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小池百合子都知事がスバル「レヴォーグ」の衝突被害軽減ブレーキや後付けのペダル踏み間違い防止装置を体験
今回試乗した装置は交通事故防止に「非常に効果があると思う」
2019年6月11日 00:00
- 2019年6月10日 実施
東京都知事の小池百合子氏が、後付けのペダル踏み間違い時加速抑制装置「ペダルの見張り番」の装着車両と、スバルの運転支援システム「EyeSight」の機能の1つとなる衝突被害軽減ブレーキなどを体験する試乗をA PIT AUTOBACS SHINONOME(東京都江東区東雲)で実施した。
ペダルの見張り番はオートバックスセブンで販売している後付けのペダル踏み間違い時加速抑制装置。アクセル感度を3段階で調整できる標準タイプの価格は取付工賃込みで3万円(税別)。アクセル感度を5段階で調整でき、一時的に機能をOFFにできるスイッチが追加される高機能タイプとなる「ペダルの見張り番II」の価格は取り付け工賃込みで4万円(税別)。どちらも別途車種ごとにアクセルハーネスとブレーキハーネスが必要となる。
この装置は、車両側の車速・ブレーキ信号を検知して、アクセル開度を電気的に制御することで、ブレーキペダルを踏もうとして誤ってアクセルペダルを強く踏み込んでしまった場合の誤発進を抑制。例えば、コインパーキングなどで料金を支払う際に、車両の窓から身を乗り出してブレーキから足が離れて車両が動き、慌ててブレーキを踏もうとして誤ってアクセルを踏んでしまい、急発進してしまうことを未然に防ぐことができるという。また、アクセルペダルとブレーキペダルが同時に踏まれた場合はブレーキ動作が優先される機能も付いている。装置の装着率は、2018年5月と比べて2019年5月は26倍になったという。
また、EyeSightの機能の1つとなる衝突回避をサポートする「プリクラッシュブレーキ」や、バック時に障害物を検知すると警報音と警告表示、ブレーキ制御で衝突回避をサポートする「後退時ブレーキアシスト」、停車時にブレーキと間違えてアクセルを強く踏み込んでしまった場合に障害物を検知すると、エンジンの回転数上昇を抑えて急な飛び出しを防ぐ「AT誤発進抑制制御」といった機能も体験。
EyeSightは人間の目と同じように、2つのステレオカメラで車外の物や遠近感を認識しながら制御を行ない、クルマだけでなく2輪車や歩行者も検知可能。カメラで得た情報をアクセル・ブレーキ・トランスミッションに伝えて制御を行ない、さまざまな運転支援を実現している。
スバルは2030年までに死亡事故ゼロを目指すという目標でクルマ作りを行ない、30年以上かけてシステムを開発。その結果、EyeSight搭載車では追突事故は従来から84%、歩行者事故は49%それぞれ減少しているという(スバル調べ)。
今回はこのペダルの見張り番を装着した日産自動車「セレナ」と、EyeSight搭載車であるレヴォーグに小池都知事が試乗。試乗後、小池都知事は「(後付けのものは)説明がテロップで出たらいいなと思いました。後付け装置では、急に踏み込んでもトロトロとしか行かずに、まさしく急発進しないということを体感しました。後付けですし約4万円ということで、装着される方も多くなるかなと思いました」。
「スバルの方は、しっかり2つの視点で確認をして、自動的に止まるという優れものでした。(制御は)急なブレーキになりますけれども、しかしそれで加害者にならないで済む、被害を出さないで済むということになりますと、こういった機能というのは大変意味があると思いました。いろいろお話を聞いておりますと、最近の痛ましい事故の話題が多いですから、非常に多くの問い合わせなどがあるということでした」と感想を述べた。
続けて「東京都として相次ぐ高齢運転者による交通事故を防いでいく上で、今回のこの2つの装置は実際にどれぐらいの効果がありそうか」という問いに対しては「物理的にも効果があると思います」とコメント。
加えて「これだけ皆さんの不安が高まっていて、どうすればいいだろうと懸念をしている方々が多い中において、都として具体的な策を早急に出していく価値はあると思っております。また、これまでもずっと行なっております自主返納のインセンティブは、十分にどういうものがあるのかお知らせできていなかったと思います。もう少し皆さんにお伝えをすることによって、自主返納しようかというお気持ちになっていただき、いろいろとご家族でしっかりとお話をされて、自分も守るし、何よりも他人の方々に危害を与えないという意味で、皆さんでしっかりと判断していただければと思います」と話した。
また、今回試乗をした2つの機能をメーカーで標準装着にするという考え方もあると話し、「メーカーの皆さんは基本的に交通事故をゼロにするということは各社さまでおっしゃっておられます。この機運に乗せて、対策を元々組み込まれるようなシステムに進めていけるように、業界の方々にもお願いをするということだと思います」と今後に対しての期待を述べた。