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メルセデス・ベンツ、AMG完全自社開発スポーツカーの第2弾「メルセデスAMG GT」

上野社長とともにメルセデスAMGの取締役会長が富士スピードウェイで製品ピーアール

2015年5月8日発表

1580万円〜1840万円

 メルセデス・ベンツ日本は5月8日、2シータースポーツモデル「メルセデスAMG GT」を発表し、同日から受注を開始した。価格はAMG GTが1580万円、AMG GT Sが1840万円。発売日は前者が9月以降を、後者が5月中旬を予定する。いずれもステアリング位置は左右から選択可能。発表同日、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)でメルセデスAMG GTの発表会を開催し、メルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏およびメルセデスAMGの取締役会長であるトビアス・ムアース氏が同モデルの製品説明を行った。

 なお、メルセデスAMG GTの導入に伴い、「メルセデスAMG」ブランドを新たに立ち上げた。同ブランドはハイパフォーマンスモデルとしての役割を担い、2月に立ち上げたラグジュアリーブランドの「メルセデス・マイバッハ」とともに、メルセデス・ベンツの両極の「究極」を担うという。この新ブランド立ち上げと同時にAMGモデルの呼称変更が行われ、例えば「C 63 AMG」は「Mercedes-AMG C 63」となり、ブランド名が車名の前に付けられることになる。

モデル エンジン 変速機 駆動方式 価格
AMG GT V型8気筒DOHC4.0リッター直噴ツインターボ「M178」 7速DCT 2WD(FR) 15,800,000円
AMG GT S 18,400,000円
発表会会場で公開されたメルセデスAMG GT
当日は発表会とともに報道陣向けの試乗会が富士スピードウェイの本コースで行われた

メルセデスAMGによる完全自社開発スポーツカーの第2弾モデル

 今回発表されたメルセデスAMG GTは、「SLS AMG」に続くメルセデスAMGが手掛けたスポーツカー。すでにSLS AMGは生産終了となっており、メルセデスAMG GTが後継機の位置づけのように見えるが、あくまで「メルセデスAMGによる完全自社開発スポーツカーの第2弾モデル」であり、後継機ではないことが謳われている。そのためか、SLS AMGはガルウイングドアが1つのアイコンとなっていたが、メルセデスAMG GTでは通常のヒンジドアが採用されている。

撮影車はAMG GT S(ヒヤシンスレッド)。ボディーサイズは4550×1940×1290mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2630mm。AMG GT Sはフロントにより大型の390mmディスクと前後レッドキャリパーを標準装備(AMG GTは360mmディスクでキャリパー色はシルバー)
メルセデスAMG GTのエクステリアデザインはスポーツ性とエモーション(感情)を表現。ロングノーズ&ショートデッキ、大径ホイール、幅広のテールエンドなどで典型的なスポーツカーのスタイルを表現している。ライト類はすべてLEDとし、ヘッドライトはフロントウインドー上部に付けられたカメラにより対向車や前走車を検知し、ほかの車両にハイビームが当たらないように自動的に照射範囲を制御する「アダプティブハイビームアシスト・プラス」を装備。スリーポインテッドスターを中央に配した立体的なダイヤモンドグリルと水平ルーバーが特徴的なフロントマスク
こちらはAMG GT Sにのみ設定される「AMGカーボンセラミックブレーキ」装着車。1700℃の高温で真空強化処理することで硬度を高め、サーキット走行時などで強力な制動性能、優れた耐フェード性を発揮する
約120km/hを超えると自動的にリフトアップする「リトラクタブルリアスポイラー」。約80km/h以下になると自動で格納する
メルセデスAMG GT専用に新開発されたV型8気筒DOHC 4.0リッター直噴ツインターボ「M178」エンジン。最高出力/最大トルクはグレードによって異なり、AMG GTは462PS/61.2kgmを、AMG GT Sは510PS/66.3kgmを発生

 そんなメルセデスAMG GTでは、SLS AMGに搭載するV型8気筒6.2リッター「M159」自然吸気エンジンから、専用に新開発されたV型8気筒DOHC 4.0リッター直噴ツインターボ「M178」エンジンにスイッチ。M178エンジンは砂型鋳造されたクローズドデッキのアルミニウムクランクケースに鍛造アルミニウム製ピストンを組み合わせ、軽量化を進めつつ高い強度を実現したという。また、オイル供給方式にドライサンプ潤滑システムを採用し、従来ではエンジン底部に配置されるオイルパンを排除。これによりウェットサンプ潤滑方式採用時と比べエンジン搭載位置を55mm低くし、車両の低重心化を図った。また、2基のタービンはV型シリンダーバンクの内側に配置する「ホットインサイドV」レイアウトとし、エンジンをコンパクトにまとめるとともに、ターボチャージャーへの吸気経路を最適化することで優れたレスポンスを実現したという。

 AMG GT、AMG GT SともにM178エンジンを搭載するが、ECUのセッティングの違いなどにより前者は462PS/61.2kgmを、後者は510PS/66.3kgmを発生。トランスミッションはともに7速DCT「AMG スピードシフト DCT」を組み合わせ、AMG GT Sでは0-100km/h加速3.8秒を実現している。AMG スピードシフト DCTは燃費優先の「C(Comfort)」、よりスポーティな「S(Sport)」と「S+(Sport Plus)」の3つのシフトモードに加え、エンジン/エキゾーストシステム/サスペンション/トランスミッションなどさまざまなパラメーターを個別設定できる「I(Individual)」から選択可能。さらにAMG GT Sではサーキット走行向けの「RACE」モードも搭載される。

航空機のコクピットを模したインテリアデザイン。奥行の深い傾斜したダッシュボード、V8エンジンをモチーフにしたセンターコンソールなどが特徴になっている
ラゲッジルーム容量を350L(VDA方式)とし、実用性に耐える容量を確保

 一方、シャシーまわりでは90%以上にアルミニウムを採用する「アルミニウムスペースフレーム」を採用。フロントまわりの一部部材をマグネシウム製とし、回頭性も高められている。また、エンジンをフロントアクスルの後方にレイアウトするフロントミッドシップとするとともに、トランスミッションをリアアクスルに配置することで、前後重量配分をフロント47:リア53とした。この重量配分について、同社では「リアよりもフロントが軽いのが、理想的なスポーツカーを創造するための方程式」と説いている。

メルセデスAMG GTに寄せる期待の大きさを感じずにいられない

メルセデスAMG GTについて語った上野社長(上)とメルセデスAMGの取締役会長であるトビアス・ムアース氏(下)

 発表会で登壇した上野社長は、まずAMGモデルの販売状況について説明。これによると、2014年の日本での販売台数は約3800台(前年比+47%)と、AMGブランド内で世界3位に位置する大きな躍進を果たした。また、AMGブランドの強化の一環として、5月8日現在で全国26個所にあるAMGモデルを取り扱う「AMGパフォーマンスセンター」を2020年までに40拠点に拡大することを説明。

2014年の日本での販売台数は約3800台(前年比+47%)と、AMGブランド内で世界3位に位置する大きな躍進を果たした
メルセデスAMGブランドはハイパフォーマンスモデルとしての役割を担い、2月に立ち上げたラグジュアリーブランドの「メルセデス・マイバッハ」とともに、メルセデス・ベンツの両極の「究極」を担う
メルセデスAMGブランドの立ち上げと同時に、AMGモデルの呼称変更が行われる

 一方、トビアス・ムアース氏は、メルセデスAMG GTを導入した各国はもとより、日本で早くも好評を博していることを紹介するとともに、AMG GT SがF1のセーフティカーに採用されたこと、レーシングバージョンの「Mercedes-AMG GT3」を2015年のジュネーブモーターショーで披露したことなどに触れ、メルセデスAMG GTがモータースポーツと密接な関係にあることを紹介。加えて、「Mercedes-AMG GT3が2016年シーズンのSUPER GTに参戦していることに期待している」と述べ、同モデルの日本のモータースポーツシーンでの活躍に期待感を示した。

 発表会の最後に、上野社長は「メルセデスAMG GTの情報をいち早く公開したティザーサイトでは、2カ月あまりで約2500件の資料請求を頂戴し、弊社FacebookのメルセデスAMG GTに関する投稿には累計1万件を超える『いいね!』をいただいた。この数字だけでも、日本のお客様のメルセデスAMG GTに寄せる期待の大きさを感じずにいられない」と述べるとともに、メルセデスAMG GTオーナー向けのサーキット走行会を今秋に開催することや、今夏公開予定になっている「劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー」にメルセデスAMG GTが登場することを紹介。映画に登場する実車が発表会会場で初公開されている。

AMG GT SがF1のセーフティカーに採用されたこと、レーシングバージョンの「Mercedes-AMG GT3」を2015年のジュネーブモーターショーで披露されたことを紹介し、メルセデスAMG GTがモータースポーツと密接な関係にあることを紹介
エンジンは「One man - one engine」の哲学に基づき、1人の職人が1基のエンジンを手作業で組み上げる
2基のタービンをV型シリンダーバンクの内側に配置する「ホットインサイドV」レイアウトを採用
M178エンジンは砂型鋳造されたクローズドデッキのアルミニウムクランクケースに鍛造アルミニウム製ピストンを組み合わせ、軽量化を進めつつ高い強度を実現
トランスミッションはリアアクスルに配置
シャシーまわりでは90%以上にアルミニウムを採用する「アルミニウムスペースフレーム」を採用。重量231kgと軽量でありながら高い強度を備えるという
前後重量配分はフロント47:リア53を実現
メルセデスAMG GTは前後ダブルウィッシュボーンサスペンションを採用。AMG GT Sは電子制御ダンピングシステムを備えた「AMG RIDE CONTROLスポーツサスペンション」を搭載
AMG GT Sのパワーウェイトレシオは3.08
レーダーセンサーで先行車を認識し、適切な車間距離を維持しながら追従走行する「ディストロニック・プラス」、ドアミラーの死角に車両がいる場合に危険性を警告する「ブラインドスポットアシスト」などを含む安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ」を標準装備
ラゲッジルーム容量は350L
価格表
「劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー」に登場するメルセデスAMG GT
メルセデスAMG GTのインプレッションについては、弊誌でもおなじみのモータージャーナリスト・松田秀士氏が近日中にお届けする
AMG GT(欧州参考値) AMG GT S
乗車定員 2名
全長×全幅×全高 4546×1939×1287mm 4550×1940×1290mm
ホイールベース 2630mm
トレッド(前/後) - 1680/1650mm
車両重量 1615kg 1670kg
エンジン V型8気筒DOHC 4.0リッター直噴ツインターボ「M178」
エンジン最高出力 340kW(462PS)/6000rpm 375kW(510PS)/6250rpm
エンジン最大トルク 600Nm(61.2kgm)/1600-5000rpm 650Nm(66.3kgm)/1750-4750rpm
トランスミッション 7速DCT
JC08モード燃費 - 9.6km/L
タイヤ 255/35 R19 / 295/35 R19 265/35 R19 / 295/30 R20

(編集部:小林 隆 / Photo:高橋 学)