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フォルクスワーゲン、新型電動コンパクトSUV「ID.4」プロトタイプを初公開

最大航続距離は500Km

2020年3月3日(現地時間)発表

オンラインストリーミングで世界初披露された「ID.4」

 フォルクスワーゲンは3月3日(現地時間)、オンラインストリーミングでフォルクスワーゲン初の本格的な電動コンパクトSUV「ID.4」のプロトタイプを初公開した。2020年内の発売を予定している。

 これまでコンセプトカーとして発表されていた「ID.CROZZ」が、今回の発表で正式にグローバルモデルとなる「ID.4」と命名され、2019年9月に発表された「ID.3」に続き、新型アーキテクチャ「MEB(モジュラー エレクトリック ツールキット)」をベースにする2台目のクルマとなる。

 フォルクスワーゲンブランドのCOO(最高執行責任者)であるラルフ・ブランドシュテッター氏は「ID.4はID.3と同様にカーボンニュートラルなクルマとして市場に送り出します。また、生産、販売はヨーロッパ、中国、米国にて行ないます」と述べている。すでに発売へのカウントダウンは始まっていて、2020年内の発売を予定しているという。

ID.4リアビュー

 ID.4は、高電圧バッテリーをボディ下部の中心近くに搭載することにより、低重心化とバランスの取れた軸荷重配分を実現し、ドライビングダイナミクスが最適化される。また、コンパクトな電気駆動テクノロジーを採用したことで、短いフロントオーバーハングと長いホイールベースにより、広々とした室内スペースを確保。コックピットはフルデジタル化され、ドライバーに分かりやすい配置はもちろん、操作は主にタッチスクリーンと、音声による直感的コントロールとなる。

 ブランドシュテッター氏はさらに「このID.4のデザインは卓越したエアロダイナミクスにより、空気抗力係数が低減され、最大航続距離は500kmにも達しています」とコメント。バッテリーの充電は、標準でAC(交流)、DC(直流)、三相交流で行なうことができ、まずは後輪駆動モデルが発売され、追ってパワフルな電動4輪駆動バージョンも追加するという。

ID.4イメージイラスト

 フォルクスワーゲンにとって「ID.4」と「ID.3」は、パリ協定に基づく2050年までに完全にカーボンニュートラルな企業になるという、ブランドの取り組みにおける重要な通過点。すでにフォルクスワーゲンでは工場のCO2排出量を、2025年までに約3分の1に削減する計画が実行されていて、順次モデルラインアップを電動化するために10億ユーロを投資。ハイブリッドモデルの数も増やしている。