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写真で見る ランボルギーニ「ウルス」

650HP/850N・mのV8 4.0リッターツインターボを搭載する“スーパーSUV”

撮影車両のボディカラーはBianco Monocerus(白)。オプション設定される4名乗車モデルとなる

 ランボルギーニ「ウルス」は世界初を謳うスーパーSUV。同社ならではのドライビングパフォーマンスを受け継ぎつつも、砂漠や雪原といったシチュエーションでの走破性、広く快適な室内空間などを併せ持っているのが特徴だ。

 ウルス(大型の野生牛)の名を与えられたこのモデルは全長5112mm、全幅2016mmと、その名の通り堂々たるディメンションを持つ。その半面、全高は1638mmと国産車で言えばステーションワゴン程度と、まさしくロー&ワイドなフォルムになっている。「ウラカン」「アヴェンタドール」といったスポーツモデルとは異なり、3003mmと長いホイールベースの間には前後に2枚のドアを装備し、5名(撮影車両はオプションの4名乗車仕様)乗車を実現。多人数での移動を可能にしているのはSUVならではと言ったところ。

 エクステリアは全体の3分の2がボディ、3分の1がウィンドウという同社スーパースポーツカーの伝統の比率を踏襲。ディテールにおいても「カウンタック」で初めて採用された斜めのフードラインを持つボンネット、「LM002」などから受け継いだ六角形のホイールアーチなど、アイコニックなデザインを随所に採用している。

 正しくスーパースポーツのフォルムを持つボディのフロントエンジンルームに収まるのは、同社初となるターボを組み合わせたV型8気筒4.0リッターツインターボユニット。大きなボディは乾燥重量で2200kgもの質量を持つものの、最高出力478kW(650HP)/6000rpm、最大トルク850N・m/2250-4500rpmを発生する心臓により、パワーウェイトレシオはわずかに3.38kg/HP。さすがにアヴェンタドールの2kg/HP前半には及ばないものの、それでも8速ATとの組み合わせによる加速は0-100km/hで3.6秒、0-200km/hにおいても12.8秒をマーク、最高速はなんと305km/hにも達する動力性能を備えているのだ。

新型ウルスのボディサイズは5112×2016×1638mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは3003mm

 ハイパワーを支えるブレーキシステムにはカーボン・セラミック・ブレーキ(CCB)を標準採用。市販ブレーキの中で最大となるブレーキディスクのサイズはフロントφ440×40mm、リアφ370×30mmで、組み合わされるキャリパーはフロントがアルミニウム製の10ピストン、リアが鋳鉄製の6ピストンと、こちらもハイパフォーマンスなモノ。100km/hからわずか33.7mでこの巨体を停止させることが可能だ。

 燃費はEUのコンビネーション値で12.3L/100km。JC08モード燃費ではないため国産車との比較は難しいが、アヴェンタドール Sが16.9L/100kmであることを考えると、十分に実用的と言える数字だ。

 大パワー&トルクを支えるパワートレーンはトルセンタイプのセンターデフを装備したフルタイム4WDで、前後のトルク配分は40(フロント):60(リア)を基本に70:30~13:87の間でコントロール。リアデフにはアクティブ・トルク・ベクタリング機構を搭載。さらに、最大で90mmの車高調整が可能なアクティブダンパー付アダプティブ・エアサスペンション、瞬時にコントロール可能なロール・スタビライジング・システム(同社初)、同位相から逆位相まで最大±3.0度の切れ角を持つリアホイールステアリングなども備える。

 これらの動作はセンターコンソールに用意された「ANIMA」セレクターでコントロールすることが可能で、オンロード向けの「STRADA」「SPORT」「CORSA」、オフロード向けの「NEVE(雪上)」とオフロードパッケージとしてオプション設定される「SABBIA(砂漠)」「TERRA(オフロード)」の各ドライブモードを選択することで、車両を最適な状態に制御。シチュエーションに応じた走りを楽しめるようになっている。

 また、最新モデルということもあって先進運転支援システム(ADAS)も装備。このシステムはミリ波レーダーとカメラ、前後のパーキングセンサーで構成されており、衝突を防止・緩和するPreCognitionシステムをはじめACC(アダプティブクルーズコントロール)、オートハイビーム機能などを備えている。

 ボディカラーはソリッドが「Nero Noctis(黒)」など3色、メタリック系が「Rosso Mars(赤)」など10色が用意されている(本国仕様)。価格は2574万円(税別)だが、撮影車両は多数のオプションが装着されたモデルとなっている。

ハニカム形状のグリルを持つフロントマスクは「これぞランボルギーニ」といった印象
ブランド初採用となるADASシステムはフロントグリルのミリ波レーダーとフロントウィンドウ上部のカメラを組み合わせたもの
エンブレムはバンパー部に付く
ヘッドライトとグリル端はともにY字をイメージした造形
ドアミラーにはLEDウインカーを内蔵
フューエルリッドのキャップはカーボンタイプ。燃料タンク容量は75L。85L仕様も用意
ルーフエンドおよびテールゲート中央にスポイラーを装備
ヘッドライトとリアコンビネーションランプにもY字を組み合わせたデザインが施されている
ヘッドライトの点灯パターン
リアコンビネーションランプの点灯パターン
90度バンクを持つV型8気筒4.0リッターツインターボエンジンを搭載。吸排気ともに連続可変バルブタイミング機構を備える
撮影車両のタイヤはピレリ「P ZERO」。フロントのサイズは285/35 ZR23、ホイールは10J×23
フロントのブレーキキャリパーはアルミ製の10ピストン。ローター径はφ440で材質はカーボンセラミック
リアタイヤのサイズは325/30 ZR23
リアのブレーキキャリパーは鋳鉄製の6ピストン。ローター径はφ370になる
マフラーエンドは左右2本ずつの4本出し
水平基調のインパネにも随所にハニカムパターンを配置。撮影車両のインテリアカラーはベースカラーの「Nero Ade(黒)」とコントラストカラーの「Rosso Alala」のコンビネーション
パンチングレザーを採用したステアリングには振動ダンパーを内蔵。快適なステアリング操作を実現
ステアリンヒーターなどの各種スイッチ、パドルシフトなどを装備
剛性感が高そうなペダルまわり
インパネ下部にスタートスイッチやシフト、モードセレクターなどを装備
エンジンスイッチは不用意な操作を防止するカバーが付く
メーターは液晶中央部が選択したモードによって変化するほか、左右のインフォメーション部は任意で選択が可能
ハザードなどのスイッチ群を挟んで2つのタッチパネルディスプレイを配置
上部ディスプレイはエンターテインメントを中心とした情報表示用
ランボルギーニ「ウルス」ナビゲーション操作
各走行モードを選択した際も上の画面に表示
下部ディスプレイはエアコンのコントロールが中心
ディスプレイに挟まれたスイッチ群
モードセレクター後方にあるパーキングスイッチなど
フォグ系のスイッチはステアリングコラムの左側に集約
合計21個のスピーカーを備えるBANG&OLUFSENの3Dアドバンスドサウンドシステムをオプション設定
オーバーヘッドコンソール
開口部の大きなパノラミックルーフ
撮影車両のシート表皮はハニカムパターンを持つスペシャルトリム。このほかアルカンターラとレザーのコンビネーション仕様も設定されている
センターコンソール内部にはスマートフォンを置くスペースとともに通信用SIM&SDスロット、USBソケットがある
インパネのディスプレイ裏には小物を置けるスペースとDC12V電源を用意
DC12VソケットにはUSB電源の変換ソケットが挿入されていた。こちらもランボルギーニ仕様
運転席ドアトリム。ドアはいわゆるサッシュレスタイプ
アームレストにパワーウィンドウとドアミラー関連のスイッチを装備
4名乗車モデルはリアシートが左右独立になる
中央には左右独立して位置調節が可能なリアアームレストを装備。内部は小物入れになる
オプションのリアシートエンタテインメントを装着するとフロントシート背面に2つのディスプレイが付く。こちらもタッチパネル対応
SUVらしく574Lと大容量のトランクスペースを確保。5人乗車モデルはリアシートバックを倒すことでさらに広いスペースが確保可能
トランク下部にはツール類やパンク修理キットを収納。サブウーハーもこの位置
トランク内には車高調整用のスイッチ
こちらは電動テールゲートのスイッチ