F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」

第5回:サウジアラビア-日本-メルボルンの旅

 サウジアラビア、いろいろありましたね……。

 まあ、平和というのは尊いものなんだなと感じる旅でもありました。

 奥の建物がフォトグラファーズルーム。このような建物が4棟あるんですけど、今年は来ているメディアの人数が少なくて広々と使えました。

 ランチとディナーを提供していただけます。ありがたいんです。

 でもね、どれも、毎日、似たお味なんです……。ありがたいんですけどね……。

 今シーズン初めてのPCR検査をサーキット内のテントで受けました。結果はメールで来ました。

 なぜ受けるかと言えば、日本に帰国するために必要だからです。

 ヨーロッパの方たちは、ワクチンを打っていれば必要なしなので、自国に帰るために必要なのは日本人くらいではないでしょうか?

 しっかりしていると言えばそうかもしれませんが、世界的な流れからいえば違う道を進んでいるとも言えそうです。ていうか、めんどくさい!

 レースの時に行った、1コーナー脇にあるゴールデンタワーという名前の45階からの眺め。

 窓がこれだけしか開かないので、この隙間から撮影します。

 日曜のレースが終わって深夜にホテルに帰ってバタンきゅうと寝て、起きたら朝ご飯の時間が終わっていて、在庫のどん兵衛をいただきました。

 最高でした! まさに鬼うまかった!

 レース後の月曜日、サウジアラビアのジェッダ空港から日本に帰ります。後ろのクルマに乗ってきました。Uberです。

 携帯のアプリを使って配車の手配をやるんですが、時と場所によって30分くらい来るのにかかる場合もあるし、運転も上手な人から危ない人もいるけれど、まあ、便利だし、タクシーのようにお金をぼられるという心配がないだけいい気もします。

 サウジの街中は、歩いている人がほとんどいません。土地はあるので、広い道路は整備されているのですが、歩道がほとんどないんですよ……。

 歩く人がいないから歩道がないのか、その逆なのか知りませんが、歩くのが危ないです……。ガードレールとかないですしね。

 それに、道端にゴミがいっぱいです。尾張さんとたくさん歩きましたけど、歩きにくい。

 帰国はカタール航空でドーハ経由。ジェッダ~ドーハは満席……。

 ドーハ~成田は、4席確保してフルフラットシートで楽チンでした!

 成田空港に到着。

 去年と違うのは帰国時にMy SOSというアプリで、PCR検査などの情報を入力して帰国時の手続きをスムーズに行なうということだったんですが、全く同じに感じました。

 サウジアラビアに行った人は、自主隔離が必要ということだったんですが、空港内での手続きはほぼ一緒でしたし、抗原検査の結果待ちで4時間かかってしまいました。

 その、係の人たちの人数も変わらなく感じたし、なんなんだろう? と疑問ばかり。

 もちろん、新型コロナウイルスの水際対策は必要ですし大事かもしれません。

 去年までの自主隔離2週間というのがなくなったというのは大きな規制緩和かもしれませんが、入国してからの公共交通機関を検査後の24時間は使っていいというのも、去年までのあの騒ぎは一体なんなんだろうと思いますし、その動きをOKにしてしまったのであれば、実質、ウイルスの拡散は運に任せてしまうということなので、あの煩雑な帰国時のたくさんの方々にかかる経費はどれほどのものになるのかを考えたくもなりますよね。

 ということで、僕は自宅に帰って自主隔離ということにしました。規制緩和で、隔離3日目にPCRなどの検査を受けて陰性ならば、隔離解除になります。

 ちょうど、桜が満開の時に帰国できて幸せでした! 日本は素晴らしい!

 夢にまで見た、カツ丼も食べられましたし。日本はおいしい!

 厚生労働省のWebサイト内に、自主隔離解除のための自費検査を提供している医療機関を紹介しているページがあって値段も出ています。

 2400円くらいから5万円くらいまであります。多くの病院やら、検査専門の業者がずらり。

 でも、その値段の差があまりにありすぎやしませんかと思うのです。カツ丼はカツ丼の値段があるじゃないですか! 儲かる時期に儲けるのは商売として正しいとは思うんですけどね。

 僕が行ったのは2500円という格安のところ。唾液で翌日の結果。でも、東京在住でしたら無料ですということになりました!

この結果を、My SOSの中のページで添付して送ると4時間くらいで隔離解除のお知らせがきました。

 自主隔離が終わると、今度はオーストラリアに行くためのPCR検査やDPDというアプリへの入力をしなければなりません。

 なぜか、何度やってもこのDPDが完了しなくて、結局このまま行くことになってしまったのですが、やっぱり不安ですよね。

 羽田空港のJALラウンジで朝ご飯。カレーにしなかったのが心残りではありました。

 シンガポール経由です。子供連れが多くてびっくりです。

 去年などは、全く見なかった光景です。シンガポールまでは、6~7割くらいの席は埋まってました。

 シンガポール空港内です。旅をしている人多数。

 もう、だいぶ元に戻りつつあることを感じます。

 ラウンジでスープヌードル。おいしかったです。

 メルボルン空港着です。無事に入国できてホッとしました。

 何年やっていても、各国に入国できた時はホッとします。

 朝日がまぶしい!

 空港から直接サーキットへ。この女性は、サーキットの中のこの場所に毎年います。毎朝元気に交通整理してくれています。なので、毎年あいさつをしています。

 今日は、「ウエルカムバック!」というあいさつをいただきました。

 今回のレンタカー。三菱・アウトランダー??

 日本で売っているのと同じか分かりませんが、SUVです。ゆらゆら走ります。

 やっぱり、僕は、このゆらゆらが好きではありません。以上です。

 ドライバーの写真がずらり。

 3年ぶりのオーストラリアGP。

 思い起こせば、3年前にここにきていて、新型コロナというウイルスが広がり始めていて、パドックで感染者が出て中止となったわけです。

 あのあたりから、世の中がおかしくなり始めたんですよね。

 パドックの入り口。ほとんどの人はマスクをしていません。

 そして、グランプリが開催されます。よかったね。

 ハースの小松さんと立ち話。「今年は、本当に楽しいです」といい笑顔です。

 でも、サウジアラビアのシューマッハ選手のマシンのモノコックはイタリアに送られて修復作業に入るそうです。その修理代の捻出でマシンのアップデートに使えなくなってしまうことが残念だし、スペアパーツの不足もあるし、影響は大きいですと話してくれました。

 でも、マグヌッセン選手の成長は著しくチームの雰囲気はいいし、そのチーム一丸となって戦えるということが楽しいと言ってました。

 また、スタッフ全員のミーティングで予選のQ3までの作戦を話している時の高揚感も楽しいと言ってました、昨年であればQ1だけでしたからね。

 今年の、ハースはいいですよ! 皆さん応援をお願いしますよ!

 気温があまり高くないけれど、過ごしやすいメルボルンです。改修されたコースも含めて、週末、どのようなレースになるのか楽しみです。

熱田 護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1985年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。1992年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行なう。 広告のほか、「デジタルカメラマガジン」などで作品を発表。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集「500GP」を、2022年にF1写真集「Champion」をインプレスから発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。