ニュース

富士急行、20年ぶりの新造クルーズ船「イルドバカンス プレミア」を公開

3月19日から熱海~初島航路に就航開始

新造クルーズ船「イルドバカンス プレミア」を公開
2013年3月19日就航

 富士急行は3月18日、新造クルーズ船「イルドバカンス プレミア」を公開した。同社としては20年振りの新造船で、3月19日から熱海~初島航路に就航する。往復利用料金は3月31日までは2340円。4月1日以降は2400円となる。

 イルドバカンス プレミアは、全長43.0m、幅8.6m、総トン数271tのクルーズ船。エンジンには三菱重工製の堅型水冷4サイクルディーゼル機関「S12R-T2MTK」を搭載し、最大速力は16ノット(約30km/h)。定員は605名。運航は熱海~初島間に設定された1日往復9便のうち、既存の「イルドバカンス3世号」が4便、「イルドバカンス プレミア」が5便を担当。片道約25分で運航する。

富士急行で20年ぶりの新造船となる「イルドバカンス プレミア」
頂部甲板からの眺め。天気が良好なら気持ちのよい眺めが楽しめるだろう
晴れていればこの方向に富士山が見えるという
熱海からの目的地となる初島。残念ながら取材当日は強風のため、実際に接岸することはできなかった

 外観は白を基調としており、船内は落ち着いた木目調で統一。バリアフリー設計にもなっており、車いすでそのまま乗り入れ可能なリフトやエレベーター、バリアフリートイレ、車いす用乗船スペースなどが用意されている。

 船内は上から順に頂部甲板、船橋甲板、上甲板、上甲板下の4層構造。頂部甲板は船の屋上部で、天気がよければ開放感のある船旅が楽しめる。船橋甲板は乗客が最初に乗り込む甲板。カウンターテーブルなどが設置され、パーティなども可能な広めのスペースが確保されている。

 上甲板はメインとなる客室で、海側の窓に向いて配置されているペアシートやボックス席、バリアフリー席、車いすスペースなどが用意されている。上甲板下も客室になっているが、こちらには窓などがなく、大型のシートと絨毯が敷かれた客室となる。

 本船は定期便運航が終了する夕方以降は貸し切り運航にも対応。熱海では年間10回以上の海上花火大会が開催されていて、そうしたイベントなどでの需要にも期待しているという。

船内は木目調で統一。ここはパーティー利用なども可能な船橋甲板
上甲板への入り口
上甲板のペアシート。やや海向きに配置されている
家族向けのボックスシート
車いす用スペースも確保されている
バリアフリー席
バリアフリートイレも用意されている
上甲板下客室。絨毯が敷かれた広いスペースになっている
車いす用のリフトも装備している
エレベーターも用意されているので車いすのまま移動できる
操舵室の様子
1993年12月から利用されている「イルドバカンス3世号」。この船と新造船の2隻体制で定期便が運航される
熱海港近くの「熱海シーサイド スパ&リゾート」ホテルも公開された。熱海サンビーチが目の前にあるという立地で、全室から海を一望できる
海を眺望可能な露天風呂付きの「ロイヤルスイート」。最上階のスイートルームだが、価格は1泊朝食付きで1人9800円から(平日2名利用時)

(清宮信志)