1991年より続く(途中休止期間あり)オートキャンプイベント「スターキャンプ」。現在は朝霧高原にあるふもとっぱらキャンプ場にて毎年開催。ほかにも三菱自動車の販社による開催のスターキャンプが全国で行なわれている 9月6日~8日、静岡県富士宮市にあるキャンプ施設「ふもとっぱらキャンプ場」にて、三菱自動車工業主催のアウトドアイベント「スターキャンプ2024 in 朝霧高原」が開催された。
毎回、応募多数のため申し込んでも抽選で外れてしまうこともある人気イベントだが、2024年は状況を改善するため募集の規模を2023年比で2倍となる600組に設定。また、期間も金曜日、土曜日、日曜日の3日間に設定されていたので1泊2日ないし、2泊3日と参加パターンが選べるところも好評だったようだ。
スターキャンプ2024 in 朝霧高原は静岡県富士宮市にあるキャンプ施設「ふもとっぱらキャンプ場」を貸し切って開催 2024年の募集数は2023年の2倍となる600組。金曜日の午前でも多くの参加者が訪れていた。開催期間は天気もよく絶好のキャンプ日和になった フリーサイト内で準備を進める参加者たち。クルマを見ているとルーフラックの装着率が高かったのが印象的 パジェロでの参加。まだまだ日陰がほしい時期だけに木の下のスペースは一等地か 発売されたばかりの新型トライトンでの参加者も数組いた 小さいながら多くの荷物が詰めるデリカミニもキャンプ向きのクルマ。人気の高いタープスペース付きのDODヤドカリテントと2ショット 三菱自動車といえばPHEV(プラグインハイブリッド)。アウトランダーPHEVも多く見かけた車種 エクリプス クロス PHEV。都会の風景に似合うクルマだがアウトドアシーンで見ても絵になる 設営が終わった方は早くものんびりムード。着ているのは参加者に配られるスターキャンプ2024 in 朝霧高原のオリジナルTシャツ スターキャンプの歴史は長く、初回は2代目パジェロや初代RVRが発売された1991年に開催がスタート。その後、何度かの休止時期を挟みつつも継続して開催されてきたものである。スターキャンプでは自然の大切さを学びつつ、家族や仲間、それに三菱自動車との絆を深めることをテーマとしていて、さらに毎回、クルマを通じたライフスタイルの提案も行なう。2024年の新規の取り組みは3つあるので順に紹介していこう。
まずは「あおぞらリモートワーク」。こちらは忙しいお父さん向けの企画で、広大なふもとっぱらキャンプ場でもWi-Fi環境がいい場所にドーム型シェルターを展開し、その下にリラックスできるチェアやテーブルを配置。家族が遊んでいる間、きれいな景色と高原の風を感じながら仕事を進められるスペースを提供していた。
雲がかかっているが正面には富士山があり、山頂がチラッと見えている。そして高原の風もよく抜ける。このような環境の中でのリモートワークはとても気分がいいと思うが、景色や居心地がよすぎて仕事にならないかも!? コールマン製のドーム型シェルターに空気で膨らむソファやテーブルがセットされていた ふもとっぱらキャンプ場の中でもWi-Fiの条件がいい場所に展開。PHEV車からの給電も行なわれた つぎは三菱自動車のEV(電気自動車)、PHEVを集めた「電気キャンプエリア」。こちらはネーミングのとおり、アウトランダーPHEVやエクリプス クロス PHEVなどの電動車の給電機能を生かして家電製品を上手に使う新しいスタイルのキャンプを楽しむエリアとなっていた。
また、このエリアでは7月18日に設立発表が行なわれた三菱自動車と博報堂が出資する「株式会社NOYAMA」もブースを出展。三菱自動車のPHEVとアウトドア道具、それに電気調器具やファンやヒーターなどの季節家電がセットでレンタルできる「e-アウトドア」のPRを行なっていた。
なお、写真のアウトランダーPHEVを1泊2日でレンタルした場合の料金は3万4000円~。これに4名用のテント、チェア、テーブル、ランタン、コンロのセットは1万8500円で、同時にレンタルしても5万円ちょっとで収まる。ファミリー向けのアウトドアレジャープランとしては魅力あるものだと思う。ちなみに「e-アウトドア」はソロでの利用もできる。ソロ用キャンプギアは8000円なので、1人で行動するのが好きな方も覚えておきたいサービスだ。
電動車のための「電気キャンプエリア」。電動車を使うオートキャンプスタイルに興味を持つ人も多い。また、災害時の備えとしても注目を集めるジャンルである 三菱自動車と博報堂が合同で立ち上げた「NOYAMA」から、三菱自動車のPHEVとキャンプ用品がまとめてレンタルできる「e-アウトドア」を紹介するブースが出展されていた テントやシュラフ、テーブル、チェアなどのレンタルもできる。キャンプ道具は自前で揃えると保管場所を含めて苦労もあるので、こうしたサービスは便利だ AC100Vの電気製品に給電できるPHEVがあるので、暑い時期はサーキュレーター、寒い時期はヒーターや電気毛布なども使える 電気キャンプエリアにはアウトドア系企業から電気を使うアイテムの展示もあった。こちらは電動アシスト自転車の「メイト」を販売するメイトジャパン。PHEVから給電する電気を使うバーラウンジを用意 火を使わない電気タイプのサウナヒーターを使うサウナも用意されていた。メーカーはkokolo sauna。電気の供給はもちろん三菱自動車のPHEV。電池容量が減ってもエンジンがかかり発電することができるので、このような多くの電気を使う機器にも対応してしまう 同じ企業から。こちらはサウナ後の「整い」のための水風呂。電気で水を冷やしている。オゾン除菌とろ過機能も搭載 家庭用から施設用のプール施工を行なうデジョユプールのパイプレスフィルターを使ったプールも展示 こちらはアメリカ製のこだわりが深いナイフやドイツ製のコーヒーミル、包丁などを展示販売していたブース 3つ目はアウトドア派のユーザーから支持受けている、歴代デリカのみが入場できる「デリカキャンプエリア」である。1968年に初代が登場以来、オフロードも走れてボディサイズも手ごろなミニバンであるデリカは三菱自動車を代表するクルマとして常に人気車で、現行のデリカD:5は2007年に発売以来、改良を続けて現在も人気を保つ存在である。
Car Watchが取材に行ったのは初日の9月6日だったのでまだ到着していない参加者が多かったようだが、週末は抽選で選ばれた歴代デリカ(30組)で埋まるとのことだった。
「デリカキャンプエリア」の入口。デリカヴィレッジというゲートが建っていた デリカD:5のボディをキャンバスの絵を描くことができるコーナーもあった デリカで参加する方は多いので、「デリカキャンプエリア」以外のスペースにもたくさんのデリカが思い思いのスタイルで装備を展開していた 以上が今年の新しい取り組みだが、スターキャンプではほかにも多くのコンテンツが用意されていた。また、スターキャンプをはじめ、三菱自動車のSUVを紹介するイベントでの人気コンテンツである「4WD登坂キット体験」のコーナーもあり、こちらはなんと今回のスターキャンプで参加者数が累計20万人を越えるという記念すべき開催になった。
スターキャンプは朝霧高原での開催のほかにも三菱自動車販社が主催するものもあって、全国で開催されている。ちなみに2024年は8か所で開催され、あと2か所が今後の開催になるが、すでに募集期間は終了している。スターキャンプに参加したいと思う方は2025年の開催情報を三菱自動車の公式サイトなどで確認してほしい。
人気コンテンツ「4WD登坂キット体験」。今回のスターキャンプで参加者数が累計20万人になった デリカD:5での体験に加えてトライトンも参加。走行イベントとしてはほかにプロドライバーが運転するデリカD:5の助手席でオフロードコースを体験できるものや、林道に作った特設コースでデリカミニを試乗できる林道試乗会も用意された 三菱自動車のSUVの展示。アウトドアレジャー向けの純正用品を装着していた デリカミニには試作のマッドガードが付けられていた。手で持っているのが現在発売中のもの。試作品は全長が長くなっている 車内を外から見えなくするワンタッチサンシェード。フロントの3面用 エクリプスクロスPHEVはオガワ(キャンパルジャパン)とコラボしたカータープを装着。幅が250cmあるのでチェアやテーブルがスッポリ収まる デリカD:5にはトレーラーヒッチメンバーのオプションがある。最大牽引荷重は750kg。ラゲッジにあるのはテールゲートを開けた際、荷物が落下するのを防ぐカーゴフェンス オートキャンプの場合、テントとは別にくつろげるスペースをタープなどで作ることが多い。会場で見かけたスタイルを紹介。こちらはポップアップルーフ付きのデリカD:5にカーサイドタープ&リビングテントのフル装備 どちらも左右のスライドドアでクルマと繋がっている。ポップアップルーフ付きでこれはすごい ハッチバック車の場合はテールゲートを開いてカーサイドタープを装着することで、高さのあるスペースが作れる。エクリプス クロス PHEVはラゲッジに電源コンセントがあるので、このスタイルであればタープ内で電気製品が使える デリカミニにサイドシェルターの組み合わせだが、これだけ高さのあるシェルターは珍しい。天井が高いのでシェルター内は広く感じた 小さいお子さん連れファミリーの参加が多いので、家族や子どもが楽しめるアクティビティが多数用意されていた。こちらは制限時間内にどれだけのダンボールを積み込めるかにチャレンジするコーナー。家族で楽しめるものだ 富士山に向かって大声で叫ぶ「やまびこセルフィー」。マイクに向かって好きワードを叫ぶと一番音量が大きかったときの数値が表示され、さらにその瞬間にカメラで叫んでいるシーンを撮影。終了すると写真が機器からプリントされるというもの。こちらも家族での参加が多かった フランス発の自然共生型アウトドアパークであるモバイル・フォレストアドベンチャー e-アウトドアと同じNOYAMAが運営する「冒険の学校」。木の棒を削って箸を造る体験やアウトドアで役立つ火起こし体験などを行なっていた 紙飛行機作りや竹とんぼの体験、それにスケッチなどが楽しめるコーナーもあった 鋸を使っての丸太切り体験のコーナー。初めて鋸を使うという子どもも多かった フリスビーを投げて輪の中に通す。小さい子どもの場合、最初はうまくいかなくてもすぐにコツを覚えて上達するパターンが多いという デリカミニのCMで使われたデリ丸のオブジェの原物と記念撮影ができるコーナーもあった キャンプイベントだけに夕方から夜のプログラムも充実。ステージイベントも用意されていて、矢井田瞳さんのライブも行なわれた 自衛隊にも製品を納入するサイトロンジャパンによる望遠鏡作り&星空鑑賞会も開催 いろいろなコンテンツが用意されていたが、それらに頼らずとも自然の中で遊べるのがスターキャンプ2024 in 朝霧高原の本当の魅力。興味のある人は2025年の募集を待ちたい。三菱車以外のオーナーも応募OKだ