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写真で見る ランボルギーニ「ウルス」
650HP/850N・mのV8 4.0リッターツインターボを搭載する“スーパーSUV”
2018年5月2日 00:00
ランボルギーニ「ウルス」は世界初を謳うスーパーSUV。同社ならではのドライビングパフォーマンスを受け継ぎつつも、砂漠や雪原といったシチュエーションでの走破性、広く快適な室内空間などを併せ持っているのが特徴だ。
ウルス(大型の野生牛)の名を与えられたこのモデルは全長5112mm、全幅2016mmと、その名の通り堂々たるディメンションを持つ。その半面、全高は1638mmと国産車で言えばステーションワゴン程度と、まさしくロー&ワイドなフォルムになっている。「ウラカン」「アヴェンタドール」といったスポーツモデルとは異なり、3003mmと長いホイールベースの間には前後に2枚のドアを装備し、5名(撮影車両はオプションの4名乗車仕様)乗車を実現。多人数での移動を可能にしているのはSUVならではと言ったところ。
エクステリアは全体の3分の2がボディ、3分の1がウィンドウという同社スーパースポーツカーの伝統の比率を踏襲。ディテールにおいても「カウンタック」で初めて採用された斜めのフードラインを持つボンネット、「LM002」などから受け継いだ六角形のホイールアーチなど、アイコニックなデザインを随所に採用している。
正しくスーパースポーツのフォルムを持つボディのフロントエンジンルームに収まるのは、同社初となるターボを組み合わせたV型8気筒4.0リッターツインターボユニット。大きなボディは乾燥重量で2200kgもの質量を持つものの、最高出力478kW(650HP)/6000rpm、最大トルク850N・m/2250-4500rpmを発生する心臓により、パワーウェイトレシオはわずかに3.38kg/HP。さすがにアヴェンタドールの2kg/HP前半には及ばないものの、それでも8速ATとの組み合わせによる加速は0-100km/hで3.6秒、0-200km/hにおいても12.8秒をマーク、最高速はなんと305km/hにも達する動力性能を備えているのだ。
ハイパワーを支えるブレーキシステムにはカーボン・セラミック・ブレーキ(CCB)を標準採用。市販ブレーキの中で最大となるブレーキディスクのサイズはフロントφ440×40mm、リアφ370×30mmで、組み合わされるキャリパーはフロントがアルミニウム製の10ピストン、リアが鋳鉄製の6ピストンと、こちらもハイパフォーマンスなモノ。100km/hからわずか33.7mでこの巨体を停止させることが可能だ。
燃費はEUのコンビネーション値で12.3L/100km。JC08モード燃費ではないため国産車との比較は難しいが、アヴェンタドール Sが16.9L/100kmであることを考えると、十分に実用的と言える数字だ。
大パワー&トルクを支えるパワートレーンはトルセンタイプのセンターデフを装備したフルタイム4WDで、前後のトルク配分は40(フロント):60(リア)を基本に70:30~13:87の間でコントロール。リアデフにはアクティブ・トルク・ベクタリング機構を搭載。さらに、最大で90mmの車高調整が可能なアクティブダンパー付アダプティブ・エアサスペンション、瞬時にコントロール可能なロール・スタビライジング・システム(同社初)、同位相から逆位相まで最大±3.0度の切れ角を持つリアホイールステアリングなども備える。
これらの動作はセンターコンソールに用意された「ANIMA」セレクターでコントロールすることが可能で、オンロード向けの「STRADA」「SPORT」「CORSA」、オフロード向けの「NEVE(雪上)」とオフロードパッケージとしてオプション設定される「SABBIA(砂漠)」「TERRA(オフロード)」の各ドライブモードを選択することで、車両を最適な状態に制御。シチュエーションに応じた走りを楽しめるようになっている。
また、最新モデルということもあって先進運転支援システム(ADAS)も装備。このシステムはミリ波レーダーとカメラ、前後のパーキングセンサーで構成されており、衝突を防止・緩和するPreCognitionシステムをはじめACC(アダプティブクルーズコントロール)、オートハイビーム機能などを備えている。
ボディカラーはソリッドが「Nero Noctis(黒)」など3色、メタリック系が「Rosso Mars(赤)」など10色が用意されている(本国仕様)。価格は2574万円(税別)だが、撮影車両は多数のオプションが装着されたモデルとなっている。