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トヨタ、後付けできる「踏み間違い加速抑制システム」の対象を12車種(約458万台)に拡大

ブレーキと間違えてアクセルを踏み込んだ際の加速を抑制など

2019年5月29日 発表

トヨタとデンソーが共同開発した「踏み間違い加速抑制システム」(写真は:人とくるまのテクノロジー展2019 横浜のデンソーブースに展示されたデモ機)

 トヨタ自動車は5月29日、現在乗っているクルマに後付け可能な販売店装着の純正用品「踏み間違い加速抑制システム」の対象車種について、2019年内に順次12車種(約458万台)まで拡大予定であると発表した。踏み間違い加速抑制システムの価格は5万5080円(取付費など諸費用は含まない)。

 踏み間違い加速抑制システムは、車両前後に取り付けた超音波センサーにより、前方または後方約3m以内にある壁などの障害物を検知して、ブザー音で注意喚起。それでもブレーキと間違えてアクセルを強く踏み込んでしまった際には、加速を抑制し、衝突被害の軽減に貢献。後退時は、障害物を検知していない状態でも、約5km/h以上でアクセルを踏んだ場合、速度が出過ぎないよう加速を抑制するという機能を持つ。

 これまで、既販5車種「プリウス」「アクア」「プリウスα」「プレミオ」「アリオン」を対象としていたが、今後6月3日には「ポルテ」「スペイド」「ウィッシュ」の3車種に設定を拡大。さらに、10月には「カローラアクシオ」「カローラフィールダー」「パッソ」、12月には「ヴィッツ」にも設定を拡大予定。

超音波センサー(前)
超音波センサー(後)
表示機
(機能1)車両前後に取り付けた超音波センサーにより、前方または後方約3m以内にある壁などの障害物を検知し、ブザー音で注意喚起。それでもブレーキと間違えてアクセルを強く踏み込んでしまった際には、加速を抑制し、衝突被害の軽減に貢献
(機能2)後退時は、障害物を検知していない状態でも、約5km/h以上でアクセルを踏んだ場合、速度が出過ぎないよう加速を抑制

2018年12年5日発売

・プリウス(2009年5月 フルモデルチェンジ~2015年12月 フルモデルチェンジ前まで)約98万台
・アクア(2011年12月 新型~2018年4月 一部改良前まで):約122万台

2019年3月1日発売

・プリウスα(2011年5月 新型~):約44万台
・プレミオ(2007年6月 フルモデルチェンジ~2016年6月 マイナーチェンジ前まで):約9万台
・アリオン(2007年6月 フルモデルチェンジ~2016年6月 マイナーチェンジ前まで):約8万台

2019年6月3日発売

・ポルテ(2012年7月 フルモデルチェンジ~):約12万台
・スペイド(2012年7月 新型~):約16万台
・ウィッシュ:(2009年4月 フルモデルチェンジ~):約20万台

2019年10月発売(予定)

・カローラアクシオ(2012年5月 フルモデルチェンジ~2017年10月 マイナーチェンジ前まで):約14万台
・カローラフィールダー(2012年5月 フルモデルチェンジ~2017年10月 マイナーチェンジ前まで):約28万台
・パッソ(2010年2月 フルモデルチェンジ~2016年4月 フルモデルチェンジ前まで):約29万台

2019年12月発売(予定)

・ヴィッツ(2010年12月 フルモデルチェンジ~2018年5月 一部改良前まで):約58万台

踏み間違い加速抑制システム

 同社では「交通事故死傷者ゼロ」に向けて、新型車には歩行者事故や追突事故などの被害軽減に効果が見込める「Toyota Safety Sense(TSS)」と、駐車場などの低速時での衝突被害軽減に効果が見込める「インテリジェントクリアランスソナー(ICS:パーキングサポートブレーキ<静止物>)」などを設定展開している。

 一方、現在保有されているクルマには「後付けの踏み間違い加速抑制システム」の展開を順次進めている。

 駐車場などでのブレーキとアクセルのペダル踏み間違い事故は、75歳以上の高齢ドライバーが高い傾向にあり、その対策として、ICSの展開に加えて「後付けの踏み間違い加速抑制システム」の対象車種の拡大を順次進めてきた。

 同システムはブレーキ制御を行なわないなど、ICSの機能とは同等ではないが、ブレーキと間違えてアクセルを強く踏み込んでしまった際に加速を抑えるなど、衝突被害軽減に貢献すると同社は考えている。