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フェラーリ、V8直噴ターボ搭載の“日常のフェラーリ”「カリフォルニア T」日本導入
価格は2450万円。従来モデルから70PS/25.5kgm向上しつつ、燃費は15%改善
(2014/4/18 00:00)
フェラーリ・ジャパンは4月17日、今年のジュネーブモーターショーでワールドプレミアされたオープントップモデル「カリフォルニア T」の日本導入を発表した。日本での販売価格は2450万円で、納期は今年後半を予定している。カリフォルニア Tの導入に伴い、従来モデル「カリフォルニア」の販売は終了する。
同日、都内で記者発表会を開催し、フェラーリ極東エリア統括 マネージング・ディレクターのジュゼッペ・カッターネオ氏が登壇し、カリフォルニア Tの概要を説明した。
カッターネオ氏によると、「カリフォルニアの購入者のうち70%がフェラーリを初めて手にしたオーナーで、カリフォルニアは新しいマーケットを開拓しているモデル」であり、他のフェラーリ車と比べ年間の走行距離が30%長く、毎日の使用頻度が50%多いことに加え、「フェラーリというのはとてもエゴイスティックな1人で乗るクルマと思われがちだが、カリフォルニアユーザーの65%が複数人数で旅行へ行くという使い方をしていることが分かった」。そのことからカリフォルニアは“日常のフェラーリ”であることを意味していると、同モデルのポジショニングについて説明。
カリフォルニア Tではこれらを踏まえ、従来からの特徴点であるリトラクタブル・ハードトップや、いざというときに使える後席を備えた「2+コンセプト」などといった使い勝手のよさを継承しながらブラッシュアップされたモデルになる。
カリフォルニア Tにおけるもっとも大きなトピックは、従来のV型8気筒4.3リッター自然吸気エンジンからV型8気筒3.9リッター直噴ターボエンジンに刷新したこと。従来の自然吸気エンジンのスペックは最高出力360kW(490PS)/7750rpm、最大トルク505Nm(51.5kgm)/5000rpmだったが、今回の直噴ターボエンジンは最高出力412kW(560PS)/7500rpm、最大トルク755Nm(77.0kgm)/4750rpmを発生し、70PS/25.5kgmもの高出力化に成功。これにより0-100km/h加速を従来から0.2秒短縮の3.6秒とした一方で、ダウンサイジング化により燃料消費量を15%削減できたという。トランスミッションは引き続き7速デュアルクラッチATを採用する。
また、フロント・ミッドにエンジンを搭載するのは従来通りだが、搭載位置を約4mm下げて旋回性能などを一層高めたことに加え、F1譲りのフラットプレーン・クランクシャフト、鋳造エキゾーストマニホールド、ターボハウジングに精密なデザインを施したことで「低音域から高音域まで素晴らしいサウンドを生み出すことができた。エンジニアたちは本当に努力してくれた」と、ターボ化しても変わらずフェラーリらしいエンジン音を実現できたことにカッターネオ氏は胸を張った。
足まわりでは、新スプリングとともに従来から採用する無段階に減衰力を調整可能な磁気感応流体ダンパー「マグネライド・ダンパー」に改良を加え、ロールとピッチを抑えたハンドリング性能と快適な乗り心地を実現したという。新素材のディスクとパッドを採用する「CCM3カーボンセラミック・ブレーキ」(フロント:390×34mm、リア:360×32mm)も装備した。
ピニンファリーナと共同でデザインしたスタイリングは、基本デザインはキープコンセプトながら1958年に登場した「250 テスタロッサ」のボンツーン・フェンダーを想起させるデザインを新たに取り入れた。さらに新デザインのフロントバンパーやエンジンフード、LEDヘッドランプなどを採用するとともに、マフラーのテールエンドが従来では縦に2本(片側)並べられていたところ、横に2本並べた4本出しに変更。リアディフューザーも刷新され、大型の垂直フィンが3つ並ぶ形状とした。
ボディーサイズは4570×1910×1322mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2670mmと大きな変更はない。ボディーカラーに関しては、クラシックフェラーリにインスピレーションを受けた深みのある赤色「ロッソ カリフォルニア」と、エレガントさを強調する「ブルー カリフォルニア」の2色を新たに設定している。
カッターネオ氏は「カリフォルニア Tは、ボディーサイズとリトラクタブル・ハードトップは維持したが、それ以外は改革をした。そういう意味で、カリフォルニア Tは革新と発展を融合したモデルである」とし、プレゼンテーションを締めくくった。
【お詫びと訂正】記事初出時、車両価格に誤りがありました。正しくは2450万円となります。お詫びして訂正します。