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スバルのソフトウェア開発拠点「SUBARU Lab」が入居する「WeWork 渋谷スクランブルスクエア」を見てきた
2025年4月9日 06:00
- 2025年2月26日 実施
WeWorkってどんなところ?
スバルは、2025年2月にソフトウェア開発拠点「SUBARU Lab」を拡張。2020年に開設した「H1O 渋谷三丁目」内の拠点に加え、フレキシブルオフィス「WeWork 渋谷スクランブルスクエア」に新たなオフィスを開設した。
今回、WeWork 渋谷スクランブルスクエアに新設されたオフィスの見学とともに、トークセッションが開催された。
WeWorkは、米・ニューヨーク発の企業で、グローバル37か国600拠点以上に展開。日本国内では2018年2月にサービスを開始し、7都市40拠点でフレキシブルオフィスを展開している。
スバルが新しくSUBARU Labを開設したWeWork 渋谷スクランブルスクエアは、渋谷駅の真上に位置し、37~42階、最上階の45階にフロアを構える日本でも最大の拠点。会議室、フォンブースといった設備を入居している約200社でシェアリングしているという。
また、コミュニティチームが常駐しており、入居している企業によるイベント開催やコミュニケーションなどのサポートを行なうとともに、「Connect by WeWork」というサービスで業種・業界を超えた企業間のマッチングを働きかけることで、オープンイノベーションやコラボレーションを促進しているとした。
WeWork Japan 代表取締役社長 兼 CEO(元COO 兼 Head of Real Estate&Sales)の熊谷慶太郎氏は「このイベントとマッチングというところがわれわれの強みで、いま40拠点で年間2000~3000のイベントを行なっています。そして、拠点をまたいでの参加も可能ですので、スバルさんにはWeWork 渋谷スクランブルスクエアをご契約いただいたのですが、地方でイベントを開催したり参加したりできます。またマッチングについても、件数が年間で150件というデータもありまして、Connect by WeWorkも非常にうまくいっています」と取り組みについて説明。
続けて、WeWork Japan Public Affairs Senior Managerの平位衣利奈氏が、「コミュニティチームというのは、WeWorkの全拠点に常駐しているWeWorkのチームになります。単なる受付業務だけではなく、WeWorkの顔として、日々入居メンバーさまとコミュニケーションをとらせていただきながら、サポートをしたり、イベントの企画・運営をしたりしております。Connect by WeWorkというのはマッチングサービスとして提供させていただいておりまして、データベースですとかAIを活用してマッチングさせていただいているというところもあるのですけれども、日々密にカジュアルな入居メンバーさまとの会話などを通じて、ニーズを把握したり、ほかの入居メンバーさまをご紹介したりしているような人の顔が見える中で、よりよいマッチングというものを図っているという次第です」と補足した。
スバルが渋谷にソフトウェア開発拠点を置く理由
スバルがソフトウェア開発拠点を渋谷に2拠点開設したことについて、SUBARU 執行役員 CDCO 技術本部 副本部長の柴田英司氏は「AIエンジニアの中心地は渋谷だ」と語る。もともと、アイサイトの技術検討については三鷹の画像処理ソフトウェアチームが行なっていたものの、人員が足りなくなってきたため増員を検討するにあたり、「通勤圏の真ん中に事務所を置いてエンジニアを迎え入れよう」ということになったという。
そこで、アイサイトだけでなくソフトウェア開発のボリュームを上げるべく、AIエンジニアを含めコネクト領域、UX領域、電動制御も含めて増員をするため、ラボ拡張の目的に合致したWeWork 渋谷スクランブルスクエアに入居することになったと紹介。「IT系の企業が固まって入居しているので、すごい勢いでマッチングが進む。WeWork 渋谷スクランブルスクエアの中で1つの世界が完結しているような感じですので、WeWorkさんのパワーってすごいなと思います」と柴田氏は話した。
実際にWeWork 渋谷スクランブルスクエアでソフトウェア開発に携わっており、SUBARU Labの副所長でもあるSUBARU 技術本部 ADAS開発部 主査 兼 高度統合システムPGM 主査の金井崇氏は「WeWork 渋谷スクランブルスクエアのコミュニティスペースにふらっと行くのですが、そこでさまざまな企業とか、自治体を含めた団体とのコミュニケーションが、1か月で複数回発生しています。しかも、それは私がイベントがあるから行こうと思って行動しているのではなくて、たまたま休憩や仕事帰りにコミュニティスペースを通りがかると、WeWorkのコミュニティチームの方が積極的に声をかけてくれて、実際に紹介していただいています」と実体験を語った。
また、ソフトウェアを開発するタイミングにエンジニアが集中してコードを書ける場所があるだけでなく、1人でコーティングするだけだとひらめきが起きにくいので、そういったときにディスカッションする場所があって、発想の転換ができることもあるとのこと。さらに、WeWorkの入居者は日本だけでなく海外も含むほかのWeWork拠点の設備も利用できるため、アイサイトの開発で画像データをとりに行った出張先で、画像について議論するための会議室を探すことなく、WeWorkの設備を使えるのは便利になるのではないかという、今後への期待も語られた。
最後に柴田氏は「ハードとその支えるソフト、あとはデジタル空間を使ったエコシステムまで含めて、われわれがお客さまにとってやらなきゃいけないところを最新技術で実現していく。そういう覚悟で、ワクワクしながらH1Oを立ち上げましたし、WeWorkはもっと仕事の領域が広がって面白くなるという実感がありますので、この楽しい開発をぜひITエンジニアの方にも、クルマの開発ってこんなに面白いんだっていうのをぜひ分かっていただきたい。世界中に走りに行ってデータを取ったり、いろんな人と話したりして、どんどん成長していってもらいたい。エンジニアにそういう環境をどんどん提供したいと思っていたので、今回はいい機会だと思います。クルマ業界のみならず、ソフトウェア開発に携わる皆さんに共有できるように、この事務所を盛り上げていきたいと思っています」と締めくくった。