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フェラーリ、「カリフォルニア T」の後継モデル新型「ポルトフィーノ」公開。2530万円から

V8エンジン搭載のオープンGTは多用途性や快適性を追求

2018年2月19日 開催

2530万円~

新型コンバーチブルモデル「ポルトフィーノ」の発表会に出席したフェラーリ・ジャパン&コリア 代表取締役社長のリノ・デパオリ氏(右)、フェラーリ極東・中東エリア統括 CEOのディーター・クネヒテル氏(左)

 フェラーリ・ジャパンは2月19日、新型コンバーチブルモデル「Portofino(ポルトフィーノ)」の発表会を都内で開催した。同モデルの日本での販売価格は2530万円から。

 2017年のフランクフルトモーターショーで世界初公開されたポルトフィーノは、同じく2+2シーターボディを備えた「カリフォルニア T」の後継モデル。「スタイリッシュ」「エレガント」の代名詞とされるイタリア リヴィエラの景勝地、ポルトフィーノにちなんでネーミングされたという今回のリトラクタブル・ハードトップモデルでは、広いトランクやゆとりあるコクピットスペース、そして後席を備えるなど、高い動力性能とともに多用途性や快適性を追求したモデルになっている。

ポルトフィーノのアンベール

 ボディサイズは4586×1938×1318mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2670mm。カリフォルニア Tからボディシェルやシャシーコンポーネントを見直し、ポルトフィーノでは新型のアルミニウム・シャシー、カリフォルニア Tよりも軽量に仕上げられたという新設計のリトラクタブルハードトップを採用するなど、トータルで80kgの軽量化に成功した。ルーフを閉じた状態からフルオープンまでの時間は14秒としている。

写真上がルーフを開けた状態、下が閉じた状態。ボディサイズは4586×1938×1318mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2670mm。乾燥重量は1545kg、前後重量配分はフロント46:リア54
カリフォルニア Tからトータルで80kgの軽量化に成功したポルトフィーノ。足下は20インチホイールにピレリ「P ZERO」(フロント245/35 ZR20、リア285/35 ZR20)の組み合わせ。その奥にはカーボンセラミックブレーキ(フロント390×34mm、リア360×32mm)が覗く。トランク容量は292L
ルーフを閉じた状態からフルオープンまでの時間は14秒

 パワートレーンはカリフォルニア Tと同様、Vバンク角90度のV型8気筒3.9リッターターボエンジンに7速DCTを組み合わせるが、出力は40CV増、トルクは5Nm増となる最高出力441kW(600CV)/7500rpm、最大トルク760Nm/3000-5250rpmを発生。0-100km/h加速は3.5秒、最高速320km/hとアナウンスされている。

 同エンジンでは高強度アルミ合金ピストンや低回転質量によって流体力学特性を改善するフラットプレーン・クランクシャフト、コンパクトな低慣性タービン、各シリンダーの排気パルスの干渉を軽減して圧力を高めるツインスクロール・テクノロジー、圧力波最適化のためにパイプ長を揃えた一体鋳造エグゾーストマニホールドといった技術が盛り込まれ、フェラーリが誇る“ゼロターボラグの伝統”を継承。エンジンサウンドもフェラーリらしさを追求したという。

パワートレーンはVバンク角90度のV型8気筒3.9リッターターボエンジンに7速DCTの組み合わせ。最高出力441kW(600CV)/7500rpm、最大トルク760Nm/3000-5250rpmを発生し、0-100km/h加速は3.5秒、0-200km/h加速は10.8秒、最高速は320km/h

 インテリアではダッシュボード中央に10.25インチのタッチスクリーンディスプレイが備わるほか、マグネシウム構造を採用したシートを装着。シートバックは従来からコンパクト化され、後席の足下スペースがカリフォルニア Tから拡大。また、エアコンシステムについても風量が従来から20%増加するとともに、作動音を8db低減。加えてオープンルーフ時は、新設計のウィンドウディフレクターが身体への気流を30%、頭部への気流を17%、胸部への気流を40%削減したとしており、快適性と静粛性が高められているのもトピックの1つになっている。

インテリアでは10.25インチのタッチスクリーンディスプレイやマグネシウム構造を採用したシートなどを装備

 ポルトフィーノの発表会会場では、フェラーリ・ジャパン&コリア 代表取締役社長のリノ・デパオリ氏が挨拶を行なうとともに、フェラーリ極東・中東エリア統括 CEOのディーター・クネヒテル氏が車両概要について説明を行なった。

フェラーリ・ジャパン&コリア 代表取締役社長のリノ・デパオリ氏
フェラーリ極東・中東エリア統括 CEOのディーター・クネヒテル氏

 クネヒテル氏はポルトフィーノのポイントとして「デザイン」「エンジン」「軽量化」などを挙げた。まずデザインについては、「流線形を追求したシルエットを持つ、リトラクタブルハードトップを備えたファストバッククーペであり、エレガントさと躍動感をそのままに、よりスポーティなフォルムを実現しました。そのために、リトラクタブルハードトップの設計は刷新しました。また、ポルトフィーノは最もパワフルなコンバーチブルモデルとしてリトラクタブルハードトップ、広いトランク、ちょっとしたドライブに対応するゆとりのコクピットスペース、それに加えて2人が乗れるリアシート。これらの利点を同時に提供しているのがポルトフィーノなのです」と解説。

 また、パワートレーンについては「エンジンはフェラーリの心臓部であり、さまざまな部分で進化していますが、ベースはV8ターボです。このエンジンは2016年、2017年と2年連続で『インターナショナル エンジン・オブ・ザ・イヤー』に選ばれており、このモデルに合うよう再設計しました。ゼロ・ターボラグ、わずか1秒未満という瞬時のスロットルレスポンスを特徴とするとともに、エンジンサウンドも磨きがかけられ、オープントップ時のドライビングでお楽しみいただけます」と述べるとともに、「従来のカリフォルニア Tから80kgの重量削減を図りました。シャシーもまったく新しいアルミニウム製を用いており、ねじり剛性も35%向上させています。結果として、非常にシャープでソリッドなドライビングフィールをお楽しみいただけます」とその特徴について語った。

 これらに加え、第3世代となる電子リア・デファレンシャル「E-Diff3」と電動パワーステアリング(EPS)、最新の電子サスペンション制御システム「SCM-E」を採用していることについても触れ、「安定性を損なうことなくステアリングレシオを従来から7%減らし、さらに操舵の応答時間を削減しました。これに7速DCTを組み合わせることによって電子制御システムが完全な新世代になりました。これらの電子制御システムを統合することで、さらにダイナミックで機敏な挙動と優れた乗り心地の融合を実現しました」と述べるとともに、「インテリアではより快適な乗り心地を追求して開発を進めました。コクピットはデザインを刷新し、新しいステアリングホイールを採用しました。また、10.25インチのタッチスクリーンを備えたインフォテイメントスクリーン、快適性と機能性を高めた新型シートなどを装備しています。このように、新型ポルトフィーノは一切妥協のないクルマです。パフォーマンスと快適性を両立しています」とアピールを行なった。