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ジープ「ラングラー」で気ままにドライブ どんな道も、どんな旅も心強い相棒
- 提供:
- Stellantisジャパン株式会社
2025年2月13日 00:00
楽しいことを見つけたい気持ちで出かける旅は、ラングラーと一緒に
いつもならまだかまだかと待ち遠しいのに、今年の春は少しばかり早足だ。日中はコートを脱ぎたくなるほどの日差しが注いだり、南の方では満開の花を眺めながら、のんびりと散策する様子がSNSで見受けられたり、思わずどこかへ行きたくなる。
こんなときの相棒として真っ先に思い浮かぶのは、ジープ・ラングラーだ。1941年登場の軍用車両である「ウィリスMB」を起源とし、80年以上にわたって「どこへでも行ける。何でもできる。」をスピリットに走り続けてきた本格オフローダーのラングラー。ジープを代表するモデルとして、何があっても走り切れそうな頼もしい走破性の高さはもちろんだが、舗装路しか走らないと分かっていても、絶大なる心の余裕と安心感を差し出してくれる存在である。今回のように、あえて目的地を決めないドライブだったり、何か楽しいことを見つけたい気持ちで出かける旅に、ラングラーはビビビと通じ合える要素が多い。
駐車場には目の覚めるような赤がまぶしいラングラーがたたずんでいた。ドアをアンロックすると、シャーっと音がしてこれからオプション装備として設定される予定だという立派なステップがせり出してくる。通常はドア開口部に備わるグリップを握り、エイヤッという感じで運転席に飛び乗る感覚なのだが、ステップがあるとスマートに乗りこめてラク。ドアを閉めれば自動でステップが格納される手間いらずで、後席のドアまでカバーしている。これならスカートのときでも、子供やお年寄りでも安心して乗り降りできるはずだ。
現行モデルのJL型ラングラーは2018年に日本に導入され、2024年にマイナーチェンジを受けてさらに進化している。フロントマスクは伝統の「7スロットグリル」が新デザインとなって、少し都会的なイメージが加わった印象だ。でも単にデザインを変更しただけでなく、これによってエンジン冷却性能も高まっているというからさすが。ホイールのデザインも刷新されて、シルバーのスポークの奥によく見るとブラックのスポークがあるという、凝ったデザインがオシャレだ。昔のイメージでは、オフィスで着るような服装でラングラーに乗ると、本格的なマウンテンジャケットを羽織っているようなチグハグな感じに思えたかもしれないが、今ではそれもオシャレなコーディネート。しかも、これまでフェンダーからニョキっとはえていたアンテナはフロントウィンドウ一体式となってスッキリとしたり、デザイン変更によって市街地にもなじみやすい要素が加わっていたりするから、トレンドに敏感な人たちはど真ん中に刺さっているのではないだろうか。駐車場の出口から車道へ出ようと歩行者が途切れるのを待っている間、少なくない人たちがこのラングラーに熱い視線を送っていた……と感じたのも偶然ではない気がする。
信号が多く混み合った都心部の道では、マイナーチェンジによって大きくなった12.3インチタッチスクリーンのありがたみを早くも実感。画面が見やすいのはもちろん、従来より5倍もの高速化が実現したプロセッサーを採用しているというアイシン製のナビは、ルート検索やリルートが早く的確で、なんともスムーズに首都高のゲートをくぐることができた。ブラック基調の落ち着いたインパネも、オシャレさと使いやすさを兼ね備えていると感じる。そして遠くまで見通せる、ラングラーならではのアップライトな視界。いつもの道がいつもではない景色になって、ちょっと冒険に出かける気分を演出してくれるようだ。
全体的には重厚感がありながら、発進直後には軽やかさがあってストップ&ゴーがストレスにならない2.0Lの直4ガソリンターボエンジンは、JL型になったときに最も驚いたのが扱いやすさの進化だった。今回はさらに、タイヤサイズも銘柄も変わらずマッドテレーンタイヤを履いていながら、市街地から首都高に入っても乗り心地に落ち着きがあり、ドタバタとした余計な振動が入ってこないことに感心。ゴーゴーというロードノイズや風切り音はやや響いてくるものの、それさえも冒険気分を盛り上げる楽しい要素にしてしまうのがラングラーだ。あえてラジオや音楽は流さず、走る区間によって変わる自然のBGMを聴きながらドライブするのも、非日常が感じられる好きな時間のひとつ。距離を伸ばしていくごとに、忙しい日常から抜け出してリセットされていく時間になっているのかもしれない。
長いトンネルから地上へ出ると、あたりは緑が多くなってくる。少し速度域が高くなると、オンロード重視のSUVとはちがったおおらかな乗り味が顔を出しはじめた。昔ほどはがっしり握っていなくてもフラフラすることはないが、直進安定性の一端を自分の腕が担っているという実感を認識し、気を引き締める。ジャンクションなどのきついカーブでは、やはり昔ほど深いロールはしなくなっているが、速度をゆるめてしっかりとステアリングを操作しつつ曲がっていく。この“ちょっとひと手間”が必要なドライブというのがまた、運転に集中している感覚を高めてくれて楽しい。そして左の手元を見れば、今回は使うことがないだろう“もうひとつのシフトレバー”が置かれている。予想外の大雨や雪が降ったり、目の前に砂浜が広がっていたり、川を渡らねばならぬ状況などなど、いざとなったら、私にはコレがあるさと思える優越感。何もないとは言い切れない世の中だけに、気持ちの余裕が何倍にもふくらむというものだ。
そんなラングラーとのドライブを楽しんでいるうちに、気づけば海に来ていた。この赤いボディを見たときから、背景にはブルーの海が似合うだろうと感じて、本能的にここに向かっていたらしい。遠くに雪をかぶった富士山がくっきりと見えて、しばしボーッと眺めながらのんびりとした時間を過ごした。ラゲッジは5人乗車時でも898Lという大容量だから、テーブルセットや折りたたみ自転車などを積んできてもよかったが、思い立って空っぽのまま走り出したとしても、ラングラーが横にいてくれるだけでレジャー気分が盛り上がり、これだけで来たかいがあったと思える。もし、家族や友人たちと一緒に出かけるときも、JK型では背もたれが直立していた後席が、少し傾斜がついてカップホルダー付きセンターアームレストが備わり、快適性がアップしているから安心だ。
すっかりリフレッシュして、海鮮がおいしいお店でランチをいただいていると、近くで「水仙」がきれいに咲いているという話を小耳にはさんだ。せっかくだからちょっと行ってみようかと、フットワークが軽くなる。途中からだんだん道幅が狭くなってきたが、ラングラーなら未舗装の路肩にはみ出してもなんの不安もないから、大きなボディでもそれほど困ることがなかったのは意外だった。そのうち、一面の水仙を真横にして春先取りのドライブといった趣になっていく。真っ赤なボディ越しに見える黄色い花弁は一段と美しく、窓を開ければほんのりと香りがただよって、大満足で帰路についたのだった。
特別なことは何もしていない。心おもむくままに走っただけで、その道中や訪れた場所が特別な思い出になる。それはラングラーが、便利さでも上質さでも名誉でもなく、一瞬一瞬の音、振動、路面の起伏、風や匂いまでちゃんと感じさせてくれることで、いつもより“生きている”実感が高まるからではないだろうか。そして、現代の舗装路にいれば過剰とも思える走破性が、いざ生死を分かつような場面では頼もしい命綱となることを、どこかで感じながら走るからでもあるのだろう。この絶大な安心感の上に、こうしたのんびりとした日常は成り立っているのだと、あらためてラングラーが教えてくれたドライブだった。
Photo:安田 剛