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【東京モーターフェス 2018】豊田章男×マツコ・デラックス スペシャルトークショーにソフトバンク 孫正義代表がゲスト出演

今欲しいクルマ。豊田会長は「ポルシェ」、孫会長は「バギー」

2018年10月6日~8日 開催

入場料:無料

自工会の豊田章男会長と自工会 アンバサダーのマツコ・デラックスさんによるトークショーに、スペシャルゲストとしてソフトバンクグループの孫正義代表が登場

 自工会(日本自動車工業会)は、東京 お台場の東京臨海副都心 特設第一会場&第二会場、センタープロムナード、メガウェブの4か所で、10月6日~8日に「東京モーターフェス 2018」を開催している。入場料は無料。

 このイベントの開幕を飾るオープニングアクトとして、ダイバーシティ東京プラザ フェスティバル広場 特設ステージで自工会の豊田章男会長と自工会 アンバサダーのマツコ・デラックスさんによる「豊田章男×マツコ・デラックス スペシャルトークショー」が行なわれた。この模様はYouTubeの自工会公式チャンネルでリアルタイム配信されたほか、現在もアーカイブを公開している。

豊田章男×マツコ・デラックス スペシャルトークショー(1時間48分35秒)

 このトークショーは自工会が若者に向けたPR活動として行なっている「大学キャンパス出張授業2018」の一環としても行なわれ、大学生を対象に参加の事前募集と登壇者2人に聞いてみたい質問が受け付けられ、この質問に答える形式で進行。お互いの第一印象やこれまでに乗って印象的だったクルマ、自動車にまつわる税金や維持費についてなどの質問が投げかけられた。

 これに対して、マツコ・デラックスさんはトヨタとのCM契約を結ぶにあたり、当時納車直前だった他社のクルマ(レンジローバー)をキャンセルして、レクサスの「LX570」を購入。マツコ・デラックスさんが初めてレクサスディーラーに足を運んだ日に、偶然豊田会長と顔を合わせることになったと語った。

 また、印象に残っているクルマでは、マツコ・デラックスさんはトヨタ自動車の社長でもある豊田会長を前に大変申し訳ないとしつつ、日産自動車の「セフィーロ」と回答。このクルマは自身の父親が購入して3か月ほどといったタイミングで、運転中に大雨によるハイドロプレーン現象でスピン。車体が回転して中央分離帯に乗り上げ、けが人などはなかったものの、まだ新車だったセフィーロを廃車にしてしまったというエピソードを語った。

大きな歓声に迎えられる豊田章男会長(左)とマツコ・デラックスさん(右)
登壇者2人に対して事前に集められた質問が投げかけられ、これに答えていく形でトークショーが進んでいく
自動車関連諸税に関する自工会としての見解を語る豊田会長。消費税の導入や税率アップなどで国内の新車販売台数が地盤沈下した経緯を説明し、「こういった変化で一番苦しむのは中小零細。(自分たちの活動は)ユーザーとそういったところを代表としてやっているの。ただ、維持費が安くなればクルマが売れるかと言ったらそうじゃなくて、われわれが魅力的なクルマを作っていくのが使命ですし、道路を使いやすくしていくといったことを国に維持・発展させていただきたいと思います」とコメント
初日となった10月6日の東京都内は最高気温が29℃に達し、強い日差しが照りつけるステージ上で「暑すぎて話をする気がしない」弱音を吐くマツコ・デラックスさん。一方で会場の来場者にも気を配り、水分補給などを呼びかけた

 その後、クルマの新しい潮流として注目を集めている「CASE(Connected、Autonomous、Shared、Electric)」についての質問が出たところで、豊田会長が「この質問についてはね、今日は隠し球を持っているんですよ」と語り、10月4日にトヨタと提携して共同出資会社「MONET Technologies(モネ テクノロジーズ)株式会社」を設立すると発表したソフトバンクグループの孫正義代表をスペシャルゲストとして紹介した。

「CASE」についての質問で、リアルワールドで自動車生産を行なっている自工会だけでなく、IT業界のスペシャリストの解説も必要とする豊田会長
ソフトバンクグループの孫正義代表がスペシャルゲストとして登場。思わぬ大物ゲストの参加に会場が湧き上がった

「絶望の裏側に夢がある」と孫代表

ソフトバンクグループ 孫正義代表

 孫代表を交えたトークでは、10月4日に発表された提携の経緯や真意について語られたほか、日本企業として時価総額でトップ2となるトヨタとソフトバンクを率いている豊田会長と孫代表の人生観などが語られた。

 この中で孫代表は、夢についての質問で、持論である「夢は個人の願望を叶えるもの。志は100万人、1000万人の願望を叶えるもの」との言葉について触れ「1回生まれたからには、自分のちっぽけな夢だけじゃなく、できるなら多くの人の夢を叶えてあげたいという、これが志ですね」と語った。また、孫代表とマツコ・デラックスさんはそれぞれにかつて経験した苦難について紹介し、大きな困難によって自身が変化したことを解説。これについて孫代表は「絶望の裏側に夢がある」と表現した。

 また、「これからドライブに出かけるとしたら、どんなクルマでどこに行きたいですか」という質問に対して、孫代表は「最近は自分で運転していないから……。(誰かに運転してもらうなら)やっぱりビーチの砂浜をびゃーっと走れるようなクルマ」と回答。豊田会長が「それならバギーだね。ドアも付いてない、フロントガラスもついてない。水しぶきがバッと来るようなね」と語り、孫代表は「それに乗りたいですよ、バギー。気持ちいいじゃないですか」とコメントし、実際にビーチリゾートを楽しみに行くこともあるとした。

 さらに豊田会長は、マツコ・デラックスさんから一番欲しいクルマについて問われ、悩んだ後に「ポルシェだね」と回答。その理由については「私は運転評価をするためにトレーニングをしました。それで年間200台を超えるクルマを運転して、その中にはスーパーカーやいろいろなクルマがあって、今から20年ぐらい前にポルシェを運転しました。そのときに(上手く)運転できなかったんです。その時に、私の師匠の成瀬さん(マスターテストドライバーの故成瀬弘氏)から『お前、ポルシェに馬鹿にされてるんだぞ』という風に言われたんです。それは、運転の仕方も知らないのに、そんなクルマを急に乗りこなそうというのがおかしいんだということです。それで、いろいろと練習したらと言われました。それ以降、私の役割はいろいろとメーカーのブランドごとに味がありますが、トヨタとレクサスの味を決める、そこ(客席)にスバルの会長(吉永泰之氏)も、マツダの社長(丸本明氏)もいますけど、その味を決めるのが(私の役割)ということです」と語っている。

今欲しいクルマとして、孫代表は「バギー」、豊田会長は「ポルシェ」と回答。さらにマツコ・デラックスさんは「トヨタと契約して乗れなくなったレンジローバーが欲しい」とした
自動車メーカーの社長の役割として「ブランドごとの味を決めること」があると語る豊田会長。この話題の中で、客席でスバルの吉永泰之会長、マツダの丸本明社長も傍聴していることを紹介した

 トークショーの詳細は前出のアーカイブ動画をご確認いただきたいが、東京モーターフェス 2018ではこのほかにも、ステージプロデューサーを務めるピストン西沢氏が会場に用意されたクルマの一部を実際に走らせたりしながら解説する「動くクルマ図鑑ステージ」、「バブリーダンス」によって人気を集め、全国高等学校ダンス部選手権で2連覇を果たした大阪府登美丘高等学校のダンス部OGと、ドリフトユニットの「チームオレンジ」が共演するクルマとダンス部のフォーメーションダンス「モーターダンシング feat.登美丘高校ダンス部OG」、DREAMS COME TRUEの中村正人さん、EXILEのMAKIDAIさんをゲストに招き、音楽やファッション、クルマを題材に文化や遊びについて語り合うトークステージ「平成KINGS」などのステージイベントを用意。また、10月7日には、三重県鈴鹿市で開催されている「F1 Honda日本グランプリレース」のパブリックビューイングも実施される。詳細は東京モーターフェス 2018のWebサイト内にある「ステージスケジュール」を参照していただきたい。