社長、そしてレーシングスーツを着ているときはモリゾウ選手と書き分けているのだが、今回の豊田章男氏はルーキーレーシングのブルゾンを着て登場。SUPER GTに参戦するルーキーレーシングのオーナーとしての登場だったのだ。とはいえ、佐藤GRプレジデントとともに話をうかがったため、豊田社長と認識しつつ記事を進めていく。

 まずは、豊田社長に世界カーオブザイヤーのワールド・カー・パーソン・オブ・ザ・イヤー受賞後、コメントでの約束どおり真っ先にレース現場に現われた意味を聞いてみた。

 すると、最初に「ワールド・カー・パーソン・オブ・ザ・イヤーではなく、カー・ピープル・オブ・ザ・イヤーであると受け取っている」と発言。自分一人に贈られた賞ではなく、みんなに贈られた賞であると認識してほしいという。

 その上で、モータースポーツの現場に真っ先に登場したことを「電動化だけやればいいわけじゃなくて、CASEだけやっていればいいわけじゃなくて、やはり既存のビジネスもあるし、コロナ禍において自動車業界約550万人の雇用を減らさないようにやってきた。そういう一つ一つが評価された中で、プラスね、プラスね、モータースポーツの現場というのは普通そうやってくっつかないのです。モータースポーツはモータースポーツ、市販車は市販車なんだけど、今回私という人間を通して、自動車業界にかかわる仕入れ先、販売店、そしてモータースポーツすべてがつながっているのはありがたい。そこをアピールしてください(笑)」と説明。コメントに約550万人という自動車業界の全体の数字が含まれているように、豊田自工会会長であり、豊田社長であり、モリゾウ選手であり、最近は豊田チームオーナーでもある自身を通して、いろいろつながってほしいという願いが込められていた。

 開幕戦の岡山では、発表したばかりのトヨタ「GR 86」がスバル「BRZ」とともに世界で初めて一般公開されている。GR 86の開発を行なった佐藤GRプレジデントに開発について聞いてみると「社長が言ったように、(つながることで)どんどん変わってきている。モータースポーツは今までぜんぜん別の世界だったのですが、それがつながりだして本当にクルマの開発の仕方が変わってくる。今まではレースの話だったのが、市販のクルマにつながってくる。例えば電動化をやるにしても基本のクルマの性能がよくなければ、最終的には味のある、人中心のクルマになっていかない。CASEを進めていく上でも、こういう場で基本のクルマを鍛えるというのがすごく大事である」と語ってくれた。

 最後に、乗り味を最終決定したトヨタのマスタードライバーとしての豊田章男氏にGR 86とBRZについて聞いたところ「これは(現行の)86がデビューするときからスバルさんと一緒にやってきましたけど、同じプラットフォームでスバルはスバルの味が出て、GRはGRの味が出る。これはずっと第1世代からやってきました。今回は2世代目で、さらに感じてもらえる。それが一番ワクワクするところですね」と説明してくれた。GR 86とBRZ、同じプラットフォームながら、異なるスポーツカーの楽しさが乗り味として表現されているようだ。

 GR 86、GRヤリス、GRスープラ、そしてル・マンで登場するとされているWECマシン直結の「GRスーパースポーツ」。2008年のリーマンショック後、レースとラリーを愛するリーダーの登場によって「100年に一度」と言われる激動の時代においてもスポーツカーを楽しめる未来が広がっているのは間違いない。

予選2位を獲得したルーキーレーシングの14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組)が装着するブリヂストン ポテンザ レーシングタイヤとともに決めポーズ