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10V型大画面ナビなのに400車種以上に対応!! パナソニック「ストラーダ F1Xプレミアム10」レビュー【前編】

大画面+充実しすぎの機能。カーナビはここまで来た!

10V型大画面ながら400車種以上に対応する「ストラーダ F1Xプレミアム10」

 スマートフォンのカーナビアプリに押されているかと思いきや、据え置きの車載カーナビはなかなかに元気だ。スマートフォンにはできない、クルマの各種センサーを活用した高精度な案内が理由の1つだろうけれど、そもそもカーナビ自体が絶えることなく、着実に進化を続けていることも要因に違いない。

 その進化を、さらに1段階も2段階も進めたのが、パナソニック「ストラーダ」の最新モデル「F1Xプレミアム10」だ。ついに画面サイズは10V型に達し、抜群の視認性を獲得しただけでなく、カーナビの枠を超えた先進的な安全・安心サポート機能の数々を搭載。さらにはパナソニックならではの技術を応用し、映像と音の“美”まで追求している贅沢な一品となっている。

フローティング構造のディスプレイが特徴のF1Xプレミアム10。BDにも対応するモデル「CN-F1X10BD」を使ってみた

 今回、僚誌である家電 WatchとAV Watchの編集長にもこのF1Xプレミアム10を体験してもらい、ドライブの安全・安心につながるサポート機能や、高品位な映像と音質に触れてもらった。その内容は次回以降に紹介するとして、まずはF1Xプレミアム10がどういうカーナビなのか知るためにも、機能・性能における特徴的なところから見てみたいと思う。

大画面で操作も楽ちんに。心理的にも“距離が縮まる”カーナビ

10V型の画面のインパクトはかなりのもの

 なんといっても画面サイズが10V型になったのが最大のトピックとなるF1Xプレミアム10。従来の最大サイズである9V型からの1インチアップといえども、その数値以上に10V型のインパクトは大きい。単純に大型化してしまうと車両装着時の制約が増えてしまうところだけれど、狭額縁にすることで以前の9V型モデルからフレームサイズをほとんど変えることなく10V型化しているのもポイントだ。

狭額縁にしたおかげで、以前の9V型のモデルとフレームサイズは変わらないまま

 その狭額縁を可能にしたのは、パナソニックのノウハウとこだわり。カーナビの製造時は、一般的に液晶パネルやバックライトなどがセットになった「モジュール」を調達することが多いのだそう。しかしF1Xプレミアム10では、液晶パネルを単体で調達し、バックライト部分などを独自に設計することで、これまでのカーナビにはない狭額縁を可能にしたのだとか。

 大画面化とともに、解像度もHD(1280×720ドット)へと向上させた。画面の輝度は700カンデラと、日中の日差しに負けない明るさで、太陽光のギラつきを押さえる低反射フィルムやエアレス構造を採用することで車内での視認性をさらに高めている。この画質や視認性の高さは地図表示時はもちろんのこと、Blu-rayディスクに対応するモデル「CN-F1X10BD」で大きな恩恵を受けられるはずだ。

映像を高精細に表示するHD解像度。輝度は700カンデラに高めた

 また、F1Xプレミアム10の面白いところは、ダッシュボードに画面が埋め込まれたよくある一体型構造ではなく、ディスプレイ部だけが手前に飛び出たフローティング構造になっている点。こうすることで、大画面ながらも本体部は通常の2DINサイズのダッシュボードパネルに取り付けられ、パナソニックで確認できているだけでも400車種以上の幅広いクルマに対応できるようにした。

手前側に飛び出たフローティング構造を採用

 ディスプレイ部は走行中の振動にも配慮した頑丈なアームで固定されており、その分手前に来ることで10V型の大画面をより際立たせている。しかも「DYNABIGスイングディスプレイ」と呼ぶ独自構造の採用で、左右各15度、前後約-20度~約60度の範囲で画面を傾けることができる。奥行き(取付時)や上下位置の調整も可能だ。

 振動でブレたりしないようヒンジの動きは固め。調整時には少し力が必要になるが、運転席と助手席のどちらからでも画面が見やすく、操作もしやすいように角度を変えられるのはかなり新鮮だ。ドライバーの立場では、ハンドルから画面までの距離が近く、停車時に操作するときにも腕を頑張って伸ばす必要がないうえに、細かな情報を素早く把握できるメリットがある。

どんなときも見やすい画面で、不慣れな道も迷わず走れる
やや力を入れることで前後、左右へ画面を傾けられる

 運転中からほとんど姿勢を変えずに済むのはとにかく楽ちんだし、画面内の操作ボタンが大きくなったこともあって気軽に、確実に操作でき、気持ちのうえでもカーナビとの距離が縮まったように感じる。ハードウェアキーはディスプレイ上面に設けられたオーディオ、メニュー、現在位置の各ボタンと、音量調整、音楽の早送り・早戻しのボタン。ボタンの形状を変えたり小さな突起を設けたりすることで、カーナビを注視することなく、操作したいボタンを手探りで見つけられるのもうれしいところだ。

ボタンが大きくなり、視認性が高くなったうえに押しやすくもなった
ディスプレイ上面に設けられたハードウェアキー
ボタンの突起や形状によって手探りで区別できる

 さらにスマートフォンと連携することで、音声認識によるスポット・ルート検索が可能になる機能も備えている。専用アプリ「Drive P@ss」をインストールしたスマートフォンをBluetoothで接続しておくと、カーナビの画面を操作することなく目的地などを話すだけで行き先候補を表示し、画面内のキャラと対話しながらルートを決定できる。

スマートフォンと連携すると、音声認識でスポットやルートの検索ができる

 スマートフォンと比べても違和感のないタッチパネルのスムーズな操作、大画面でより分かりやすくなった標識や交差点のイメージ表示、日本独自の準天頂衛星みちびきにも対応する高精度な位置測位、センサーと地図の標高情報を用いた高速・一般道路の区別など、カーナビとしての基本性能の高さは折り紙付き。ただただ「画面がデカいカーナビ」というわけではないのだ。

タッチやスワイプ、ピンチイン・アウトの操作もスムーズ
高速道路のナンバリングにも対応する標識表示
交差点での進行方向も大画面のおかげでより分かりやすい

まだまだある、カーナビの域を超えた機能

 機能・性能のあまりの充実度合いに「カーナビはついにここまで来たか!」と言わずにはいられないのだが、その思いをさらに強くするのが、さらなる2つの機能。地図情報の活用やオプションの「ETC 2.0車載器」「前後2カメラ ドライブレコーダー」との連動で可能になる安全・安心サポート機能と、高品位パーツとプロによるチューニングで「スタジオ・マスターサウンド」を狙ったというオーディオ&ビジュアルだ。次回は、もはやカーナビの域を超えていると感じてしまう安全・安心サポート機能について紹介したい。