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三菱自動車、「EVモード」スイッチを装備するなど「アウトランダーPHEV」一部改良
ビルシュタインダンパーや構造用接着剤で走りを磨いた「S エディション」新設定
2017年2月9日 14:00
- 2017年2月9日 発売
- 365万9472円~478万9260円
三菱自動車工業は2月9日、ツインモーター4WD採用のプラグインハイブリッドEV「アウトランダーPHEV」を一部改良して発売した。価格は365万9472円~478万9260円。
グレード | エンジン | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|---|
M | 直列4気筒DOHC 2.0リッター+電気モーター2基 | 4WD | 3,659,472円 |
G セーフティ パッケージ | 3,973,860円 | ||
G ナビ パッケージ | 4,324,860円 | ||
G プレミアム パッケージ | 4,681,260円 | ||
S エディション | 4,789,260円 |
今回の一部改良では、内外装のデザインに上質感を与え、ビルシュタイン製の高性能ショックアブソーバーや構造用接着剤の採用などによって走行性能を高めた「S エディション」を新グレードとして設定。また、プラグインハイブリッドEVシステムを改良して効率を高めたほか、予防安全技術「e-Assist」のセンサーをミリ波レーダーからカメラ&レーザーレーダー併用システムに変え、「後側方車両検知警報システム」などの採用で安全性を高めている。
プラグインハイブリッドEVシステムの改良では、これまで駆動用バッテリーに極力負荷をかけないよう制御していたエネルギーの取り出しマネージメントを見直し、バッテリー寿命に影響を及ぼさない範囲を見極めつつ電力供給の出力を10%ほどアップ。高速道路での合流加速などのシーンでも、EV状態を保ったままエンジンを始動させずに走り続けられるようにした。一方でエンジンの始動性を高め、必要なときには従来よりもすばやく発電を開始してモーターに電力供給できるように改良。追い越し加速などの瞬発力が求められる状況で加速レスポンスを高めている。
また、充電時のアンペア数を50Aから60Aに高めたことで、普及が進んでいる出力の高い急速充電器に対応。条件に応じてこれまで約30分としていた約80%までの急速充電時間を約25分まで短縮できるようにした。
このほか、従来は走行モードとして走行時に積極的にエンジンを始動させてバッテリー残量をキープする「バッテリーセーブモード」、停車/走行にかかわらずエンジンを作動させてバッテリー残量を増やす「バッテリーチャージモード」の2種類を設定していたが、一部改良で新たにバッテリーの電力を可能な限り使うようにしてエンジン始動を抑制する「EV プライオリティモード」を追加。センターコンソール後方に新設された「EV」と書かれたボタンを押すことで、基本的にモーターのみを使って静かに走れるようになる。
e-Assistでは、車両前方のチェックを行なうセンサーをミリ波レーダーからカメラとレーザーレーダーを併用するシステムに変更。「衝突被害軽減ブレーキ(FCM)」の回避性能を向上させ、歩行者の検知も可能とした。また、「車線逸脱警報システム(LDW)」でも警報精度を高め、警報タイミングの最適化も実施している。なお、ミリ波レーダーは「レーダークルーズコントロール(ACC)」用として継続搭載する。
また、これまでe-Assistは車両の前方に対する予防安全技術となってきたが、新たに車両後方にミリ波レーダーのセンサーを追加。走行中に自車の後方に存在するリスクを検知してドライバーに知らせる「後側方車両検知警報システム(BSW)」(レーンチェンジアシスト機能付)と「後退時車両検知警報システム(RCTA)」を新採用。既存の「誤発進抑制機能(UMS)」「パーキングセンサー(前後)」とのセットオプションとして用意する。このほかも積極的にハイビームを使えるようにして夜間走行時の視界を広げる「オートマチックハイビーム(AHB)」を追加して安全性を高めている。
走行性能では基本となる足まわりのセッティングで、ショックアブソーバーの構造見直し、減衰力設定の最適化などを実施。さらにリア側のトーコントロールアームに使うブッシュ剛性を引き上げたことなどにより、直進安定性を操舵時の手応えを向上させつつ、接地感のアップによって快適で安心感の高い走りを実現した。
三菱自動車独自の車両運動統合制御システムである「S-AWC」では、雪道などの滑りやすい場所を走るときに使う「LOCKモード」の駆動力配分を5%分リア寄りに変更。旋回性能と走行安定性を高める「AYC」でも早い段階から作動を開始する制御を与え、コーナーリングでより積極的にコントロールできるようなセッティングとした。
車内の装備では、パーキングブレーキをセンターコンソールのレバーを引いて操作する手動式から、「ブレーキオートホールド機能」も備える電動パーキングブレーキに変更。純正オーディオにAppleの「CarPlay」、Googleの「Android Auto」に対応して音声認識や各種アプリなどを利用できる「スマートフォン連動ディスプレイオーディオ(SDA)」を新設定。S エディションに標準装備するほか、Mグレード以外でオプション装着可能とした。
外観ではボディカラーのラインアップを見直し、新色の「クールシルバーメタリック」を加えた全7色展開とした。また、Mグレード意外に標準装備するフォグランプを、全車標準装備のLEDヘッドライト&LEDポジションランプと同じLEDに変更。フロントマスクで使う灯火類の色味をコーディネートし、消費電力の削減も果たしている。
「ランエボシリーズ」と同様の手間がかかる生産手法を採用
新グレードのS エディションは、フロントのラジエターグリルとアルミホイールをダーククローム調、BピラーとCピラーを光沢カラー、前後バンパー下側のスキッドプレートをボディ同色とそれぞれ既存モデルの色遣いから変更。オプション設定のブラック塗装ルーフ(ルビーブラックパールを除く)の採用と合わせてスポーティでプレミアムな外観デザインを表現する。
車内では専用のパーフォレーション本革シートを採用し、このシートやステアリング、メーターフード、センターコンソールアームレスト、ドアアームレストにレッドステッチを設定。パネル類のシルバー加飾をジオメトリック調のデザインで統一するほか、アクセル&ブレーキペダルをアルミ製にしてスポーティさを強調している。
足まわりではビルシュタイン製の高性能ショックアブソーバーを採用するほか、生産ラインからの車両抜きだしを実施してボディのリアまわりを中心に合計約4mに渡って構造用接着剤の塗布を実施。かつて三菱自動車で生産していた「ランエボシリーズ」などと同様の手間がかかった生産手法を用いてボディ剛性の強化を果たしている。これにより、タイヤの接地性が大きく向上して車両の挙動を安定させるほか、上質な乗り心地と高い操縦安全性を発揮する。