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トヨタ、スープラ RZ「マットストームグレーメタリック」限定27台の購入者決定

抽選会中継で、スープラにゆかりのあるレーシングドライバーがトークを展開

2020年5月31日 開催

限定27台の台数限定販売モデル、スープラ RZ「マットストームグレーメタリック」

 トヨタ自動車は5月31日、台数限定販売となるスープラ RZ「マットストームグレーメタリック」の抽選会を開催、限定27台の購入者を決定した。

 10月ごろ発売する「スープラ」の一部改良モデルに設定された「マットストームグレーメタリック」はマットカラーの塗装色で、4月28日から約1か月、Web限定で商談申し込みを受け付けていた。

事前の告知キャンペーン参加者の中で、抽選で27名にプレゼントされる抽選会出演ドライバー全員のサイン入りGR Supraポスター

 販売台数の27台は、SUPER GT/JGTCでスープラが記録した通算27勝を記念したもので、5月31日14時から開催されたTOYOTA GAZOO Racing公式YouTubeチャンネルでの抽選会には、スープラにゆかりのあるレーシングドライバーが登場。登壇したドライバーが抽選ボックスの中から、購入希望者が書かれた紙を引いて購入者が決定された。

GR Supraスペシャルトークライブ&マットストームグレーメタリック抽選会

第1部スープラ伝説の原点~GTドライバーが語る最強DNAの秘密

第1部「スープラ伝説の原点~GTドライバーが語る最強DNAの秘密」のゲストとして登場した、関谷正徳氏(左)、竹内浩典氏(リモート参加)、黒澤琢弥氏(右)

 同抽選会では3部構成によるトークショーが展開され、第1部「スープラ伝説の原点~GTドライバーが語る最強DNAの秘密」では、ゲストとして関谷正徳氏、黒澤琢弥氏、竹内浩典氏が登場。レース車両と市販車の関係性が近かったJGTC(全日本GT選手権)時代のスープラについてのトークが展開された。

 新型スープラの印象については、関谷氏は「(2ペダル化によって)ものすごく乗りやすくて、ドライバーに楽をさせてくれる。ただ、ブレーキとハンドルとステアリングの操作の難しさは今も昔も同じ。どんなクルマにも限界は存在して限界まで攻めるには技がいる。正しい乗り方を身に着けてからスープラに乗ると超楽しい」。

 竹内氏は「2日前に富士スピードウェイで乗らしてもらったんですけど、正直フロントヘビーでアンダーステアがでるんだろうなと思ったら結構よかった。ステアリングレスポンスもいいし、フロントが抜けることもなく、どっかのGT-Rより全然よかった(笑)。こういうクルマで走らないと上手くならないよ。操れれば操るほど性能を引き出せる」。

 黒澤氏は「3リッターのターボをちょっと借りたんですけど、ひと言でいうと楽しいね。トルクフルだし、レスポンスもいいし、パワーに谷間がないし、外で見てるほど室内もそんなにタイトじゃないし、まずスープラの名前が帰ってきたことがうれしい」などと、それぞれ感想を話していた。

第2部スープラ伝説をつくったライバルたち

第2部「スープラ伝説をつくったライバルたち」に登場したゲスト。左から、MCの今井優杏さん、高木虎之介氏、立川祐路氏、飯田章氏、脇阪寿一氏

 第2部「スープラ伝説をつくったライバルたち」では、ゲストとして飯田章氏、脇阪寿一氏、高木虎之介氏、立川祐路氏が登場。2005年のSUPER GTに参戦した、ESSO TOYOTA Team LeMans 6号車「エッソウルトラフロースープラ」の脇阪/飯田組、TOYOTA TEAM CERUMO 38号車「ZENT セルモ スープラ」の立川/高木組、かつてのチームメイトとライバルが再開した。

 トークでは、現在よりもクルマの開発競争が激しかった当時のレース業界について話が展開され、スープラでのレース参戦が最後となった2005年に向けてマシンが完成していく様子などが語られた。また、トークの途中から、第1部に登場した竹内氏も参加して、他社メーカーとの戦いよりも同一メーカー内での順位争いに熾烈な競争があった内幕なども語られた。

立川氏のチームメイトであった竹内氏もリモート参加

 当時、レースマシンの開発ドライバーを努めていた脇坂氏は「走りだけでなく、走る環境をどうつくるかっていうところにも気持ちを持っていかないと。どれだけチーム立川、チーム寿一に人を集められるかということも大切で、やっぱり速いっていうのも大切ですけれども、人としてもどれだけ魅力を持って“こいつを勝たせたい”と思ってる人間が5人なのか、100人なのかといったら、それは勝負にならへんわけで、レースのフィールドとは違うところでバチバチにお互いをリスペクトしながら高め合っていた時代なのかなっていうイメージ」と当時を振り返った。

 2020年シーズンのSUPER GTは、高木虎之介氏もTGR TEAM WAKO'S ROOKIEの監督として復帰する。トークはSUPER GTに参戦するスープラの話になり、開発ドライバーとしてマシンを仕上げてきた立川氏は「去年の夏ぐらいにシェイクダウンしたんですけど、すごくいいんです。過去ずっと開発ドライバーとしてGTのクルマを開発しているんですけど、その中でも1番でシェイクダウンから順調でポテンシャルが高い。けっこう、今年はいけるんじゃないかなって思ってるところなんですけど、ほんとだったら今ごろ勝った状態でここに来れたかなっていう思いがありますが、(まだレースが開催されず)ちょっと残念ですが我慢のときです」との思いを話した。

第3部スープラカスタマイズ談義

第3部「スープラカスタマイズ談義」。左から、MCの今井優杏さん、MCの脇阪寿一氏、織戸学氏、飯田章氏、片岡龍也氏

 第3部「スープラカスタマイズ談義」では、ゲストとして織戸学氏、飯田章氏、片岡龍也氏が登場。それぞれ、クルマをカスタマイズする魅力を紹介するトークが展開される一方で、90型スープラについてはその完成度の高さから、下手に手を入れるとバランスを崩してしまうカスタマイズの難しさなどが語られた。

 90型スープラのカスタマイズについて、織戸氏は「90型はみんなノーマルで乗ってるイメージがありますが、この前ミーティングみたいなのをやったんですが、みんなエキゾーストとか、サスペンションとか、タイヤホイールもちろんだし、ブレーキもそうだし、結構いろんなところいじってるんです」と明かした。

 それを聞いて、片岡氏は「自分だったら本当にマフラーを変えて音をよくしてエアロを組むぐらいでライトに乗りたいなっていう印象。ベースがしっかりしてるからドライビング自体もノーマルの状態でも楽しめるけど、人とまったく一緒は嫌だなってところがあるんで、1ポイント、2ポイント、いじりたいなあという印象」と話した。

 また、飯田氏は「ノーマルを壊さないで乗らないと本当にクルマのよさがなくなっちゃう。今までのスープラもそうだけどハンドルきってコーナリングに入ると外輪にしか荷重を感じなかったものが、90型になったら4輪のグリップ感っていうか、荷重を感じることができるにいいクルマなんですよ。そういう意味ではすごく難しいですね。あと、たくさん電子制御があるんでヘタにいじれないというのが僕らの悩みです」などと、カスタマイズに対するこだわりを話していた。