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トーヨータイヤ、木下隆之選手やGTドライバーが講師のサーキット走行会「PROXES DRIVING PLEASURE」岡山国際サーキットで開催

2024年12月1日 開催

岡山国際サーキットで開催された「PROXES DRIVING PLEASURE」のコース走行シーン

 トーヨータイヤ(TOYO TIRE)は12月1日、同社のパフォーマンスタイヤブランド「PROXES(プロクセス)」が持つ魅力を実感してもらうことを目的とした参加型サーキット走行イベント「PROXES DRIVING PLEASURE」を岡山国際サーキットで開催した。

 PDP(PROXES DRIVING PLEASURE)は2023年12月に鈴鹿サーキットで初開催され、今回が3回目となるサーキット走行会。PROXESブランドアンバサダーであり、ニュルブルクリンク24時間耐久レースなど数多くの国際レースに参戦している木下隆之選手をはじめ、阪口良平選手、小山美姫選手、塩津裕介選手といった名だたるGTドライバーがインストラクターとして名を連ね、岡山国際サーキットのフルコースを自分の愛車が持つ能力を好きなだけ発揮させて走れる。

岡山国際サーキットを占有して、ラップタイム計測やコース先導走行などを実施
下り勾配で約600mあるホームストレートでは、日常では確認しにくい愛車のアクセル全開加速も味わえる

 参加者のドライビングスキルや参加車両ごとに分けられたAクラス(上級)、Bクラス(中級)、Cクラス(初級)の3クラス別で1枠30分のタイムアタック走行を計3回実施して、講師などのアドバイスを受けながらスキルアップを目指せるほか、先導車両と追従して追い越しなしのコース走行を楽しめるサーキット初心者向けの「スタートアップクラス」(走行時間は2枠)も設定され、さまざまな参加者がサーキット走行を楽しめるイベントとして行なわれた。

Aクラス(上級)参加者のコース走行シーン
Aクラス参加者によるコース走行
Bクラス(中級)参加者のコース走行シーン
Bクラス参加者によるコース走行

 参加料金はタイム計測が行なわれる3クラスは2万5000円、スタートアップクラスは5000円となっており、走行車両の装着タイヤは不問で、プロクセス製品を4輪装着している車両で参加する場合と学生(大学院生・大学生・専門学生)は、それぞれ1万5000円、3000円に割引される制度が用意されている。

 このほか、インストラクターによる同乗走行体験、トーヨータイヤグッズなどが当たるプレゼント抽選会なども行なわれた。

Cクラス(初級)参加者のコース走行シーン
Cクラス参加者によるコース走行
参加者たちは走行前や走行の合間に、ピット内で割り当てられた各自のスペースでタイヤ交換やタイヤ空気圧の調整といった作業を行なっていた
ピットスペースで走行を待つ参加者の車両
走行前に実施されたブリーフィング。サーキット走行の基本ルールやコースサイドで掲示される旗の意味などをあらためて説明
ブリーフィング中にはTOYO TIRE株式会社 商品企画本部 グローバルマーケティング部 モータースポーツチーム チームリーダーの古口敦規氏がプロクセス製品の特徴などについて解説する時間も用意された
インストラクターが運転する車両の助手席に座ってサーキット走行を体験する同乗レッスンも抽選で実施
抽選に当たった人の参加車両がプロクセス製品4輪装着だった場合、自分のクルマで同乗レッスンを受けることも可能となっていた
イベントのオープニングを飾る参加者全員での記念撮影

ヘルメットとグローブを用意するだけでサーキット走行を体験できる「スタートアップクラス」

先導車のペースに合わせてコース走行する「スタートアップクラス」

 2回目の開催から設定されるようになったスタートアップクラスでは、安全のために4輪用ヘルメットとグローブを用意すれば、SUVやミニバンといった背の高い車種以外なら自分の愛車でサーキットでの先導走行を体験できる。また、プロクセスシリーズの4輪装着や学生なら3000円で参加できるお手ごろ感のある料金設定も魅力となっている。

 20人の参加者は3台の先導車に追従する形式で3組に分かれ、最後尾にもスタッフカーが走行。コース走行に慣れてもらいながら車両のウォーミングアップを行ない、少しずつペースアップして進められた。

 2回ある走行枠の1回目が終わったところでスタートアップクラスに参加した一部の人から感想などをうかがったので、その内容についても合わせてご紹介する。

スタートアップクラスは事前に隊列を組み、一列になってコースインする
スタートアップクラス参加者によるコース走行
先導走行の前に実施されたミーティング。万が一コースアウトしたときの対応やペースについていけなくなったら無理をしなくてもよいなどの注意点が説明されていた
先導車を運転するのは、日ごろは宮崎県にあるトーヨータイヤのタイヤテストコースで新製品開発などのテスト走行を担当する評価ドライバー
2回目の走行前にもミーティングを実施。最初の枠で走ってみて、もう少しペースアップしたい人と、2回目もペースはそのままで走りたい人でそれぞれ挙手してもらい、組み分け変更をして希望に沿うよう先導走行が行なわれた
スタートアップクラスの参加者全員に、木下選手から認定証が手渡された

keiさん

keiさんと愛車のトヨタ・GRカローラ

 同じトヨタ・GRカローラに乗っている友人に誘われて今回のPDPに参加したというkeiさん。愛車のGRカローラは「GR COROLLA」のロゴを塗装したフロントグリルのメッシュカバーをはじめ、赤いマッドフラップやドアミラー、リアの赤いトヨタマーク、サイドスカートに入っているGR FOURロゴのレッド塗装など、赤いアクセントでコーディネートするドレスアップ中心にカスタマイズしている。

 しかし、今後はタイヤをインチアップするためレイズ製ホイールを発注済みで、前出の友人がサーキット走行でのタイム短縮を狙って社外品ショックアブソーバーを買い替える予定で、既存の街乗り中心の車高調ダンパーを譲り受けることになったところ。さらにサーキット走行を見据えてブレーキも買い替えようと考え始め、走行性能の強化も図っていこうと計画しているという。

GRヤリス向けに販売されているメッシュカバーを見て自分のクルマにも欲しくなり、メーカーに依頼して作ってもらったというフロントグリルのメッシュカバーが愛車のアピールポイント

 ホイールのサイズ変更に伴って装着タイヤも買い替えが必要となり、現在はプロクセスか他か迷っているが、この日トーヨータイヤのスタッフから製品についていろいろと教えてもらい、今後もサーキットを走りたいので、プロクセスにしようかなという気分になっていると語った。

 また、抽選に当たって塩津選手が運転するロードスターでの同乗走行も体験したが、やはりプロドライバーの運転はブレーキングやコーナーを駆け抜ける速度などで差が大きく、車体の動きが安定している点にも感銘を受けたとコメントしてくれた。

keiさんの走行シーン

シロカピさん

シロカピさんと愛車のVW・ゴルフ

 愛車のVW・ゴルフは高速道路を走っても疲労が少ないところが気に入っているというシロカピさん。しかし、今回初めてサーキットで運転したことで、愛車の動力性能に不満を感じてしまったとのこと。

 サーキットで遠慮することなくアクセルを踏み込み、タイヤ音を鳴らして走ってみたいと考え、初心者でも参加できる今回のPDPに申し込んでみたが、先導車のペースに合わせて走る周囲のクルマと比較すると、1.2リッターターボエンジンはトルクが少し物足りず、コースの起伏やコーナーからの立ち上がり加速で少し置いていかれるような感覚があったと感想を口にした。これまで一般道や高速道路を制限速度内で走る分にはそれほど不満もなかったが、これが上位グレードの1.4リッターターボならもっとトルクがあるのかなぁと感じたという。

遠慮なく運転できるサーキットを走ってみて、エンジントルクに少し物足りなさを感じてしまったというシロカピさん

 また、PDPでのサーキット走行にあたっては事前にエンジンオイルとエンジンフィルターを交換したほか、レースゲームに収録されていた岡山国際サーキットを走って事前にシミュレーションして今日を迎えたとのこと。コースレイアウトを覚えることが目的だったが、ゲームでは遠慮がないこともあって1コーナーを曲がりきれないシーンもあったので、そこは気をつけようと心に刻んで実際のコース走行に臨んだ(笑)とのこと。

 タイヤは現在、某欧州メーカーのスポーツタイヤを装着しているが、ちょっとしたアクシデントが起きて信頼する気持ちが崩れてしまったので、できればスポーツ性と快適性を合わせ持ち、見た目にも派手すぎないプロクセスの「Sport 2」に変更したいと思って調べたところ、適合するサイズがなくて残念に思っているという。

シロカピさんの走行シーン

舞さん

舞さんと愛車のトヨタ・アクア。目立つ黄色いボディカラーとかっこいいスタイルがお気に入りという

 最近になってクルマに興味を持ち始めたところで、まだクルマについては詳しく知らないという舞さんだが、2025年2月に富士スピードウェイで開催されるエコランレース「K4-GP FUJI 7時間耐久」に出場することが決まっており、事前にサーキット走行を体験しておこうとPDPに参加したとのこと。

 日ごろは同じ岡山県内にある中山サーキットでK4-GP参戦車両のスズキ・アルトを使って運転のトレーニングをしているが、今日はせっかく広い岡山国際サーキットを走れるということで、自分の愛車であるトヨタ・アクアでエントリーしたが、いつもと勝手が違って縁石の段差で跳ねたり、コーナーで思うように曲がらなかったりで恐い思いをしたと1回目の走行について感想を口にした。

日ごろからサーキットを走行している舞さんだけに、美しくカラーリングされたヘルメットに加え、レーシングスーツやレーシンググローブなどをしっかりと着用して走行に臨んでいた
舞さんの走行シーン

灰斗さん

灰斗さんと愛車のマツダ・デミオ

 初めての愛車としてマツダ・デミオを購入したという灰斗さん。純正ホイールのデザインとディーゼルエンジンに惹かれてこのクルマを選んだという。サーキットを走ってみたかったからという理由でPDPに申し込み、初回走行ではストレートで最高140km/hまで加速したことが印象に残ったとのこと。今回の走行に合わせ、ヘルメットとグローブを購入したそうだ。

純正ホイールのデザインが灰斗さんのお気に入りポイント
今回の走行に向けてヘルメットとグローブを購入
灰斗さんの走行シーン
ピットエリアに用意されたトーヨータイヤブース
全日本ジムカーナ選手権に参戦する藤井雅裕選手の「BPF☆TY☆マジックRX-7」
プロクセスシリーズの製品展示

「いろんなエリアで走行会を展開していきたい」とTOYO TIRE 古口氏

木下隆之選手

 1日の締めくくりとして行なわれた閉会式では、木下選手が「トーヨータイヤはけっこう太っ腹で、ほかの(タイヤメーカー主催の)走行会だと、自分たちのタイヤ以外では参加しちゃダメというケースも普通にあるんですが、ここでは他メーカーのタイヤの人でも、クルマ好きの人が集まって一緒に走れればいいなということで、みんなで楽しもうぜという会社です。そんなイベントに参加して、これでプロクセス買ってもいいな、って思った人はいますか?」と参加者に問いかけると、多くの人が手を挙げて拍手が沸き起こるひと幕を挟みつつ、「またぜひ遊びに来ていただきたいなと思います。われわれもレースで頑張っていますので、応援していただきたいと思います」とコメントした。

阪口良平選手

 阪口選手はこのイベント内で新型シビック・タイプRのタイムアタック走行をした感想について触れ、「装着していたプロクセスのSport 2というタイヤは、イメージとしてはバリバリのハイグリップではなかったのに、想定していたよりも2秒ぐらい速いタイムでした。走行後のタイヤ表面もきれいなもので、新しい発見になりました。このタイヤは日ごろの移動に使っているクルマにも装着していますが、フロントタイヤに対する依存度が高いFF車でもしっかりと荷重を受け止めてくれて、普段使いできるタイヤでもこんな製品があるということを、僕自身も新たな発見でしたし、そんな視点でも皆さんに見てもらえたらと思います」とコメントした。

小山美姫選手

 小山選手はサーキット走行について「サーキットの本コースを走れる機会はあまりないと思います。自分の自家用車をクローズコースで走らせると、タイヤによっても季節によっても、全力のレーシングスピードで走らなくても分かることがあると思います。走らせ方によってもラップごとに感じ方が変わると思いますし、今日は気温が低くて寒いですが、夏の暑い季節にはタイヤからの感じ方も変化すると思いますので、こういったイベントがあればぜひ参加してもらいたいです」と語った。

塩津裕介選手

 塩津選手はプロクセスのタイヤについて「トーヨーさんのタイヤの特徴は、僕はコントロール性のよさとウォームアップのよさにあると思います。これだけ気温が寒いなかでも、1コーナーを通過して2コーナーに到達するまでにはちゃんとグリップ感があって、そういったところが長所だと感じています。来年もイベントが行なわれるときには、トーヨーのタイヤを履いてこの走行会に来てもらえたらうれしいので、ぜひよろしくお願いいたします」と紹介した。

閉会式中にはインストラクターによるゼッケンナンバーの抽選で、トーヨータイヤのロゴ入りキャップやスポーツタオル、パーカー、サロペットなどが参加者にプレゼントされた

 最後にあいさつしたTOYO TIRE 商品企画本部 グローバルマーケティング部 モータースポーツチーム チームリーダーの古口敦規氏は、「大きな事故やクラッシュもなく終了できたことを皆さんにお礼申し上げます。今後もさらに皆さんが参加しやすい走行会になるよう改善していきたいと思います。こういった走行会イベントをまた開催させていただいて、皆さまの意見を反映していい商品にしていきたい、トーヨータイヤのプロクセスを1人でも多くの皆さまにご愛顧いただきたいと思いっています。今年度はこれで終了になりますが、来年も引き続き開催して、いろんなエリアで走行会を展開していきたいと思いますので、皆さまのご参加をお待ち申し上げます」と述べ、これまでに開催してきた鈴鹿サーキットや岡山国際サーキット以外の場所を舞台とした走行会開催に向けて意気込みを口にした。

TOYO TIRE株式会社 商品企画本部 グローバルマーケティング部 モータースポーツチーム チームリーダーの古口敦規氏