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日野、2023年3月期第2四半期決算発表 売上高6.4%増の7333億5900万円、営業利益47.8%減の166億1500万円で増収減益
2022年10月27日 18:42
- 2022年10月27日 開催
日野自動車は10月27日、2023年3月期 第2四半期決算を発表。決算説明会をオンライン開催した。
日野の2023年3月期 第2四半期連結業績(2022年4月1日~9月30日)における売上高は7333億5900万円(前年同期比6.4%増)、営業利益は166億1500万円(同47.8%減)、経常利益は205億4800万円(同36.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は34億7800万円(同70.4%減)となった。グローバル販売台数は7万3795台(同0.7%減)となっている。
説明会では冒頭で日野自動車 代表取締役社長 小木曽聡氏が不正行為による関連法令違反について謝罪。続いて第2四半期までの上期決算内容について解説を行なった。
7333億5900万円となった売上高は、出荷停止の影響で日本国内については大きく減少しているが、海外での販売増、為替レートの換算影響で440億円の増収。営業利益は前年同期から152億円減となっているが、円安による為替差損益が好転したことで経常利益は営業利益の変動幅から35億円改善して117億円の減益とした。
当期純利益では仕入れ先に対する補償で26億円、リコール費用で20億円の計46億円を国内認証関連の特別損失として計上しているが、上期トータルでは35億円の黒字を確保している。
また、販売面では日本国内のトラック・バス販売総数合計が58万9000台で、前年同期比で24万7000台(29.6%減)の減少となっており、国内トラック市場は世界的な半導体不足に加え、同社の認証不正問題の影響で大きく販売が減少。国内バス市場も観光需要の落ち込みが続いて前年割れになっている。
こうした市場状況と認証不正問題の影響により、同社の販売台数は前年同期比33.0%減の1万9160台と大幅に減少。市場シェアは大型・中型トラックの販売減が大きく影響して前年同期の34.2%から32.5%に後退した。
海外の主要市場では、まずインドネシアでは天然資源価格の高騰などによる内需拡大で販売台数が増加。タイでも堅調に推移する経済環境を背景に、建設向けやカーゴ向けを中心に販売増。インドネシアとタイでは2019年度上期を上まわる販売実績となり、コロナ禍前の水準を回復したとしている。
米国市場では需要が堅調に推移している一方、部品の供給不足や物流の混乱が継続。同社の販売としては2021年10月からストップしていた生産・出荷が再開したことにより、とくに大型・中型トラックは前年度比15.5倍と大幅増になっている。
また、トヨタ自動車向けの生産では、積載系の車両が減少した一方でSUVの台数増により、総売上台数は前年同期比で4万132台(6.1%)増の7万2064台となった。タイや米国向けとなるユニット販売では、米国で販売減となったもののタイで前年同期比37.3%増と好調で、全体として前年同期比14.4%増の41万4149ユニットを販売した。
経常利益、当期純利益の通期見通しは未定
上期を終えての通期見通し発表では、型式指定の取り消しで出荷がストップしているモデルについて再認証や出荷再開の時期が現時点で未定となっており、国内販売台数に含めずに算出を実施。これにより、グローバル販売台数で国内3万7000台、海外12万台、トヨタ向け14万2000台とした。
為替レートについては円安基調を受けて134円/ドルと設定。高騰が続く材料市況も上期に対して鋼材で+40円/kgとして、非鉄金属でも直近の市場動向を反映させている。
連結決算の通期見通しとしては売上高1兆5300億円、営業利益60億円をそれぞれ見込んでいるが、経常利益、当期純利益は認証不正問題に起因する一部の認証関連損失について合理的な算出が困難であるとの理由から、現時点では未定との発表。それぞれ合理的な算出が可能となった段階で速やかに開示するとした。
説明の最後に小木曽氏は、認証不正問題について「型式指定の取り消し処分を受けた車種の出荷停止が続いているなど、お客さまをはじめとするステークホルダーの皆さまにご迷惑をおかけしていることをあらためて深くお詫び申し上げます。再認可のタイミングについては当社から何か申し上げる立場にありませんが、少しでもおかけしているご迷惑の影響を最小化できるよう、お客さまや販売会社、仕入れ先の皆さまの状況をおうかがいし、困りごとを解決できるよう検討、ならびに対応に努めてまいります」。
「また、10月7日には国土交通省さまからの是正命令に対する再発防止報告書を提出するとともに、二度と不正を起こさないよう生まれ変わるための『3つの改革』を公表いたしました。新たな組織体制への移行も見据えて足下での改革推進体制を固め、それぞれの取り組みにおいて議論を進めております。もちろん、すぐに実行可能な施策については速やかに着手して推進しており、とくに風土改革の軸となる対話については改革を取りまとめた信頼回復プロジェクト主導の取り組みに加え、各部署による自発的な取り組みも進んできております。オンラインで各部署の取り組みを共有する場も設けており、そこでの情報共有を通じて取り組みをよくするヒントを得たり、信頼回復プロジェクト主導の取り組みとの連携が始まるといった動きも出てきております」。
「そういった気運を全社的に拡大し、維持していくためにも、3つの改革で掲げたことを愚直に、真摯に進めてまいります。進捗につきましては適宜皆さまにお知らせしてまいりたいと思います」と語って締めくくった。