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ベントレー、第4世代となる新型コンチネンタルGTシリーズを日本初公開

2024年6月27日 開催

ベントレー モーターズ リミテッド リージョナル・ディレクター・アジアパシフィックのニコ・クールマン氏(左)、チーフ・コミュニケーション&DEI オフィサーのウェイン・ブルース氏(中央)、ベントレー モーターズ ジャパン ブランドディレクターの遠藤克之輔氏(右)

 ベントレーモータースジャパンは6月27日、都内で4代目となる新型コンチネンタルGTシリーズを発表、日本初公開した。

 1950年代以来となるシングルヘッドランプを採用し、コンチネンタルGTCスピードのパワーユニットは電気モーターとエンジンを併用した場合の最高出力は782PSとさらに強力になっている。価格は3930万3000円からで、日本へのデリバリーは2025年第1四半期を予定。

電気とエンジンのPHEVになった「GTスピード」

 今回発表された新型コンチネンタル GTシリーズは、まず、クーペボディのGTスピード(3930万3000円)とオープンボディのGTCスピード(4312万円)が用意される。どちらもパワートレーンはV型8気筒 4.0リッターエンジンと190PSの電気モーターを組み合わせた「ウルトラ パフォーマンス ハイブリッド」と名づけられたパワートレーンを搭載する。

新型コンチネンタルGTのウルトラ パフォーマンス ハイブリッドのスペック

 最高出力は782PS、最大トルクは1000Nmで、電気だけでの走行は満充電から81kmの走行が可能。ガソリンエンジンと合わせて合計859km走行できることから「スーパーカーでありながら普段使いにも適したモデル」としている。

 また、最高速は非公式ながらノルウェーのルフルケトンネルを使って335km/hの速度を記録している。

 外見での大きな特徴はヘッドライトがシングルヘッドライトになったこと。1950年代以来初めてだというが、今後のベントレーデザイン革命の先駆けとなり、ベントレーに大胆で新しいデザインDNAをもたらすとしている。

 インテリアでは新設計のエアイオナイザー、3Dテクスチャーのレザー、新デザインのモダンなキルティング、新しいテクニカル仕上げのダーククロームが導入される。

ウルトラ パフォーマンス ハイブリッドと従来のW12エンジン搭載車との比較
ウルトラ パフォーマンス ハイブリッドと従来のW12エンジン搭載車の出力とトルクの比較

 なお、これまでGTスピードについてはW型12気筒6.0リッターエンジンが搭載されてきたが、W12エンジンの生産終了により、今後はW12エンジンにかえて「ウルトラ パフォーマンス ハイブリッド」がベントレーを代表するパワートレーンになるという。また、V8エンジンモデルも用意されていたが、新型コンチネンタルGTで「スピード」の付かないモデルの展開は現在のところ未発表となっている。

まもなくアンベール

ベントレー史上最もパワフルでラグジュアリー

 発表会は「Start Something Powerful」と掲げられ、ベントレー モーターズ ジャパン ブランドディレクターの遠藤克之輔氏が新型コンチネンタルGTについて説明した。

ベントレー モーターズ ジャパン ブランドディレクターの遠藤克之輔氏

 遠藤氏は「ベントレーのモデル史上最もパワフルでラグジュアリーに進化を遂げた第4世代。ベントレーの作るクルマは全ていわゆるグランドツアラーと言え、その中でも永続的にこの地位を確立しているモデルがあり、ユニークでアイコニックなデザイン、それがコンチネンタルGT」と紹介した。

 コンチネンタルGTのスタイルには3つの法則があるとし、1つは「レスティングビースト」で、「パフォーマンスの非常に強い獣が、ゆっくりと獲物を捕らえる時の自信に満ちあふれた、休んでいるようなラインに見える」と説明した。さらに、2つめは直立したエレガンスフロントマスク、3つめはフロントからリアにまっすぐに引いた水平のラインのエンドレスボンネットとした。

コンチネンタルGTのスタイルにある3つの法則
フォーカスアイと呼ぶシングルヘッドライト
コクピットまわり

 大きく変化した外観の1つ、シングルヘッドライトについては「フォーカスアイ」と呼び、上部にあるカットクリスタルが光が灯ると精密なパターンの施されたロア部分が美しく輝き出し、その光は「路面にこぼれ出るダイヤモンドのような、そんな輝きを満ちている」とし、ドライバー側からは120のLEDが完璧にコントロールされることで、路面の起伏などをクリアに認識することができるという。

 リアエンドはトランクリッド一体のスポイラーとなっており、ノルウェーのトンネルでの335km/hの速度はリアスポイラーのダウンフォースによるものと説明。ライトもフロント同様にクリスタルの輝きが入っており、点灯させた際のデザインも「先端部分からまるで溶岩が吹きこぼれるよう」と表現した。

 インテリアは「ベントレーの室内空間は、世界でも類を見ないラグジュアリーな環境で、英国にいるクラフトマンシップの職人技によるもの」とし、彫刻的なキルティングがアップグレードされたことや、スピードモデルにはダーククロームインテリアを備えていることが説明された。

 そして、パワートレーンは「すでにこのウルトラ パフォーマンス ハイブリッドはW12を大きくしのいでいる」と強大なパワーを強調したうえで、自身の試乗経験から「ハイスピードのコーナリングをしても、まるでそのドライビングフィールは空飛ぶじゅうたんの上に乗ってるような、そんな快適なドライビンフィールがあった」と述べた。

操作系のインテリア
スマートフォンからの操作にも対応。リモートパーキングにも対応

 プラグインハイブリッドでエレクトリックモードで走行できる点についても「早朝にゴルフに行くとき、街中で全くエンジンをかけることなく静かにドライブをスタートすることもできる」としたほか、自動的にシートの温度などを調整するフロントウェルネスシートや、レーダーとカメラの情報を的確に伝えるフロントディスプレイ、PM2.5などを自動的に感知して車内を安全で快適に保つエアコンシステム、アップデートされるコネクテッドのサービスの充実などもあり「まさにこのカテゴリーにおいて新しい扉を開いていると言っても過言ではない」とまとめた。

ベントレー モーターズから2人のキーマンが来日

 発表に合わせて、ベントレー モーターズからは、リミテッド リージョナル・ディレクター・アジアパシフィックのニコ・クールマン氏とチーフ・コミュニケーション&DEI オフィサーのウェイン・ブルース氏が来日した。

ベントレー モーターズ リミテッド リージョナル・ディレクター・アジアパシフィックのニコ・クールマン氏

 ニコ・クールマン氏は「これまでベントレーが世に送り出してきた公道仕様車の中で最もパワフルなモデル」とし、正式発表前の注文から高い関心を集めていたことを明らかにしたほか、ベントレーの2023年世界販売台数1万3560台のうち2123台がアジアパシフィックで占められていたことや、引き続き日本が重要な市場であることも強調した。

ベントレー モーターズ リミテッド チーフ・コミュニケーション&DEI オフィサーのウェイン・ブルース氏

 一方、ウェイン・ブルース氏は、「初代は新たに生まれ変わったベントレーを象徴するアイコン的モデルとして、20年前の2003年に登場、以来3世代にわたり、コンチネンタルGTはグランドツアラーのベンチマークとしてのポジションを維持してきた。この間、コンチネンタルGTは最高時速の記録を破り、また世界中で数々の選手権や耐久レースを制してきた」とコンチネンタルGTのハイパフォーマンスぶりを強調。さらに、ノルウェーのルフルケトンネルを使って335km/hの速度を記録した動画を紹介した。

オープンボディのコンチネンタルGTC スピードを展示

 発表会会場では、オープンボディのコンチネンタルGTC スピードを展示した。

コンチネンタルGTC スピード
コンチネンタルGTC スピードのフロントまわり
シングルヘッドライト
ボンネット先端のベントレーのエンブレム
フロントウインドウ
GTCスピードでルーフをオープン
シート
リアシート
テールライト
トランクルーム
展示車は左ハンドルで用意され、特に日本仕様というわけではない
ステアリングホイール
メーターの表示
シフトレバーなど
ペダル類
フロントシート
サイドシルはBENTLEYと点灯
22インチホイール。タイヤはフロントが275/35ZR22、リアが315/30ZR22
PHEVなので普通充電ポートを設ける。ただし、このクルマは欧州など向けのタイプ2コネクターを装備している
今回の発表会には1995年のRタイプ コンチネンタルを展示
2024年のコンチネンタルGT マリナー。こちらはV8 4.0リッターエンジンを搭載