トヨタ自動車は8月29日、ハイブリッド専用ミドルセダン「SAI」をマイナーチェンジして発売し、東京都港区の品川インターシティホールで記者発表会を行った。
新型SAIの詳しいスペックや車両価格などは関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20130829_612461.html)でご確認いただきたい。
エクステリアデザインを大きく変更した新型SAI。テーマカラーには新色として追加した「レッドマイカメタリック」を使い、アグレッシブなイメージを強調する アロー形状を多用してシャープさを表現するフロントマスク。ボンネットの先端にメタリックの加飾パネルを装着する フロントマスクとコーディネートして左右の連続感を演出するリヤビュー。バンパーにも凝ったラインが多数入る 前後バンパーには空力性能の向上を狙い、エアロコーナー風の形状を取り入れた 前後ライトの点灯イメージ。ワイド感が強くアピールされている “紳士が放つ色気”をテーマに内外装を一新
発表会でSAIのチーフエンジニアを担当する加藤亨氏は、「見る人を引き付けるクルマとして、SAIを“大人がモテるための武器”になるよう、“紳士が放つ色気”をテーマに大きく変貌させました」と、内外装を大幅変更させた理由を紹介。「世界最大クラス」という、ほぼ車両の全幅と同じ超ワイドサイズのヘッドライトなどにより、SAIの車名に込められた彩りというコンセプトを徹底昇華。先進感と高級感を余すところなく表現して「かっ飛んだデザインに仕上がった」と自負する。
続いて登壇したトヨタ自動車 トヨタデザイン部の柴田秀一室長は、「新型SAIのデザイン開発にあたって意識したのは、お客様の記憶に残る、エモーショナルで先進的なデザインを突き詰めることでした。エクステリアではフロント・リアともに、センターマークから始まる立体の勢いをサイドまで加速させて伸びやかなフォルムとして、車格向上を狙いました。ランプ類では夜間に見ても、ひと目でSAIだと分かる先進性を表現しています」と外観デザインのテーマを紹介。さらに内装では「センターパネルを一新し、インパネからコンソールに縦に流れるラインをより明快にして先進性を強調。室内随所に施したステッチやアルミから削り出したオーディオノブなどで“本物”を追求し、新しい高級車像を創出しています」と解説した。
このほか、発表会には“赤いハイブリッド”をキーワードに製作された新型SAIのテレビCMに出演する女優の真木よう子さんが、赤い衣装に身を包んでゲスト参加。冒頭でテレビCMでも使われる与謝野晶子の短歌「恋歌」を朗読したほか、トークセッションも行われた。
トークショーはSAIの印象を尋ねられた真木さんは、「まず、素直にすごくかっこいいなと感じました。自分でも運転してみたいなとか、手に入れたいなとも思うのですが、それよりも誰かにこのクルマに乗せてもらって、どこかに連れて行ってもらいたいなと感じます」とコメント。また、特徴的なヘッドライトについて「ただ派手に光るだけじゃなく、すごく新しさがあると感じました。知的なかっこよさがある印象です。これを見ただけでもSAIだって分かりますよね」と表現している。
自身が出演したテレビCMについて質問され、「SAIの印象が知的でかっこいいというイメージだったので、CMでは自分もただかっこいい女性というだけではなく、チャーミングな部分も出したいと思って演じました」と語る真木よう子さん 全車で205/60 R16サイズのタイヤを標準装備。ホイールには切削光輝部とブラック塗装を組み合わせ、陰影を強調したデザインとしている 静粛性を向上させるため、吸遮音材の早強に加え、ガラスにフィルムを挟み込んだ遮音ガラスを採用 フロントバンパーの両サイドにLEDフロントフォグランプを内蔵。L字型のターンランプと組み合わせてシャープさとワイド感を演出する 茶木目内装車のインパネ。内装形状に大きな変更はない センターコンソールは、木目調パネルのリッドでオーディオの操作パネルを隠すデザインから変更。コンソールパネルの両サイドに「夜間LEDイルミネーション」を設置してスイッチ類のエッジを美しく浮かび上がらせる オーディオパネルの中央で輝くアルミ削り出しのオーディオノブが“本物感”を演出。リモートタッチにはステッチ入りのソフトパッドが設置された 日本の伝統色をイメージした新色「茜(アカネ)」内装。ドアトリムやフロアマットも茜色になり、木目調パネルも赤木目となる ブラック内装では、シートやドアトリムの一部などにブラウンの表皮が組み合わされる 駆動用バッテリーの通気口はリアシート助手席側に設置。「SRSリヤサイドエアバッグ」などが用意される「SRS9エアバッグ」はG “Aパッケージ”に標準装備。ほかのグレードでもオプション装着可能 ドアトリムのシルバー加飾パネルは表面に細かな凹凸が施され、サラリとした手触りに仕上げられている パワートレーンに大きな変更はないが、ハイブリッドシステムの制御方法の一部見直し、車高の10mmダウンなどによる空力性能の向上などにより、JC08モード燃費が21.0km/Lから22.4km/Lに向上。SAIではハイブリッドシステム用の駆動用バッテリーに加え、パワーウインドーやオーディオなどの補機類用バッテリーも車両後方に搭載するが、駆動用バッテリーから補機類用バッテリーに電力供給する場合にはエンジンルーム内のインバーターを経由する必要があった。この仕様を改めることで車両後方だけで電力のやりとりが可能になり、前方まで伸びていたケーブルを省略。このわずかな軽量化も燃費向上に向けた地道な改良の1つとなっている 応急用タイヤが標準仕様で、パンク修理キットを全車にオプション設定する