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首都高、第三京浜と接続する「横浜環状北線」の橋梁を1250t吊クローラクレーンで架設

2016年度の完成を目指す横浜環状北線 港北JCT工事の一環

2015年2月28日~3月1日実施

日本に3台しかない1250t吊クローラクレーンが利用された

 首都高速道路は2月28日、神奈川県横浜市に建設中の港北JCT(ジャンクション)新設に伴う橋梁架設工事を報道陣に公開した。

 港北JCTは、第三京浜道路 港北IC(インターチェンジ)と首都高の神奈川1号線・生麦JCTを接続する全長約8.2kmの高速道路である「横浜環状北線」(2016年度完成予定)と第三京浜の交差部に設けられるジャンクションで、同時に第三京浜の港北ICとしての機能も併せ持つ。

 現在の港北ICは構造上、しばしば本線まで渋滞してしまうことがあるが、ジャンクションの完成後は一般道への出入口が「川向線」に設けられることで、混雑緩和とアクセス性の向上が見込まれている。ただ、当面は一般道から港北JCTを使って横浜環状北線に乗ることはできず、若干離れた新横浜IC(仮称)を利用することになる。また、将来的には東名高速道路と繋がる「横浜環状北西線」(2021年度完成予定)との接続点にもなる予定となっている。

横浜環状北線の概要
整備効果。新横浜から羽田空港までの所要時間が40分から30分に10分短縮される
港北JCTの概要
港北ICは港北JCT一体型となる
横浜環状北線の開通前に、まず第三京浜(上り)港北IC出口が変更になる(今年の秋ごろを予定)。次いで2016年春ごろに下り側の出口も切り替えられる
2016年秋ごろに入口も切り替え。横浜環状北線完成時にはJCTになる。ただし、この時点では周辺道路から横浜環状北線に乗ることはできない
完成予想図。赤く塗られているのが今回の工事個所

 今回の架設工事は、首都高がNEXCO東日本(東日本高速道路)に委託したもので、生麦JCTから港北JCTに向かう「Bランプ橋」の設置が実施された。このBランプ橋は第三京浜をまたぐ桁延長66.5m、重量約250tの大型ブロックで、架設にあたっては日本に3台しかない国内最大級の1250t吊クローラクレーンが使用された。架設重量に対してクレーンのキャパシティが大きく取られているのは、横浜と東京を繋ぐ大動脈である第三京浜の通行止め時間を極力短縮するためだという。

クローラクレーン概要

車両幅 12.5m
クローラー長さ 15.2m
クローラー高さ 2.6m
主ブーム長さ 96.0m
本体重量 694t
カウンターウエイト重量 920t

工事部分全景。1250tクローラクレーンは第三京浜本線と新設される料金所に挟まれた狭いスペースに設置されている

 当日は23時から第三京浜の通行止めを行い、1250tクローラクレーンによる架設を実施。日付の変わった翌0時40分には作業が終了した。その後、550tクローラクレーンによって残る小型ブロック(重量約50t)の架設が行われている。

 Bランプ橋の上部に架かるAランプ橋の架設工事は3月7日が予定されている。こちらは桁延長69.0m、架設重量は約240tとなる。

第三京浜・港北JCT橋梁架設工事(10倍速)
工事開始を前に第三京浜の港北IC~保土ケ谷IC間が通行止めとなった
1250tクローラクレーン
操作を行うオペレーターはなんと1人
カウンターウエイト部分。こちらのウエイトの重量は確認できなかったが、クレーン本体に乗っているウエイトは1つが約10t
巨体を支えるクローラー部
徐々にブロックが吊り上げられていく
規定の高さまで上げてから、クローラクレーンの旋回、およびブロックを回転させる
クローラクレーンの回転に備えてカウンターウエイトのアウトリガーが上げられる
ゆっくりと桁の間に近づけていく
先に港北JCT側の位置合わせを実施
次いで生麦JCT側の位置合わせ。ブロックの回転はロープを引っ張ることにより行われている
時計回りに回転したクローラクレーン
料金所部分とカウンターウエイトの隙間はわずか1mほどに
架設工事終了
残る隙間部分に550tクローラクレーンで小ブロックを設置する

(安田 剛)