試乗レポート
【2022 ワークスチューニング試乗会】新型ステップワゴン&フィット RSの無限デモカー、その仕上がりは?
2023年1月23日 09:10
ワイドでスポーティな重量感のあるデザインを目指したステップワゴン
無限(M-TEC)のステップワゴンは「My Fast STEP WGN」をコンセプトに、ワイドでスポーティな重量感のあるデザインを実現することを目標としている。
エアロパーツはフロント、サイド、リアに装着し、フロントのアンダースポイラーのエア取り入れ口とグリルをブラックアウトし、平板なサイドビューにはガーニッシュを、さらにホイールを18インチの大径ホイールとオフセットを変更することでワイドなイメージを出している。このホイールは切削加工を施したスポーティなもので7.5Jの幅にインセットは40mmとなっており、17インチホイールより2kgほど軽い。
無限スポーツサイレンサーはチタン製の2本出しで、こちらはその形状からリアアンダースポイラーを同時装着しないと装着できない。これらのエアロパーツとホイール、そしてスポーツサイレンサーを装着した無限ステップワゴンは派手ではないが存在感の強いミニバンに生まれ変わっていた。
これらのパーツを装着したステップワゴンは機能的には大きな違いはなさそうだが、実際は空力の改善やスポーツマフラーの装備でノーマルのステップワゴンとは微妙に味が変わっていた。例えば加速時に感じられるレスポンスの違いは排圧の低減効果によるもので低音の排気音は力強さがあり、耳障りもよいのが特徴だ。
またフロントのエアスポイラーとサイドのアンダーパネルの整流効果でハンドルの切り始めの手応えが出ており、スッキリした味になっている。微小の動きが改善しているのが無限パーツの特徴で、合わせてリアのアンダースポイラーとディフェーザー機能も形だけのものではなく、その他のエアロとの相乗効果があり直進時の接地感も高いのが違いだ。
ハンドルの操舵力が重めなのもエアロパーツの影響で、手応えのあるフィーリングになっている。乗り心地としては本来それほど変わらないはずだが、少し突き上げ感が大きくなっているのはダウンフォースの違いなのだろうか。ちょっと興味があるところだ。
今回は間に合わなかったが、近い将来にサスペンションも開発して販売する意向だ。その際はスプリング、ショックアブソーバーも無限らしい仕様が開発され、試乗したステップワゴンのエアロパーツ、ホイールと組み合わされると無限の目指すステップワゴンの形になるはずだ。
フィット RSはハンドル応答性の優れたシャープでスポーティなコンパクトカーに変身
フィットのマイナーチェンジで出力が80kWから90kWへとパワーアップし、さらにサスペンションも変わっているのでベースはガラリと変わっている。無限ではさらにスポーツパーツを設定してフィットに強いイメージを打ち出している。
無限仕様は2種類あり新規で登場したRS用と、従来からのBASIC、HOME、LUXEのグレードをベースとしたエアロパーツだ。RS用はスポーツを、他の3モデルではカジュアルスポーツをイメージできるデザインになる。いずれもフロント/サイド/リアスポイラーを設定されるが、RS用ではフロントグリルガーニッシュを設定し、特に赤のアクセントが効きフィットのイメージはガラリと変わる。
ホイールも鍛造の軽量17インチホイール「MDE」を開発し、リムにスピニング加工をすることで薄くても剛性の高いホイールとなっている。艶のあるブラック塗装とアルミの切削面の美しいホールはインセット60mmの7J×17インチで、標準車の16インチホイールよりも1本あたり1.7kgも軽量化に成功している。タイヤは標準車の横浜ゴム「ブルーアース」から「ブルーアースGT」となり転がり抵抗とウェット、グリップのバランスの高いスポーティタイヤとなった。
クローズドコースを走り始めて驚いた。マイナーチェンジ前のフィットの穏やかな性格からハンドル応答性の優れたシャープでスポーティなコンパクトカーに変身していた。パワーも大きくなっているのが顕著に感じられ、アクセルの反応も速い。サスペンションも設定変更が行なわれ、キビキビと走る方向になっている。リアサスペンションは硬められているが、ロール抑制はスタビライザーで担っている感じで、素直に動き運転が楽しくなるクルマになっていた。ハイブリッドシステムも設定変更でラバーバンドフィールは改善された。
無限パーツはタイヤと17インチホイールだが、足下の軽い印象は大きく、ライントレース性が高くて長いコーナーでもハンドル操作で切り足さなくてもクリアしてしまう。しかもコーナリング速度は高くなっている。またハンドルを切り返した時の追従性も高く、軽やかなフットワークを手に入れたのがRSであり、さらに無限仕様だ。
インチアップされた鍛造ホイールによるバネ下の軽さとスポーティタイヤの組み合わせは高い次元でバランスしていた。足下の軽量化による効果は大きい。エアロパーツも効果的でフロア下面を流れる空気が整流されることで安定性にも貢献しており、ステップワゴン同様に接地感が高くなっている。
無限仕様のフィット RSの乗り心地は上々、かつ力強いエアロパーツと赤いアクセントはフィットのスポーツイメージを強く打ち出しており、人気アイテムになりそうだ。