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住友ゴム工業、米ベンチャー企業と「ロシアタンポポ」の天然ゴム資源化で共同開発

温帯地域でも育つ「ロシアタンポポ」は世界の多くの地域で栽培可能

2015年8月5日発表

 住友ゴム工業は8月5日、より環境に配慮した高性能な商品提供を目指し、従来から利用している「パラゴムノキ」由来の天然ゴムに代わる新たな天然ゴム資源として「ロシアタンポポ」を活用するため、米ベンチャー企業のKultevat(カルテヴァット)とロシアタンポポの実用化検討に向けた共同研究を開始したことを発表した。

 同社は2001年から石油や石炭といった化石資源への依存度を最小限にすることを目指した「石油外天然資源タイヤ」の開発に取り組んでおり、これまでに石油外天然資源の使用比率を70%に高めた「エナセーブ ES801」を2006年に、同比率を97%に高めた「エナセーブ 97」を2008年に発売。2013年11月には、化石資源をまったく使用しない世界初の100%石油外天然資源タイヤ「エナセーブ 100」を市場投入している。

 このほか、2014年9月に発売した「エナセーブ NEXT」では、新しい低燃費技術として天然ゴム内部の不純物を除去した高純度天然ゴム「UPNR(Ultra Pure Natural Rubber)」を採用。タイヤのラベリング制度で最高評価となる転がり抵抗性能「AAA」、ウェットグリップ性能「a」を達成している。

 このように天然ゴムを積極的に活用している同社だが、一方で天然ゴムの原産地は世界の約90%をアジアが占める現状となっており、タイヤ製造の拠点をグローバルで拡大している同社にとって、輸送などによる環境面が課題となっている。

 これを解消するため、植物からバイオ燃料などの原料を生産する技術を持つカルテヴァットと共同研究を実施。同社の環境負荷低減技術や石油外天然資源化の技術をカルテヴァットのバイオマス技術と融合させ、ロシアタンポポの天然ゴム資源としての実用化加速を目指している。

 また、アマゾン川流域で発見され、熱帯地域を主な生息地とするパラゴムノキと異なり、ロシアタンポポは温帯地域での栽培が可能。北米をはじめ世界の多くの地域で栽培できることから、原産地の多様化によって各製造拠点での安定的、効率的な調達を実現し、より多くのユーザーに環境負荷の少ない高性能タイヤが安定供給できるようになるとしている。

(編集部:佐久間 秀)