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プジョー、新型「208」新型EV「e-208」オンライン発表会レポート
ガソリン車は8月下旬~9月上旬。EVは10月頃デリバリー開始予定
2020年7月3日 00:00
- 2020年7月2日 発表
- 208:239万9000円~293万円
- e-208:389万9000円~423万円
プジョー(Groupe PSA Japan)は7月2日、Bセグメントコンパクトカーの新型「208」とEV(電気自動車)の新型「e-208」のオンライン発表会をプジョー中央ショールームで行なった。
Groupe PSA Japan代表取締役社長のアンジェロ・シモーネ氏は、新型コロナウイルス感染被害者へのお悔やみと医療従事者への感謝を述べたのち、このタイミングで発表をするかを悩みながらも、本当に画期的で、革新的な仕上がりで、これまでにないモビリティソリューションを提供できる。初めて搭載した最大の魅力である3D i-Cockpit、さらに欧州のカー・オブ・ザ・イヤーを獲得したこの新型208を早くお届けしたかったと、デビューについて熱く語った。
続いて、マーケティング部長のトマ・ビルコ氏が登場。「プジョーは210年の歴史を迎えた今でも日々進化している。また、デザインとテクノロジーを大切な軸として開発を行なっている。2018年に導入した3008、5008はSUVとして世界中でヒットした。デザインと安全性の装備、人間工学に基づいて開発したi-Cockpitはプジョーのアイコンとなり、今でも高い評価を受けている。そして、これまではアイコニックモデルが主流だったが、次のステップに入る。今回初めてBセグで、同じスタイリング、同じ乗り心地、同じスポーティでEVも選ぶことができる。これはプジョーの新たな挑戦となる『パワー・オブ・チョイス』という提案です。また、クリーンで環境に優しいだけでなくプジョーのブランドビジョンである“退屈な未来はいらない”の精神に基づいて開発してきた。プジョーは今後も、クルマへの情熱とトップレベルのデザインと技術を駆使し、環境を守りながらエキサイティングな商品を開発する」と述べた。
続いてプロダクトマネージャーの上村氏による詳細な説明が行なわれた。
208は日本でもっとも人気があり、8年ぶりのフルモデルチェンジ。また、ガソリン車とEVの同時投入は最大の挑戦となると村上氏。208のコンセプトのキーワードは“FUTURISTIC & YOUNG”で「これからの未来を見据えて、ブランドやモデルに若々しさをもう1度注入したい」という思いが込められているという。
EVの魅力とは?
EVの魅力は、まず環境に優しいこと。スムーズでパワフルなドライビングが楽しめること。エネルギーコストがリーズナブルなこと。この3つが大きな魅力となる。他にもノイズがしない、振動が小さい、嫌な臭いがしないなどもEV特有の魅力となる。
心臓部となる50kwのリチウムイオンバッテリーをボディの下側に配置。電動モーターは最高出力136PS(100kW)、最大トルク260Nm。最高速は150㎞/hを出せる。また、充電をスムーズにするオンボードチャージャーも搭載する。エアコンの効きをよくするためにハイパフォーマンスのヒートポンプを採用している。
さらにe-208の3つのドライビングモードを紹介。パフォーマンスとフィーリング重視の「Sport」、バランス重視の「Nomal」、航続距離重視の「Eco」が用意される。さらにブレーキモードも2つの選択が可能で、「ノーマルモード」は普通のオートマチックのガソリン車と同じレベル。「Bモード」は回生ブレーキが強く、より多くのエネルギーをバッテリーに再充電できる。
充電方法について
充電モードも3つの選択肢があり、ボディの横に給油口のような開口部があり、コンセント型の200Vの3kw相当だと、満タンになるまで約18時間。長く感じるが通勤レベルの40~50km分の充電であれば4~5時間で完了する。ウォールボックス型の場合は、200Vの6kw相当で約9時間。これなら寝ている時間で満タンにできる。急速充電はいわゆるCHAdeMO(チャデモ)と呼ばれる大型の充電器を使用。高速道路のサービスエリアや大型ショッピングモールに配備されているタイプで、約50分で80%充電できるので、ちょっと買い物している間に済ませることができるという。もちろんコンセントケーブルが付属しているので、自宅でも充電できる。
さらにまったく新たしい「eリモートコントロール」という機能が搭載されている。これはスマホのアプリを利用して、クルマに遠隔で指示を送れる機能。大きく2つの機能があり「リモートチャージング」は、充電の指示を出せるもので、例えば電気代の安い夜の22時から充電させたりできます。「プリコンディショニング」はエアコンを作動させる機能。例えば毎日8時に設定すれば、出勤の時に快適な状態のクルマに乗れるようになる。ちなみにこの機能は全車標準装備で無料で使える。また、家電のように保証も付いていて、リチウムイオンバッテリーは8年、16万kmが保証期間となっている。
ガソリン車の魅力は?
ガソリン車も販売にとっては重要なキーとなるモデル。エンジンは1.2リッターターボで、最高出力100PS、最大トルクは205Nmを発揮。このエンジンは過去に4年連続エンジン・オブ・ザ・イヤーを受賞した定評のあるエンジン。加えて8速ATというコンパクトカーとしてはハイスペックな組み合わせで、パワフル、スムーズ、さらにJC08モードで19.5km/Lという優れた燃費を実現する。
また、EVもガソリン車も共通となる「CMP」と呼ばれる最新のコンパクトカー用プラットフォームを採用し、30kgの軽量化、空力抵抗の改善と静粛性の改善にも貢献している。
デザインの特長は
コンセプトキーワード“FUTURISTIC & YOUNG”にもつながる「ワイド&ロー」にしたことで、スポーティで力強いデザインを採用。ライオンの3本爪をイメージしたヘッドライトなど、非常に強い存在感を放っている。低いボディラインがシャープさとスポーティさをアピール。要所にブラックを取り込むことで引き締まったシルエットを演出している。
インテアリはどのように仕上げている
世界で500万台以上に搭載し、実際に愛用されているi-Cockpitが最大のポイントで、「大型のドライバー側を向いたタッチスクリーン」「コンパクトでスポーティなステアリング」「ヘッドアップインストルメントパネル」と3つの特長を備えている。
今回はこの「ヘッドアップインストルメントパネル」にホログラムという表示方法を用いて3D表示にしたことで、立体的に情報を表示させることが可能となった。今のクルマはさまざまな安全機能がたくさん搭載されているので、重要な情報は前に表示して、素早くドライバーが確認できるようにしているという。
搭載される安全装置、運転支援装置は
安全装備・運転支援機能については、コンパクトカーとはいえ、最上級車「508」と同等の安全装置を搭載。
夜間、歩行者や自転車に対してブレーキを自動でかけてくれる「アクティブセーフティブレーキ」、渋滞時などにストップ&ゴーまで自動でやってくれる「アクティブクルーズコントロール」、レーンの一定の場所の左右をキープして走ることができる「レーンポジショニングアシスト」、斜め後方のクルマを素早くキャッチできる「アクティブブラインドスポットモニター」など、ミドルグレードであっても十分な装備を搭載している。
グレード構成は?
ガソリンモデルは、上から「GT Line」「Allure」「Style」の3グレードで、中心となるAllureでも、安全装置はしっかりと装備している。GT Lineは、ブラックパーツを採用し、大口径ホイール、フルLEDヘッドライトなどを装備し、ひと目見ただけでスポーティでダイナミックな走りができると分かる最上級グレードとなっている。
EVは「GT Line」と「Allure」の2グレードで、「パワー・オブ・チョイス」の戦略に基づいて、EVだからあれが付いている、ガソリンだからあれが付いてないとかはなく、基本的に同じ装備となる。ただし、EVは一部のデザインが専用となり、ボディカラー同色のグリルや、ひと目でEVと分かる「e」のエンブレムが付くなど違いがある。
EVとガソリンモデルの月々の所有コストを同程度にする施策を用意
車体価格だけを見るとEVのほうが100万円ほど高いが、ガソリン車にもEVにもそれぞれ優れた面があり、実際には、車輌価格、エネルギーコスト、保険代、メンテナンスコスト、税金、補助金、ローン金利など、コスト全体を計算する必要がある。そこで、どちらもそれほど変わらないことをユーザーに説明して対等に検討してもられえるようにする。これも「パワー・オブ・チョイス」戦略の1つであるという。
気になる発売は?
8月末から9月頭にかけて、ガソリン車の全国統一デビューフェアを実施。e-208は10月頃のデリバリ―を予定しているという。
また、より詳細な解説は関連記事「プジョー、新型「208」と新型EV「e-208」発売。ガソリンと電気、2つのパワートレインから選べるコンパクトカー」を参照していただきたい。