ニュース

ホンダ、中国で新型EV「e:NS1」「e:NP1」世界初公開 輸出を視野に「e:N」シリーズを5年間で10車種発売へ

2021年10月13日 発表

e:Nシリーズ

 本田技研工業は10月13日、中国初となるホンダブランドのEV(電気自動車)「e:N(イーエヌ)」シリーズを今後5年間で10車種発売し、中国からの輸出も視野に展開予定であることを明らかにした。その第1弾モデル「e:NS1」「e:NP1」をそれぞれ、東風Hondaと広汽Hondaから2022年春に発売する。

 これは、オンラインで開催された「中国電動化戦略発表会」で発表されたもので、中国における環境と安全の新たな取り組みを公表。EVの市販予定モデル2車種とコンセプトモデル3車種が世界初公開された。

 同発表会では、2030年以降、中国で新たに投入する四輪車はすべてハイブリッド車やEVなどの電動車とすることが発表され、EVモデルについては市販予定モデル「e:NS1」「e:NP1」に続いて、3つのコンセプトモデルを、5年以内の発売を目指して開発中という。

 e:Nシリーズ第1弾「e:NS1」「e:NP1」は、シリーズコンセプトに基づき、ホンダならではのスポーティで爽快な走りや、安全・快適でスマートな移動空間、シンプルでシャープなスタイリングを実現させたモデル。e:Nシリーズ第1弾としてそれぞれ東風Hondaと広汽Hondaより2022年春に発売する。

e:NS1※写真は今回の発表に合わせてカスタマイズしたスペシャルエディション
e:NP1※写真は今回の発表に合わせてカスタマイズしたスペシャルエディション

 同時に公開された3つのコンセプトモデル「e:N COUPE Concept」「e:N SUV Concept」「e:N GT Concept」は、e:Nシリーズのラインアップ拡充に向けて、今後5年以内の発売を目指して開発を進めている。

「e:N SUV Concept」「e:N GT Concept」「e:N COUPE Concept」

カーボンニュートラル実現に向けた中国での取り組み

 同発表会では、今年4月に中国を含む先進国でのEV・FCV販売比率を「2030年に40%、2035年に80%、2040年に100%」とする電動化目標をスピーディーかつ着実に実現するために、中国では2030年以降、新型ガソリンモデルの投入を行なわず、新たに発売する四輪車をすべてハイブリッドやEVなどの電動車とすることを公表。

中国初のホンダブランドEVを「e:N」シリーズとして投入

e:Nロゴ

 そして、中国初のホンダブランドEVとして2022年春に発売する「e:NS1」と「e:NP1」を皮切りに、EVならではの新たなドライビングプレジャーを実現する「e:N」シリーズを投入することを明らかにした。

 電動化時代においても、意思を持って行動する人々をenergize(エナジャイズ=元気をもたらす)し続け、カーボンニュートラルの実現を目指す電動化技術「e:Technology」に、New/Nextといった次世代に向けた新たな価値創造を表すNを冠した「e:N」シリーズは、ホンダが中国において本格化させる電動車事業の新たな幕開けを象徴したラインアップとし、今後5年間で10車種を発売し、輸出も視野に展開する予定。

e:Nシリーズコンセプト「動」・「智」・「美」

 e:Nシリーズは、これまでホンダが培った独自技術を次世代のドライビングプレジャーへと昇華させ、新価値を具現化する「動」・「智」・「美」というシリーズコンセプトで開発される。

・「動」:e:Nシリーズ専用の「e:N Architecture」(イーエヌ アーキテクチャー)を通じて、ホンダらしい人車一体感や、スポーティで爽快な走りを実現。

・「智」:先進のHonda SENSINGやHonda CONNECT、スマートなデジタルコックピットで作り出される総合システム「e:N OS」を通じて、安全、快適でスマートな移動空間を提供。

・「美」:EVならではの美を表現するデザインアイデンティティー「e:N Design」により、見ただけ・触れただけで未来を感じることができる「一触未来」の世界観を提供。

中国で開発・生産するe:Nシリーズを他地域への輸出予定

 そしてホンダは中国において、今後続々と投入するe:Nシリーズを顧客に着実に届けるために、商品のみならず販売から生産、バッテリ供給体制まで総合的に電動化への取り組みを加速させるという。

 販売面では、e:NS1とe:NP1の発売にあわせて、中国にある約1200のホンダ販売店にe:Nシリーズコーナーを設け、さらに主要都市では、e:Nシリーズの販売に特化したe:N専売店の将来的な展開を予定。また、e:Nシリーズ体験イベントを各地で展開するなど、顧客にe:Nシリーズの提供価値を体験できる場を創出。

 生産面では、2024年の稼働開始を目指し、広汽Hondaと東風Hondaのそれぞれで、高効率で環境に優しいEV工場を新たに建設し、生産体制の強化を進める。また、バッテリについても戦略パートナーであるCATLとの協業を加速し、高い競争力をもつバッテリの供給体制を一層強化。中国で開発・生産するe:Nシリーズは、他地域への輸出も予定している。