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トヨタ、豊田章男社長がル・マン24時間5連覇達成にコメント

2022年6月13日 発表

ル・マン24時間レースの表彰台

 TOYOTA GAZOO Racingチームオーナーの豊田章男氏は6月13日、フランス ル・マンのサルト・サーキットで開催されたル・マン24時間レース(FIA世界耐久選手権 第3戦 第90回ル・マン24時間)で、TOYOTA GAZOO RacingのGR010 HYBRIDが1-2フィニッシュして、2018年の初優勝以来5連覇を達成したことにコメントを発表した。

 決勝レースでは、セバスチャン・ブエミ選手、ブレンドン・ハートレー選手、平川亮選手の3名が駆るGR010 HYBRID 8号車がポールポジションからスタート、完璧なレースで380周を走破し、現地時間16時にトップでチェッカーを受けた。一方、2021年の勝者である小林可夢偉選手、マイク・コンウェイ選手、ホセ・マリア・ロペス選手のGR010 HYBRID 7号車は8号車から遅れること2分1秒222の2位でフィニッシュ。TGRはル・マンで4度目の1-2フィニッシュを果たした。

 TOYOTA GAZOO Racingチームオーナーである豊田章男氏からは、2022年は小林可夢偉選手がドライバーとチーム代表を兼務しながらの参戦となったことをねぎらうコメントがあり、「今までとは違う役割を持った一貴と可夢偉が揃って表彰台に立つ姿も見られてとても嬉しく思いました。」などとコメントした。以下は、その全文となる。

セバスチャン・ブエミ選手、ブレンドン・ハートレー選手、平川亮選手の3名が駆るGR010 HYBRID 8号車

TOYOTA GAZOO Racingチームオーナー 豊田章男氏のコメント全文

8号車のみんな優勝おめでとう!
7号車のみんなもワンツーフィニッシュをありがとう!

今回のル・マンは終始ワンツーを走ったレースでした。
しかし、ドライバーたちは気持ち良く走り続けられたわけではありません。
むしろ、気持ちをすり減らしながら走ってくれていたと思います。

スタートから16時間経つまで、2台に大きなトラブルはなく、数秒の差で競り合っていました。
長く競り合えたのは2台が同じレベルにつくり上げられノートラブルで走れていたからです。
ドライバーたちもこのことに感謝してくれていました。

一方で、同じチームの2台が、長い間競り合うことはドライバーにとって大きな負担だったと思います。
本当に大変だったと思いますが、ドライバーたちは素晴らしい戦いを続けてくれました。
6人に感謝したいと思います。

しかし、その後、我々のクルマづくりが至らなかったせいで、競り合いを終わらせてしまいました。
残り8時間という時に7号車が路上でストップしました。
再び走り出せましたが、これによってドライバーたちは「いつ止まるかもわからない」という想いと共に
走らざるを得なくなってしまいます。
極限の想いをしながら戦いを続けてくれるドライバーたちに申し訳ない気持ちになりました。

最後までクルマを走らせ続けてくれてみんな本当にありがとう。
可夢偉は、これに加えてチーム代表という役割も背負っての戦いでした。
代表として上に立つのではなく、自らが現場に降りてエンジニアやメカニックたちと話し、みんなから出てくる課題に向き合ってくれていると聞きました。
まだ全てのメンバーと気持ちが通じ合うまでにはいかず、チームづくりは道半ばと言っていましたが徐々にチームは変わってきていると思います。
代表としての仕事にも全力であたってくれてありがとう。

だけど今回、ドライバーとしては本当に悔しかったし、勝ちたかったという気持ちもわかります。
終盤の可夢偉がファステストを出し、最後にホセがそれを塗り替えて……
ゴール目前の7号車は不思議と速いクルマになっていました。

8号車に早く無事にゴールしてほしいという気持ちもありながら……
もう一度7号車に追いついてほしい……
私でさえ、そんな気持ちにさせられました。
最後まで勝利にこだわって走り続けてくれてありがとう。

ドライバーと代表の兼務は、複雑な気持ちになる役割だと思います。
ですが、こうして2台が最後までフェアに戦ってくれていたのも可夢偉がチーム代表でいてくれているおかげだと思っています。
大変な役割を本当にありがとう。
今までとは違う役割を持った一貴と可夢偉が揃って表彰台に立つ姿も見られてとても嬉しく思いました。
クルマづくりもチームづくりも終わりのない戦いです。
二人には、これからもチームを、よろしく頼みます。
そして可夢偉は引き続き、ドライバーとしてもよろしくお願いします。

TOYOTA GAZOO Racingはル・マンを5回連続で勝利することができました。
多くのファンとパートナーの皆様が一緒に戦い続けてくださるおかげです。
皆さま、ありがとうございます。

引き続き、ご声援、ご支援をよろしくお願いいたします。