インプレッション
「グローバル MX-5 カップ レースカー」(サーキット試乗)
2017年4月7日 19:26
GLOBAL MX-5 CUP JAPANがいよいよ開幕
今週末の4月9日からまったく新しいワンメイクレース「GLOBAL MX-5 CUP JAPAN」がスポーツランドSUGOで開幕する。このレースはすでにアメリカでシリーズが始まっているが、それがいよいよ日本にも上陸するというわけだ。レースカーはアメリカで一括生産が行なわれ、徹底したイコールコンディションが保たれた状態で輸入、販売が行なわれるという流れである。したがってクルマは左ハンドル。2.0リッターエンジン搭載車がベースとなる。
イコールコンディション化を徹底するために、クルマの最低重量はドライバー込み(装備品をすべて装着した状態)となり、体重が軽いドライバーのクルマにはバラストを積んで調整するという徹底ぶり。ちなみに最低重量は1095kgとなっている。これなら僕のようにメタボで悩んでいるドライバーであったとしても安心だ(笑)。また、クルマの改造に関しては一切許されず、タイヤもホイールも指定品。最低地上高に対しても指定されている。つまり、セッティングに関しては実質、多少の車高バランスとキャンバー値、ショックアブソーバーの減衰力、そしてスタビライザーと空気圧の調整くらいということになりそうだ。ドライバーのウデ次第でどうにでもなる、それがGLOBAL MX-5 CUP JAPANの興味深いポイントだ。
レース車両はロールケージが張り巡らされ、ルーフは保管用の簡易的なものが装着できるのみ。よってオープン状態でレースをすることになる。足まわりは伸縮2WAYで減衰力調整が可能な車高調整式サスペンションを採用。調整式のスタビライザーも合わせて装着されている。また、トランスミッションとデフのオイルクーラーをトランク下に備えるなど、耐久性に対しても重視した造りになっている。レースがスプリントというには長めの45分で争われること、そして駆動系に負担をかけそうなスリックタイヤを採用していることなどから、こうした造りになったのだろう。
45分ずっとバトルを楽しめる印象
コクピットはいかにもレースカーといった雰囲気が漂っており、データロガーを備えたメーターがステアリング奥に備わっている。走ればロードスターとは思えぬ豪快なエキゾーストノートを轟かせながら軽快に加速を重ねていく。2.0エンジンは6500rpm手前でレブリミットが作動するが、そこに至るまでのフラットなトルクは実に扱いやすい印象。クセもなく車両の挙動も操りやすい。
シャシーについてはウェットも想定したせいか、減衰力もスタビライザーもかなりソフトな状態だったため、動きが大きい印象が強かったが、ライントレース性はなかなか。スリックタイヤはそれほどグリップが高くなく、いつでも一定したグリップが得られるような印象を得たが、それも45分間を全開で走らせるための設定なのかもしれない。試乗した時は筑波サーキットを1分6秒台前半で淡々と周回することができたが、これなら45分ずっとバトルを楽しめるだろう。
レースは「グローバルクラス」と「エンブレムクラス」に分けられる。グローバルクラスは1名のドライバーでピットインをすることなく走り切ることが可能で、参加ドライバーもどこかで聞き覚えのあるプロドライバーが名を連ねている。シリーズ上位は世界戦にも出場チャンスがあるというから、今後も楽しみなクラスだ。エンブレムクラスは1回のピットインが義務付けられ、2名のドライバーで出場も可能となる。いずれにしても、両クラスともにスタートからゴールまで全力疾走が見込めるレースとなることは間違いない。開幕戦となるスポーツランドSUGOでは、一体どんなバトルシーンが繰り広げられるのか注目したい。
GLOBAL MX-5 CUP JAPAN 2017年スケジュール
レース | 開催日 | サーキット |
---|---|---|
第1戦 | 4月9日 | スポーツランドSUGO |
第2戦 | 5月7日 | 鈴鹿サーキット |
第3戦 | 6月18日 | ツインリンクもてぎ |
第4戦 | 7月2日 | 岡山国際サーキット |
第5戦 | 9月24日 | 富士スピードウェイ |