クラリオン、クラウド型サービス「Smart Access」対応カーナビ「NX712」「NX612」
マップルナビ4を初搭載する2DINカーナビ「NX502」

「Smart Access」対応カーナビ「NX712」

2012年6月上旬発売
オープンプライス



 クラリオンは5月15日、クラウド型テレマティクスサービス「Smart Access」対応カーナビ「NX712」「NX612」と、マップルナビ4を初搭載する2DINカーナビ「NX502」を6月上旬から順次発売すると発表した。価格はいずれもオープンプライスで、店頭予想価格は、NX712が13万円前後、NX612が11万円前後、NX502が6万円前後。

NX712
NX612
NX502

 そのほか、1DIN CDレシーバー「CZ202」(オープンプライス、1万3000円前後)、「CZ102」(オープンライス、9000円前後)、パワードサブウーファー「SRV250」(1万3440円)を発表。同じく6月上旬より順次発売する。

パワードサブウーファーSRV2501DIN CDレシーバー CZ102
1DIN CDレシーバー CZ202CZ202は、フロントにiPod/iPhoneを接続可能なUSB端子を搭載する

 発表会において、6月から北米、日本でサービスを開始する、Smart Accessの詳細が紹介された。

 Smart Accessは、スマートフォンとの連携を図るクラリオン独自のサービスで、対応アプリケーションをスマートフォンにダウンロードし、対応カーナビと接続することで、多彩なサービスが利用できるようになる。

 現時点での対応スマートフォンはiPhone 4/4Sのみ。そのため対応アプリケーションについてはAppStoreからダウンロードすることになる。

 クラリオン 執行役員 マーケティング戦略本部 本部長 松岡義久氏は、iPhoneのみに対応する理由として、Androidではまだカーナビとの接続規格が複数存在し、どれが主流になるか見えないためとし、2013年のリリースを予定していると言う。

クラリオン 執行役員 マーケティング戦略本部 本部長 松岡義久氏Smart Accessの背景には、スマートフォンの急速な普及があるつながるプラットフォームを支えるSmart Access
スマートフォンとカーナビ連携の方法クラリオンとしては、当初は接続方法の安定しているiPhone 4/4Sに対応。Android端末については、様子を見ながら2013年に対応予定Smart Accessのデモとしては、6月1日に北米で発売するスマートフォンとの連携のみ可能な「Next GATE」を使用した
Next GATEを手に持つ、松岡本部長
Next GATEの画面。Smart Access対応アプリが並ぶNext GATEでは、ナビ画面もSmart Access対応アプリを使用する音声認識での操作も可能だと言う
発表会場に展示されていたデモカー。Smart Accessをアピール

 Smart Access対応アプリは、スマートフォンで実行し、その画面をSmart Access対応カーナビである、NX712、NX612で表示・操作できる。iPhoneとの接続はビデオ信号とUSBの2ラインで、画面出力とコントロール信号がやり取りされている。

 当初用意されるSmart Access対応アプリは、世界5万局以上のインターネットラジオを楽しめる「TuneIn Radio」、最新ニュースを表示する「News4Car」、天気予報を表示する「Weather4Car」、Facebookの投稿をチェックできる「FB4car」、Twitterのタイムライン表示やつぶやき投稿を行える「Tweet4car」の5本。いずれもアプリケーションの処理はスマートフォン上で行い、カーナビでは画面表示とコントロールを行える。

 同社では、このスマートフォン連携機能持つSmart Access対応アプリを積極的に推し進め、そのバックボーンとなるSmart Accessサーバーを当初日本に設置し、日本と北米でのサービスを開始。その後、欧州、中国、ASEAN(東南アジア諸国連合)にもサーバーを設置し、各地域でのSmart Access対応アプリを使ったクラウドサービスを展開していく。

 このようなクラウドサービス展開が図れる背景として、クラリオンが属する日立グループのグローバルデータセンターがあると言い、現在このグローバルデータセンターでは、クラリオンがTCU(テレマティクス コントロール ユニット)を供給している日産のEV(電気自動車)「リーフ」向けテレマティクスサービスが提供されている。

Smart Accessで、車載情報機器メーカーから車両情報システムプロパイダーへなるという従来のテレマティクスサービスイメージ。各社が独自に行っていたクラウドサービスのイメージ。さまざまなサービスがインターネット上で提供されている
Smart Accessでは、それらのサービスを組み合わせて利用できると言うSmart AccessのサービスイメージSmart Accessのバックボーンとして、日立のデータセンターサービスがある
クラウド型のテレマティクスサービスであれば、これまでのテレマティクスサービスより多彩なサービスを提供できる日本・北米でのサービスを皮切りに、全世界へサービス展開していく

Smart Access対応カーナビ、NX712、NX612
 NX712、NX612ともクラリオンの次世代カーナビとしてプラットフォームを一新。メニューも日本語、英語、韓国語、中国語(簡体)に対応し、グローバル展開を見据えたものとなっている。

 モニターは7型ワイドVGA(800×480ピクセル)。NX712はSD 20GB(16GB+4GB)、NX612はSD 16GBの容量を持ち、12セグ/ワンセグチューナーは、NX712が4チューナー×4アンテナ、NX612は2チュナー×2アンテナを搭載する。

製品の詳細については、商品企画部 商品企画G GLマネージャー 橋本三隆氏が説明NX712、NX612の訴求ポイントメニューデザインも変更。言語も4カ国語に対応
Smart Access対応アプリ従来のCARDGETも利用可能各種音質調整機能を搭載
ダウンロードボイス機能も、前モデルから継続搭載新キャラも加わったユーザーが案内音声を制作可能なカスタムぼいす

 地図は、年5回の差分更新、年1回の全更新に対応。自宅のPCからインターネット経由でダウンロードして、NX712は3年間無料、NX612は1年間無料で最新のものにアップデートできる。新東名高速道路は発売日時点で地図・ルート検索が可能で、高速料金データについては後日アップデートされる予定。

 メディア機能としては、DVD/CDの再生が可能なほか、SDメモリーカードへの音楽CDリッピング機能、iPod/iPhoneの接続機能、NX712についてはBluetooth対応音楽再生&ハンズフリー通話も可能だ。

 アンプは、定格出力16W×4ch(最大出力45W×4ch)を搭載し、6バンドのイコライザーなど搭載。本体サイズは、いずれも178×179.6×100mm(幅×奥行き×高さ)。重量は3.0kg。

 そのほか同社製カーナビ用のアプリとして展開してきた「CARDGET(カージェット)」も利用可能。CARDGETとしては、道の駅や駐車場検索、ワリカンアプリなどが用意されている。

新東名にも対応メインメニューFacebookの投稿をチェックできる「FB4car」
Twitterのタイムライン表示やつぶやき投稿を行える「Tweet4car」Tweet4carでは、定型文の投稿や、位置情報の投稿も可能最新ニュースを表示する「News4Car」。RSSリーダー機能を用いて実現
インターネットラジオを楽しめる「TuneIn Radio」天気予報を表示する「Weather4Car」好みのキャラの音声で案内が可能なダウンロードボイス。PCでダウンロード後、ナビに転送する。画面は新キャラのハニエル。地球のドライバーを守るべく宇宙からやってきたロリ声の天使。CV(キャラクターボイス)は、阿澄佳奈さん

マップルナビ4搭載の2DINナビ「NX502」
 NX502は、ナビゲーションエンジンとしてマップルナビ4を初搭載するエントリーナビ。6.2型のワイドVGAモニターを搭載し、ワンセグチューナー、DVD/CD再生、SD再生が可能となっている。

 マップルナビ4では、2012年版の昭文社マップルを100冊収録。出かける相手によっておすすめスポットが変化する「誰と行く?」検索、目的地エリアの旬なものを紹介する「今が旬!」検索、エリアごとにコースとスポットを紹介する「ベストドライブ検索」を搭載。メニューも使いやすいものに整理されている。

 メディア機能としては、Bluetooth音楽再生&ハンズフリー通話、USBメモリー再生、iPod/iPhone再生(アルバムアートワーク表示可能)に対応。定格出力16W×4ch(最大出力50W×4ch)を搭載し、3バンドのパラメトリックイコライザーによる音質調整などが可能。本体サイズは、178×179.9×100mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は2.4kg。

1DIN CDレシーバー「CZ202」「CZ102」など
 CZ202、CZ102は、音楽CD再生に対応し、定格出力20W×4ch(最大45W×4ch)アンプを搭載するCDレシーバー。3バンドのパラメトリックイコライザーによる音質調整機能などを持つ。CZ202とCZ102の違いは、CZ202がフロントUSB端子を持つこと。別売のiPodケーブルを用いることで、iPod/iPhoneの再生が可能となっている。Bluetoothについては、オプションユニットでの対応。

 サイズは、いずれも178×190×50mm(幅×奥行き×高さ)。重量は、CZ202が1.30kg、CZ102が1.27kg。

 そのほか、17cm密閉型のパワードサブウーファー「SRV250」もラインアップされ、再生周波数帯域は30Hz~200Hz。50Hz~120Hzでカットオフ周波数が設定可能。搭載するアンプは、定格出力74W(37W+37W)、最大出力150W(75W+75W)。サイズは、275×195×70mm(幅×奥行き×高さ)。重量は2.5kg。

クラリオンが目指す事業
 製品発表会の冒頭、同社代表取締役社長 泉龍彦氏は、クラリオンの目指す事業について語った。泉社長は、車載器にまつわる環境が変化してきており、これまでカーナビが搭載していた各種の機能がクラウドで実現可能になったこと、それによりユーザーの価値感が変わってきたことを挙げ、「今後はクラリオン独自の価値の創造を行っていく」と言う。

 具体的には、車載カメラは視覚だけでなく認識する機能を持ち、ユーザーインターフェイス分野では車載器HMI(ヒューマン インターフェイス)からコンソールHMIへと変化。日立グループとの連携により、Smart Accessでのクラウドサービスや、クラリオンならではのクルマとの連携機能も強化する。それらにより、車両情報システムプロバイダーを目指し、Smart Access連携機能を持つ、NX712、NX612は、その第1弾となる製品群として登場した。

代表取締役社長 泉龍彦氏変貌する経営環境クラリオンならではの価値の創造
事業ドメイン中期スローガンクラリオンの新たなブランドワード「moves you・connects you」

(編集部:谷川 潔)
2012年 5月 15日