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クボタが北海道ボールパークFビレッジ内に開業した 農業学習施設「KUBOTA AGRI FRONT」を見てきた

2023年3月30日 開業

クボタが北海道ボールパークFビレッジ内に開業した農業学習施設「KUBOTA AGRI FRONT」、本格稼働の6月30日を目指して最終整備が進められている

 クボタは3月30日、北海道日本ハムファイターズの新拠点となるエスコンフィールド北海道などがある「北海道ボールパークFビレッジ」内に、新たな農業学習施設「KUBOTA AGRI FRONT(クボタ アグリ フロント)」を開業した。まずはカフェスペースからの営業で、施設の本格稼働となるグランドオープンは6月30日の予定。また、開業に合わせてメディア向け内覧会を行なったので、内部の様子を先行してお伝えしたい。

農業の未来を考えるための施設

 KUBOTA AGRI FRONTは、「食と農業の未来を志向する仲間づくりの場」がコンセプトの施設で、メインコンテンツとして「施設見学ツアー」と「農業経営ゲームAGRI QUEST」がセットになった、約80分のツアープログラムを用意するという。参加料金は300円/人。

 ツアープログラムの対象は小学生(高学年)~中学生で、1回40人ぐらいが想定。施設は横に長い建物となっていて、参加者はブロックごとにコンテンツを進めていく流れとなっている。

まずは地球環境や農業界の現状を説明して問題提起を実施
写真や人形、グラフを使った分かりやすいディスプレイになっている

 コンテンツは、正面と左右の壁面と床面に映像を映し出し、没入体験を楽しみながら農業に関係する課題などを学ぶ「シアター」、農業経営者の1人になって、チームで農業経営を取り組む経営シミュレーションゲームAGRI QUESTを楽しむ「フィールド」、最先端の作物栽培を体感する「テックラボ」、最後にツアーの振り返りや実食を行なう「テーブル」と順に進んでいく。

 中でも主軸となるのが経営シミュレーションゲーム「AGRI QUEST」で、8人×5テーブルに分かれ、大量生産できる野菜にするのか、少量生産だけど高価な野菜にするのかなど生産内容から、スーパー、レストラン、食品加工メーカー、ネット直販といった販売先や方法まで考えるという内容。もちろん、何が正解というものではなく、いろいろな方法があるというのを学んでもらうのが狙いという。

シアターでは天井にある大型プロジェクターが映像を投影する
映像投影のイメージ
経営シミュレーションゲーム「AGRI QUEST」で使うチームのテーブル。小型カメラが設置されているが、使い方はまだ秘密とのこと
スーパーの野菜コーナーやレストランを模したディスプレイで分かりやすくしている
生産方法では、AIを使った最新のスマート農業についても学べる
GPSを搭載したトラクタ。あらかじめ入力しておいたエリアを自動で耕してくれる
テックラボでは、農薬散布ロボットなどスマート農業の現場を観察できる。6月のグランドオープンに向けて種まきが行なわれていた
農薬散布のほかにもビニールハウス内の温度や湿度をAIに管理させるなどもスマート農業の一環
クボタも出資しているという「PLANTX」という企業の最新のコンテナ型植物工場。実際の地面を利用する畑とは異なり、同じ場所に重ねて畑を設けられるので、場所の有効活用になるほか、生産を綿密にコントロールすることも可能。都心で利用すれば物流の削減にも貢献するという。土地の使い方を含めた新しい農業スタイルを紹介している
ツアーの振り返りを行なうテーブルの利用イメージ。実際に施設で作っている野菜や果物を食べながらツアーを締めくくる

新球場エスコンフィールド北海道のリリーフカーも展示

 農業学習施設「KUBOTA AGRI FRONT」のある北海道ボールパークFビレッジ内の中心となっているのが、北海道日本ハムファイターズの新拠点となる野球場「エスコンフィールド北海道」だが、クボタは野球の試合中にピッチャーが交替する際に乗るリリーフカーとして2台の車両を提供していて、施設入口付近にはそのリリーフカーと同じ車両が展示されている。

 ベースはクボタがアメリカで生産している「ユーティリティビークル」で、アメリカから逆輸入して日本国内でも購入は可能。ただし、ナンバーを取得できないので、公道走行は不可。私有地に限定しての利用に限られる車両となっている。

実際にリリーフカーとして使われている車両は屋根が外されている
クボタがエスコンフィールド北海道に提供したのと同じユーティリティビークルを展示している。運転席や助手席に乗って撮影することも可能
アメリカで製造しているので左ハンドル仕様
オフロードタイヤを装着
シートはプラスチック製
広い球場でも読めるようにと、通常よりもロゴを大きくしてある
エスコンフィールド北海道に提供した2台のユーティリティビークル

北海道の食材を生かしたメニューが特徴のカフェを先行オープン

 6月のグランドオープンに先駆けて、この日に先行オープンしたクボタアグリフロントカフェでは、北海道産のお米や農作物、フルーツなどこだわりの食材をふんだんにつかったメニューが用意されている。営業時間は10時~17時(ラストオーダーは16時30分)。

クボタアグリフロントカフェ店内(イメージ)
スープセットなどを提供
ジェラートセットなどデザートも豊富
北海道ボールパークFビレッジMAP