自工会、「東京モーターショー2009」特別企画概要など発表 海外メーカーの出展は3メーカーのみに |
自工会(日本自動車工業会)は7月16日に定例記者会見を行い、冒頭で2009年10月23日から11月4日まで千葉県幕張メッセで開催される「第41回東京モーターショー2009」の特別企画概要および来場者サービスについて発表した。
資料によると、海外メーカーの出展は独アルピナ、英ロータス、韓国ヒュンダイの3メーカーで、国内の自動車メーカーや部品・機械器具メーカーを含めて総出展数は計107(2政府、1団体、107社)にとどまった。これは3月に発表があった126(3政府、1団体、122社)からさらに減少した数字となる。
・第41回東京モーターショー自動車メーカー出展リスト(順不同)
スズキ、ダイハツ、トヨタ、日産、スバル、ホンダ、マツダ、三菱、アルピナ、ロータス、ヒュンダイ
第41回東京モーターショーのテーマは、“楽しさと環境の両立”をシンプルに表現した「クルマを楽しむ、地球と楽しむ」で、最先端の製品や技術の情報を世界に向けて発信する。また、自動車への需要を喚起させるものとして、ワールドプレミア(世界初の発表)42台(4輪車22台、2輪車18台、カロッツェリア2台)、ジャパンプレミア17台(4輪車10台、2輪車7台)が出品されるほか、特別企画を新たに用意した。
特別企画の主立ったものとしては、次世代車および2輪車を含む新型車両の「乗用車試乗会」「二輪車試乗会」。4輪車は会場周辺の一般公道で試乗することができ、10月21日から30日の日程で行われる。試乗車両はトヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱から約30台が提供される。
2輪車については、会場西ホールの南側屋外に特設コースが設置され、10月31日から11月4日に行われる。試乗車両はスズキ、ホンダ、ヤマハ、アディバ、ハーレーダビッドソン、キムコから約30台が提供。参加方法は、4輪車、2輪車とも当日に整理券を配布する先着方式としている。
また、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)の会員有志が中心となり、モーターショーをガイドする「自動車ジャーナリスト(AJAJ)と巡る東京モーターショー」も開催。参加を希望する人は、9月1日~末日の期間に東京モーターショーの公式サイトから申し込みを行う。参加可否は抽選で決定、定員は約450名となっている。
その他、日本カー・オブ・ザ・イヤーの30周年を記念して、第1回~29回までの受賞車両、および今年の受賞車両候補を含めた約40台が展示される「日本カー・オブ・ザ・イヤー30周年特別記念展示」を開催。今年のイヤーカー投票はプレスデーの21日、表彰式は22日に行われる。東京モーターショーで日本カー・オブ・ザ・イヤーの展示および表彰は初の試みとなる。
入場料については、大人1300円(前売り1100円)、高校生600円(同500円)。従来は小学生まで無料だったが、今回は中学生まで無料となる。開催時間は平日が10時~18時、土曜日と休日が9時30分~19時。一般公開は24日からとなっている。
自工会の青木哲会長は、「現在国内市場は環境対応車に対する税の減免措置や買い換え・購入補助制度の効果が出てきた。東京モーターショーはその効果に一層の弾みをつけるものだと期待している。開催まであと3カ月となったが、成功に向けて全力で取り組みたい」と語った。
以下、報道陣と青木氏による主な質疑応答について。
――補助金制度の効果についてと下半期の見通し
青木氏:4月~6月にかけても、残念ながら登録台数については前年比減という形となってしまったが、減少の幅は狭まってきている。その要因としては減税の効果などが挙げられる。全体の販売台数のなかで、減税措置を受けた対象車は4月で11万4000台(登録台数の約43%)、5月で13万5000台(同49%)、6月で19万4000台(同55%)ということで、確実に効果が出ている。重量税と取得税の減免、それに補助金制度を活用して今後も市場活性化に努めていきたい。
また、下期の見通しについては、補助金制度の効果が出てきたのは6月末くらいからなので、現時点ではもう少し動向を見守りたい。
――海外市場の現状と輸出、国内生産状況について
青木氏:海外市場については、自工会ではオフィシャルなデータを持っていないので不透明だ。だが、中国においては景気対策が成功しており、販売台数では米国を大幅に抜いて世界一となった。今後も期待される市場だろう。
欧州ではスクラップインセンティブ制度(9年以上保有した車から一定の基準を満たした低公害車に代替した際、補助が受けられる制度)で景気を刺激し、ドイツでは前年を上回る販売台数となった。他のマーケットでも減少に歯止めがかかってきているので、一定の効果が出ている。
一方、米国では6月でみると前年同月比で減少している。この減少は約20カ月連続で続いており、厳しい状況。しかし、米国でもスクラップインセンティブ制度が7月から4カ月間に渡って導入されるため、これを契機に市場活性化を期待したい。
輸出に関しては非常に厳しい。前年比で4割程度にしか届いていない。国内生産については前年比で5~6割程度。前年を越える目処はまだ立たないが、一部工場においては休日出勤などを行っているところもあり、微少で回復しているのではないか。
――海外メーカーなどが不参加となった東京モーターショーの今後
青木氏:今年のモーターショー自体が、過去と比較して大きく変わったかというと、そんなことはない。前回以上に魅力的なイベントにしていく気持ちだ。しかし、海外メーカーなどが参加を取りやめた背景には、モーターショー自体の意義について問題があるわけではなく、企業のとりまく環境から不参加を決断したのだろうと私は思っている。はっきりと断言はできないが、2年後はまた賑やかなものになっているのではないだろうか。
(編集部:小林 隆)
2009年 7月 16日