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アウディ、「RS 6」など3モデルのRSシリーズ発表会
Qシリーズ初のSモデル「SQ5」も発売
(2013/10/8 22:32)
アウディ ジャパンは10月8日、新型RSモデル「RS 5 カブリオレ」「RS 6 アバント」「RS 7 スポーツバック」を導入すると発表した。RS 5 カブリオレとRS 6 アバントは10月8日に、RS 7 スポーツバックは2014年1月に発売する。いずれのモデルもステアリング位置は左右から選択できる。
また、ミッドサイズSUV「Q5」をベースにしたQシリーズ初のSモデル「SQ5」を10月8日に発売。こちらは749万円で、ステアリング位置は右のみ。
同日、都内で報道陣向けの発表会を開催し、アウディ ジャパン 代表取締役社長の大喜多寛氏がRS 6 アバントを中心に車両解説を実施した。
モデル | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|---|---|
RS 5 カブリオレ | V型8気筒DOHC 4.2リッター | 7速デュアルクラッチ | 4WD | 13,870,000円 |
RS 6 アバント | V型8気筒DOHC 4.0リッターツインターボ | 8速AT | 15,200,000円 | |
RS 7 スポーツバック | 15,700,000円 | |||
SQ5 | V型6気筒DOHC 3.0リッタースーパーチャージャー | 7,490,000円 |
RS 6 アバントは燃費10.4km/Lを達成
RSシリーズは、アウディ AGの100%出資子会社「クワトロ」が手がける高性能スポーツモデル。ベース車のAシリーズ/Qシリーズ、そのスポーツバージョンのSシリーズ、さらにSシリーズの高性能版がRSシリーズ(頂点はR8)となる。現行のRSシリーズは「TT RS」「RS 5 クーペ」「RS 4 アバント」の3モデル展開だったが、今回の3モデルを追加して計6モデルの展開となった。
先代のRS 6 アバントはV型10気筒DOHC 5.0リッターツインターボを搭載していたが、新型ではV型8気筒DOHC 4.0リッターツインターボにダウンサイジング。最高出力は先代と遜色のない412kW(560PS)/5700-6700rpmを、最大トルクは先代を上回る700Nm/1750-5500rpmを発生。その一方で、エンジン回転数や負荷が低い状態の際、2、3、5、8番シリンダーの吸排気バルブを閉じて稼働を停止する「シリンダーオンデマンドシステム(COD)」などを搭載することで、燃費は先代比で約76%向上となる10.4km/L(JC08モード燃費)を達成している。トランスミッションは8速ティプロトロニックで、クワトロシステムを介して4輪を駆動する。0-100km/h加速は3.9秒としている。
RS 6 アバントならではの装備としては、スチール製スプリングと3段階で減衰力を調整できるダイナミックライドコントロール(DRC)付きスポーツサスペンションプラスを採用するほか、軽量化のためウェーブデザインを施したベンチレーテッドディスクとブラックペイントの6ピストンキャリパー(フロント)、7ツインスポークデザインの20インチアルミホイール(9.5j×20)、ハイグロスブラック仕上げのフロントグリル/バンパー/フェンダー/サイドシル/ルーフスポイラーなどを採用。
また、インテリアではヘッドレスト一体型のRSスポーツシートを装備するほか、RSロゴを配したフラットボトム形状の3本スポーク本革ステアリング、タコメーター、MMIディスプレイ、リモコンキーなどを採用。フットレスとペダル類、MMIナビゲーションシステムのハードキーなどはアルミニウム仕上げとなっており、ベース車との差別化を図っている。
このRS 6 アバントについて、大喜多社長は「我々がもっとも言いたいのは、700Nmという最大トルクで、車重が2tにもかかわらず軽々と車体を引っ張る。結果として0-100km/h加速は3.9秒で、ステーションワゴン最速」「レースでは軽量化が重要だが、レースの技術をこのRS 6 アバントにも用い、アルミボディーを採用するなどして100kgの軽量化に成功している」とアピール。
また、安全装備面では、先行車との車間距離を維持しながら速度の自動調整を行う「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」(0-250km/hの範囲で作動)や、カメラやセンサーを用いて衝突の危険性を感知した際、緊急時に衝突回避またはドライバー保護機能が作動する「アウディ プレセンス/アウディ プレセンスプラス」などをオプションで用意することで安全性を高めていると紹介。
大喜多社長は「RS 6 アバントは我々の1つの重要なブランドイメージである“スポーティ”を具現化した最高のクルマ」と述べるとともに、「RS 7 スポーツバックはRS 6 アバントと同様のパフォーマンスを発揮し、4ドアクーペの素晴らしいデザインのクルマ。デザインのRS 7 スポーツバックか、使い勝手のよさを備えたRS 6 アバントから選択できる」とした。
なお、アウディは10月18日~20日に富士スピードウェイで行われるWEC(世界耐久選手権)「6 Hours of Fuji」に出場する。このWECについて大喜多社長は「昨年はトヨタさんに残念ながら負けた。今年はなんとか勝ちたいと思っている」と勝利への意欲を見せるとともに、レースで色々と試し、そこで得たノウハウを市販車にフィードバックする。その技術が多く積まれているのがRSシリーズとアピールした。
「RS 7 スポーツバック」、そのほか
5ドアクーペ「RS 7 スポーツバック」は、RS 6 アバントと同様のパワートレーンを採用。シリンダーオンデマンドシステム(COD)などを同じく採用しており、燃費は10.4km/Lを達成している。
RS 5 カブリオレは自然吸気のV型8気筒DOHC 4.2リッターエンジンを搭載し、最高出力331kW(450PS)/8250rpm、最大トルク430Nm(43.8kgm)/4000-6000rpmを発生。0-100km/h加速は4.9秒を実現する。
ソフトトップルーフは50km/h以下で自動開閉が可能で、15秒でオープン、17秒でクローズする。オープン時のルーフはトランクに格納される。また、エクステリアでは新設計のLEDテールライトを装備するほか、大型のリアディフューザー、マット仕上げのカーボンリップスポイラーなどが付く。ボディーサイズは4655×1860×1375mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2755mm。ボディーカラーはソリッド1色、メタリックまたはパール仕上げ4色、クリスタル仕上げ3色を設定するとともに、ソフトトップカラーはブラック、グレー、レッド、ブラウンの4色から選択できる。
Qシリーズ初のSモデル「SQ5」は、専用デザインのシングルフレームグリルを採用するとともに、スポーツサスペンションによって30mmローダウン。アルミニウム調のドアミラー、20インチホイール、リアディフューザー、リアスポイラーなどを装備する。ボディーサイズは4645×1910×1625mm(全長×全幅×全高)。
インテリアはブラックを基調とし、アルカンターラとレザーのコンビネーションによるスポーツタイプのシートを装備するほか、メーターパネルやステアリングにSQ5のバッヂをあしらい、ベースのQ5との差別化を図っている。
パワートレーンはV型6気筒DOHC 3.0リッタースーパーチャージャーで、最高出力は260kW(354PS)/6000-6500rpm、最大トルクは470Nm(47.9kgm)/4000-4500rpm。