イベントレポート

【フランクフルトショー 2019】フォルクスワーゲン、新型EV「ID.3」公開。新しいID.モデルは2020年春にお披露目

新しいロゴは「われわれの血と汗と涙の結晶」

2019年9月10日(現地時間) 開催

新型EV「ID.3」をショー初公開

 独フォルクスワーゲンは9月10日(現地時間)、ドイツで開幕した「フランクフルトモーターショー 2019(IAA2019)」においてEV(電気自動車)専用の新型アーキテクチャ「MEB(モジュラー エレクトリック ツールキット)」をベースにした次世代EV「ID.3(アイディ.3)」のプレスカンファレンスを開催した。

ID.シリーズ一色のフォルクスワーゲンブース

 既報のとおり、ID.3は45kWh/58kWh/77kWhの3種類のバッテリーを搭載するバッテリー式EVで、最高出力150kW、最大トルク310Nmを発生するモーターを搭載。ID.3のボディサイズは4261×1809×1552mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2765mmで、日本で販売する現行EV「e-ゴルフ」と比べて4mm短く、9mm広く、72mm高いスペック。ホイールベースはID.3の方が130mm長い。

 量産モデルのベース価格は3万ユーロ未満で、予想される政府補助金(大衆向け電気自動車)を控除した車両価格は一般的な小型車の価格と同等レベルになるとアナウンスされている。

ID.3のボディサイズは4261×1809×1552mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2765mm
ID.3の登場シーン(1分53秒)
ID.シリーズは豊富なバリエーションを展開することが予告されている。いずれも新型アーキテクチャ「MEB」をベースにする

 カンファレンスにおいて、ID.3はパサートのような上質なインテリア、GTIのような力強さを備え、それでいてエミッションやノイズがないという特徴が紹介されるとともに、価格が3万ユーロ未満であること、航続距離が最大で550kmあること、58kWh仕様では30分間で約290km(WLTPモード)を走行できることをアピール。

 また、大人がくつろげる後席スペースを備えることに加え、「コクピットまわりは非常にシンプルで必要なものだけを揃えました。大きなタッチディスプレイ、ボイスコントロール機能など、説明書を読まなくても直感的に使うことができます」と解説された。

 なお、ID.シリーズは今回のID.3のほか、コンパクトカー、SUV、Bセグメントセダン、ミニバンタイプをラインアップすることが予告されており、今回のフランクフルトショーでは新しいID.シリーズのモデルが2020年春にお披露目されると発表。

特別限定モデルとして登場する「ID.3 1ST」は事前に3万3000台の予約があったという

 一方、ブランドデザインおよびロゴを刷新したことについては、「新しいアイデンティティをわれわれ自身が生み出しました。これは広告代理店に作ってもらったものではなく、われわれの情熱を注いで作り上げたもので、血と汗と涙の結晶なのです」と紹介されている。

ショールームやID.3など新モデルに今後新しいロゴが与えられる

編集部:小林 隆