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メルセデス・ベンツ、豊橋新車整備センターに納車を行う施設「デリバリーコーナー」新設
日本で唯一となるナンバープレートの封印取り付けが可能に。センター内の厳しい検査工程も公開
(2014/10/20 19:46)
メルセデス・ベンツ日本は10月20日、愛知県の豊橋新車整備センター(VPC)に納車を行う施設「デリバリーコーナー」を新設したことを発表、このデリバリーコーナーで初めての納車式が行われ、その模様を報道陣に公開した。
納車式にはメルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏、愛知県 副知事の中西肇氏、豊橋市市長の佐原光一氏が登壇して挨拶を行うとともに、メルセデス・ベンツ日本 代表取締役副社長 サービス・パーツ部門担当の荒垣信賢氏が豊橋新車整備センターの概要について説明した。
同社は2009年まで、茨城県日立市にある日立VPCと豊橋VPCの2拠点に新車整備を行う施設を持っていたが、リーマンショック以降は市場環境の変化や販売状況を鑑みて、日立VPCの1拠点に集約。その一方で、2010年以降の販売実績は4年連続で対前年比を上回り、2013年は5万5000台を超えて過去最高台数を記録したほか、商品多様化に対応するための新車整備能力の拡張が急務と判断し、再び豊橋VPCを新設することを決定(2014年8月に操業開始)。この豊橋VPCの新設によって新車整備能力は従来の約3割向上し、安定的に6万台以上を整備できる体制が整ったという。
そんな豊橋VPCでは、新たにデリバリーコーナーを設置した。これは新車を購入したユーザーに整備を行ったばかりの車両を直接納車するという施設で、豊橋VPCのある三河港において、メルセデス・ベンツなどのインポーターをナンバープレートの封印取付代行者として容認することなどを盛り込んだ「国際輸入自動車特区」案が、規制緩和という形で認められたことから実現したもの。従来は陸運局で行われていたナンバープレートの封印作業が豊橋VPCのデリバリーコーナーでも可能になり、このような取り組みは日本で初めてのことだという。
なお、デリバリーコーナーは納車時の手続きなどが行える専用ラウンジを備えるほか、コレクショングッズの展示、納車されるマイカーと記念撮影が行えるガラス張りのスペースが用意される。さらにメルセデス・ベンツオーナー向けに加え、一般来場者向けの新車整備の工程などを見学できる豊橋VPC見学ツアーも新たに設定した。
より多くの人にメルセデスを身近に感じていただきたい
納車式の冒頭に登壇した上野社長は、「おかげさまでメルセデス・ベンツの販売台数は、1~9月の累計で対前年比+12%の約4万4000台と大変好調を喫している。また、7月に発表した新型C クラスは日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会よりインポートカー・オブ・ザ・イヤーを受賞させていただき、今後さらなる新型C クラスの販売増を期待している」と述べるとともに、「ドイツ本国をはじめ、世界の工場で製造された車両は約40日以上かけて日本の地に到着するが、私たちはお客様に最高の状態の車両をお届けする使命がある。販売店様に配車する前に、責任をもって点検・整備を行う施設が新車整備センター」と日立VPCおよび豊橋VPCの存在意義を説明。
また、「今後、お客様の選択肢の1つとして豊橋市にお越しいただき、待望の新車をここで受け取っていただき、ドライブしながらお帰りいただくというブランド体験がご提案できるようになった。一般の方にも新車整備センターをご見学いただけるツアーを11月から開始させていただく。多くの方に遊びにきていただき、より多くの人にメルセデスを身近に感じていただきたいと思っている」とし、豊橋VPCの新サービスの紹介も行った。
一方、愛知県 副知事の中西氏は「今後デリバリーコーナーを通じてこの地に訪れた方々については、この地域は大変おいしい食べ物やさまざまな文化が寄っているところ。そうしたところを肌で感じていただきたい」、豊橋市市長の佐原氏は「デリバリーコーナーの開設にあたりましては、プランを立てて担当官庁の国土交通省と話を始めてから5年ほどが経つ。“ナンバープレートは車検場のあるところでつける”という常識を何とか覆したいということで話を進めてきた。当初は特区で話を進めていたが、結果として規制緩和という形で2年ほど前に(国土交通省に)受けていただき、昨年規制緩和が実現した。時間をかけてきたメンバーにとって最高の喜び」と述べるなど、これまでの苦労について語られるとともに、今後の豊橋VPCの発展に期待を寄せた。