レビュー

【ナビレビュー】パナソニック「ゴリラ CN-GP747VD」

ゴリラ史上最強モデル。圏央道延伸対応など最新地図を搭載し、「みちびき」「グロナス」対応の高精度&高機能PND

2014年モデルのゴリラシリーズフラグシップとなる「CN-GP747VD」

 一時期はカーナビ界の一大勢力となったPND(Portable Navigation Device)。装着がカンタンなことはもちろん、それが故に複数のクルマへの載せ替えが可能、なおかつ価格もDINスペースに装着する据え置き型に比べると遙かに安価。地図データがCD-ROMやDVDに収録されていた時はどうしても分厚くなってしまうことからブレイク! とまではいかなかったけれど、SDカードに変わってからはスマートなフォルムに変身。据え置き型に比べると我慢を強いられていた自車位置精度も、GPSに加えジャイロセンサーを内蔵することなどにより実用的なレベルに。カンタン、安い、便利とくれば「そりゃ、売れるよね」ってアイテムになり、ナビメーカー各社から相次いで新製品がリリースされることになった。

 が、盛り上がりつつあるところにスマートフォンが登場。基本が電話なだけにデバイス自体の価格を考える必要がない上に無料の地図サービスがあり、通信を使った最新データの検索が可能、持ち歩いてどこでも利用可能などなど、普段それほどカーナビを必要としないライトユーザーを中心として一気にユーザーを奪われることになった。かくして、多くのメーカーはPNDから撤退。まさに地滑り的大敗を喫したわけだ。

 これでPND市場は消滅か、と思いきや意外や意外。出荷台数ベースで見ると、実はそれほど減っていないという。これはスマホを持たない層が含まれるのはもちろん、地図や施設のデータをローカルに持っていること、豊富なデータを利用しての案内の分かりやすさ、精度の高さからくる安心感というカーナビならではのポイントが重視されたため、といえそうだ。

 前置きが長くなってしまったけれど、そんなPND市場で注目したいのが「ゴリラ」ブランドを擁するパナソニック。多くのメーカーが撤退してしまった後も、定期的に新製品を投入している。

 2014年モデルはゴリラシリーズに4機種をリリース。7V型モニター採用&「ドライブカメラ」内蔵のフラグシップモデル「CN-GP747VD」、ドライブカメラレスの上位機種「CN-GP745VD」、同ベースモデル「CN-GP740D」、そして5V型モニターとなる「CN-GP540D」だ。

 今回のレビューは最上位機種で「Gorilla EYE(ゴリラ アイ)」の愛称が付けられたCN-GP747VDをお届けする。

背面にはGPS&ワンセグのアンテナ端子がある。もっとも、どちらも内蔵パーツがあるので通常なら使うことないハズ
上面には引き出し式のロッドアンテナと電源ボタン。ただ、使用時はもちろん充電時も背面の主電源スイッチを入れておく必要がある
右側面に各種端子を配置。上から2番目はリヤビューカメラ端子兼用のパーキングブレーキセンサー端子。クルマの動きを見ているのでこちらも繋ぐ必要なし。つまり接続はVICSと電源の2本だけでいい
左側面に地図更新やエンタメ系機能で利用するSDカードスロットを用意。対応カードは32GBまで
ロッドアンテナを内蔵。バッテリーも内蔵しているので車外でもワンセグ放送が楽しめる
同梱のカメラユニット。こちらはマイクロSDカードスロットを装備
カメラと本体はスライドさせてはめ込み、専用のミニUSBケーブルで接続するだけ
カメラレス状態
カメラを取り付けた状態
専用スタンドは吸盤タイプ。吸盤側で上下調節、スタンド側で上下左右に調節できるので、装着の自由度はかなり高い
同じ7V型モニターを搭載したパナソニック製据え置き型ナビ「ストラーダ」との比較
視野角は若干狭めながら、据え置き型と違って画面の向きを変えられるからそれほど気になることはないハズ

「みちびき」も「グロナス」もあるんだよ

 CN-GP747VDの特長はPNDとしては大きな7V型VGAモニター採用していること。2DIN一体型モデルと同じサイズのため、ダッシュボードに設置しても見やすく、またタッチパネルを使った操作も楽チン。また、16GBのSSDを内蔵することにより実現した豊富なデータによる分かりやすい案内、800MHzの高速CPU&DDR3メモリの採用などによる快適な操作性など、フラグシップモデルらしいパフォーマンスを手に入れている。

 とまぁ、カタログ的な説明だとこんな感じになる。で、これを踏まえた上で2014年モデルならではのウリといえるのが自車位置精度の向上だ。カーナビの場合、自車位置を測位するための基準としてアメリカの打ち上げたGPS衛星を使うのが一般的。複数のGPS衛星から電波を受信することでほぼ十分な精度を得ることができるものの、ビル街や高架下など受信が制限されてしまう場所では、十分な数の衛星をキャッチできなくなってしまう。

 そんな弱点をカバーするための機能と言えるのがトリプル衛星受信だ。チカラワザって言えばそのとおりだけど、単純に衛星の数が増えればキャッチできる電波も増える(可能性がある)ってコト。2014年モデルではGPSに加え2つの衛星に対応していて、1つは国産の準天頂衛星「みちびき」、もう1つが新たに対応となったロシアが運用する「グロナス」。前者は日本の真上を通る軌道を回っているため、ビル街だったり山間部だったりと周囲が開けていない場所でも電波をキャッチできるのがウリ。ただ、現状では1基のみしか打ち上げられておらず、受信できる時間が1日8時間程度と限られるのが難点。後者は24基の衛星により地球全体をカバーするものだけに、電波を受信できる可能性はグッと高くなる。信頼性という面で多少不安が残らなくもないけれど……。それはさておき、この新ゴリラではGPS+みちびき+グロナスの中から、受信状況のよい電波を選択して使っているとのこと。時間帯や場所にもよるとはいえ、31+1+24と倍近い衛星を捉えられるようになったのだから、受信精度の向上にも期待できるってワケだ。

 また、それでも衛星の電波を受けられない場合には「Gジャイロ」と呼ばれる機能が威力を発揮する。これはゴリラシリーズの上位モデルではずっと使われてきており上下、左右、加速度と3タイプのセンサーを使った自立後方ユニット。衛星からの電波が受けられないトンネル内などでも自車位置測位が可能になるのだ。

 実際、街中を中心に走りつつ画面上の表示を眺めていると、ほとんどの時間においてGPSだけでなくグロナスも使っている様子。その一方、“みちびき”は南北方向に移動している時は受信していることが多いかな、って印象だ。

 で、肝心な精度だ。結論から言ってしまえば複数衛星受信+Gジャイロの威力は、据え置き型ナビに相当に近いレベルだ。これは誇張やお世辞なんかでは決してなく、ダッシュボード上に置くだけのPNDとしてはズバ抜けたパフォーマンスを持っていると言っていい。例えば普通のPNDでは迷ってしまいがちな高架下の交差点といったシチュエーションでも、自車位置はまったくブレずにビタっと安定、動き出すと同時に画面上の自車位置マークがスッと追従してくれるのは見ていて気持ちがイイほど。起動時の測位時間を早める「クイックGPS」が搭載されているため、エンジン始動後すぐに自車位置を正確に示してくれるのも嬉しい。

 さすがに地下駐車場では若干残念なコトになってしまうものの、実はこのモデルにはまだ隠し球があったりする。現状では発売予定(2014年冬)レベルではあるもののクルマのOBD2コネクタからCANデータを取得し、Bluetoothで送受信を行うオプションが接続可能となっている。そうなれば車速パルスと同様の信号を取得でき地下駐車場のような場所でももはや万全、測位精度に関しては据え置き型ナビとまったく同等と言える(ハズ)。また、燃費や水温といったデータ表示にも対応予定とのことで、発売されるのがかなり楽しみ。据え置き型ナビにもぜひ展開してほしいオプションだ。

GPS情報画面。グロナスと“みちびき”を受信している文字情報があるものの、どの位置にあるかまでは画面上では分からないのがちょっと残念。調べたところ「S」の右上にあるのが“みちびき”だった
グロナスと“みちびき”の受信はON/OFFが可能。グロナスはたまにエラー状態になるらしいのでおかしいなと思ったらOFFにできるのはありがたい
海老名SAでも駐車位置はバッチリ正確。左側の方位磁石アイコン横でもグロナスと“みちびき”の受信状態をチェックできる
トンネル内での精度チェック。案内ルートと違う方向へ進んでみたがしっかりと認識、リルートがかかった。当然、衛星の電波を受信することはできないので、ここは「Gジャイロ」の威力と言える
高速と一般道が上下に並んでいる場所では、出口を使って移動してもそれを認識することはできず。精度うんぬんというよりは道路の高さデータが入っていないのだから仕方がない
高速下の一般道を走り続けている場合はまったく問題ナシ
地下駐車場では周囲の道路にマッチングしてしまうなど振るわず。ここは発売予定のOBD2接続オプションに期待したい

カメラ内蔵って、ほんと便利

 もう1つの大きな特長となるのが、本体背面に装着できるドライブカメラだ。2013年モデル「CN-GP737VD」から採用されたモノで、本体は50cm角程度の小さな箱形。専用USBケーブルでナビと接続することで、エンジン始動に連動して自動的に録画を開始、クルマ前方の風景を常時録画することが可能になる。録画用のメディアはマイクロSDカードで、カメラ側に専用スロットを用意。付属の8GBカードの場合、高画質モード(1280×720ドット、27fps)なら約2時間、標準モード(640×368ドット、13.5fps)では約14時間の映像を記録することができる。容量が一杯になると古い映像から上書きされていくけれど、急加速や急減速時の映像はイベント録画として保存されるほか、手動で記録を残しておくこともできる。また、撮影した映像はH.264 AVIファイルとなるため、パソコンにコピーしたり、記録として残しておくのもカンタンだ。

 要はドライブレコーダー的な機能だけれど、カーナビ一体型とすることで電源や装着場所の確保に悩む必要がなくなるのは大きなメリット。また、ナビで再生する際には同時にマップを表示することができるため、どこの映像なのかがひと目で分かるのも便利だ。

 実際の映像は掲載した動画をチェックしてもらえば分かるように、高画質モードとはいえそれほど鮮明とは言えない品質。とはいえ、映像作品を作るための素材ってワケではないし、周囲の状況は十分に確認できるから、実用的にはまったく問題ないレベルだ。ただ、ダッシュボードにゴリラ本体をキチンと固定しておかないと、掲載した動画のようにブレブレで気持ちわるい映像になってしまうので注意が必要になる(すまぬ)。

 本記事の掲載後、同社から「貸し出した付属カメラに不具合があった」との連絡をいただいた。そこで別の機材を用意していただき再度チェックして見ると、当初掲載していた映像で顕著だったピンの甘さがなくなり格段にシャープかつ鮮明になった。新たに掲載している映像ではあえて他車のナンバーが見えずらいものをチョイスしているけれど、ごく普通の距離に居るクルマなら十分に数字が判別できるレベル。このぐらいの解像度があれば自撮りの車載動画なんかに使っても満足できるハズだ。

パナソニック「ゴリラ CN-GP747VD」高画質モード映像

 ちなみに前回書き漏らしてしまったのでちょっと補足。常時録画のデータは1分で自動的に分割され、カードの容量があるうちは順次新しいファイルが作られていく。高画質モードの場合、1ファイルは70MB弱になる。

 本機はカメラなしの「CN-GP745VD」と比べて実売価格で約1万円高。この差をどう考えるかってコトになるけれど、後からドラレコを付けるつもりがあるなら、ナビ精度への影響などを考えてもこっちを選んでおいた方が安心。コードをはわせたりする必要がないから取り付けがラクだし、見た目にスッキリしているのもポイントが高い。

 また、さすがに内蔵ではなくオプションとなるもののバックカメラも接続可能。ミニバンやSUVのような後方確認がしづらいクルマのユーザーには、それはとってもうれしいなって部分だろう。

ゴリラ史上最強モデル

 ナビの基本部分はこれまでのゴリラを受け継いだもの。ゼンリン製の地図をベースにしたマップ画面は、7V型VGAモニターとの組み合わせで分かりやすく、ボタンが大きく表示されるため操作もしやすい。同社の据え置き型ナビストラーダRシリーズのようなフリック、2点タッチなどには対応していないものの、処理速度が速いためサクサクと操作できるのはマル。

 表示面では7:3分割の2画面表示のほか鳥瞰表示(3D)が可能で、文字サイズやボタンサイズの変更にも対応。ボタン表示を消して広い範囲を見ることができる「フルスクリーンマップ」、必要な時だけワンプッシュで表示できカスタマイズ可能なランチャーメニューを備えるなど、使い勝手も十分に考えられている。

 16GBのSSDを採用することで情報も豊富に収録されている。住所約3690万件、電話番号が約3210万件といった検索データはもちろん、方面看板約3万940件、リアル3D交差点拡大図約5780枚など多彩。観光ガイド「るるぶ」のスポット情報も約100冊分となる全国約3万3700件が用意されており、スタンドアローンで使えるカーナビとしては十分以上と言える内容を持っている。

 なんて書くと「スマホと違ってデータは古くなる一方じゃん」なんて言われてしまいそうだけど、そこも実はぬかりない。

 まず、道路情報に関しては6月28日に開通する圏央道 相模原愛川IC(インターチェンジ)〜高尾山IC間開通など最新データが収録されているほか、2017年11月30日までは無料更新が可能。データは1年に6回配信される予定で、市街詳細地図を除く道路データ、音声案内、案内画像などが更新される。方法はパソコンでデータをダウンロード、SDカードでゴリラにコピーするってパターン。2014年から2017年にかけては圏央道、新東名、首都高を中心に道路事情を一変させる可能性がある開通区間が多いだけに、これは嬉しい対応と言える。

 道路はそれでイイとしても「スポットは? スポットはどうなの?」ってギモンもあるだろう。そこに関しても実は対応方法がある。Androidスマホを持っている必要があるけれど、専用アプリ「おでかけナビサポート ここいこ♪」を使うのだ。このアプリはもうすでに据え置き型ナビで利用されていて「るるぶDATA」「ぐるなび」「Yahoo! JAPAN」のデータからスポットが検索でき、Bluetoothでそのデータをカーナビに転送できるスグレモノ。なかでも特に便利なのが「予約」機能。食事中などに次のスポットを検索、予約しておけば、クルマに乗った時に自動的にそのスポットを目的地として設定できてしまう。エンジンをかけてナビを操作して目的地を探して設定して〜、とかメンドウな作業をする必要がないのでとってもスマートなのです!

 このほか実際に試すことはできなかったが、走ったルートのGPSデータをKMLファイルもしくはNMEAファイルに記録する「GPSログ機能」、写真に記録されている「ジオタグ」を使って目的地設定が可能な「画像目的地設定機能」など、マニア(?)にはたまらない機能も。使い込み度が高そうな感じだ。

家形などまで表示するいわゆる市街地図表示は5/12/25/50mの4スケール。ちなみに50mスケールがストラーダの100mスケールとほぼ同じ縮尺
通常の50mスケール。若干あっさりした表現になるものの、3Dアイコンによる建物の表現などこれはこれで分かりやすい
100mスケール
200mスケール
500mスケール。地図上のVICS表示はここまで
1kmスケール
2.5kmスケール
5kmスケール
10kmスケール
25kmスケール
100kmスケール
250kmスケール
3D表示。市街地図レベルでは建物を立体的に表示する
3Dの角度は設定で変更可能
2画面表示はメニュー画面で切り替えることが可能
エコモードとの2画面
3Dと2Dの組み合わせ
逆に2Dメインでサブが3Dの組み合わせもできる
北を上にするノースアップも可能。表示切り替えは画面左メニューのコンパスマークで行える
地図上の表示は設定画面で変更可能
画面左のメニューは消すこともできる。すべてが消えるわけではないが結構スッキリ
そのほかにも地図表示の設定メニューを用意
地図のテーマは「ノーマル」「道路メイン」「ポップ」「ハイコントラスト」の4種類
文字サイズも4種類から選択できる
表示を縦横2倍にする「デカ地図」表示も
情報のあるスポットを吹き出しで表示
この状態で地図をスクロールすると周辺スポットの写真が表示される
スポットアイコンはホテルや飲食店、見所など
もちろん詳細情報も見ることができる
よく使う機能を4つまで登録できるランチャー。画面右下のボタンからすぐに呼び出せるので便利
メインメニュー。グラフィカルかつ大きなボタンで分かりやすい
豊富に用意された目的地検索メニュー
システム設定メニュー
情報メニュー
設定メニュー
地図カスタマイズメニュー
周辺検索はまずジャンルを選ぶ
特定の施設だけを選ぶことも可能
ルート設定時はルート沿いでの検索もできる。道のどちら側にあるかが分かるのも便利
目的地周辺で探すこともできる
いつもの「羽田空港」で施設検索。入力時は候補が絞られていくのでカンタン
148件見つけた候補の一番上に目的地を発見。文句ナシの結果
ゼンリンデータなので駐車場の入口もピンポイント
「目的地にする」を選べば駐車場入口まで案内してくれる
観光ガイド「るるぶ」のデータを収録。使う時はまずエリアを選択
都道府県を選択。きれいな写真はまるでガイドブックそのもの
最後にジャンルを選択
写真付で観光スポットが表示される
好きな施設を選べば情報を見ることができる
当然そのまま目的地に設定可能
いくつか選んで目的値や経由地に設定すればオリジナルのルートも作ることが可能
盗難多発地域の警告を収録(32府県)必ず被害に遭うわけではないけれど、警告が出れば注意しようかなって気にはなる。嬉しい機能だ
盗難多発地域のレベルは3段階
Androidスマホ向けアプリ「ここいこ♪」にも対応。これはほんとに便利なのでぜひ使ってほしい
FM-VICSに標準対応。地図上に渋滞を表示できるほか簡易図形も見ることができる

もう都市部の道路も怖くない

 ルート探索は「自動」をベースに最大「有料優先」「一般優先」「eco」「距離優先」の5ルートから選択できる。細街路の探索ができたり、時間規制に対応していたりと、スペック的には全く文句ナシ。試用期間中、取材であちこち出かける際に使ってみたけれど、ほぼ自動にしておけばOKって感じ。探索速度も「爆速」とまではいかないものの、速いといっていいレベル。快適に使うことができた。

 一般道での案内は交差点拡大図がメイン。デフォルメされた拡大図を使ったシンプルな内容ながら、道路状況を確認できるのはもちろん、交差点名やレーンガイドも表示するなど十分な情報量を持っている。一部交差点には実写ベースのイラストを使った案内も用意されており、ナビ専用機ならではの、分かりやすく安心感の高い案内を受けることができる。

 高速道路に関しても同様。ジャンクションやインターでは拡大図が表示されるし、2画面で文字情報を同時表示することもできる。都市高速入口には専用のイラストを使った案内も用意されているなど、まったく不足を感じることはない。

 これら豊富な案内に加えてFM-VICSも内蔵。渋滞情報を地図上に表示することもできるから、渋滞中もさほどイライラせずに済む。

 実際に案内を受けて走って感じるのは、豊富な情報が生きるのも精度の高さあってこそ、という部分。特に都市部では1つ交差点がズレると右折禁止とかオーバーパスになっているとか、ひどい目に会うこともある。その点、このモデルならかなり安心して走ることができるのだ。

ルート探索は最大5ルート同時に行えるけれど普通は「自動」でOK。6月28日に開通した圏央道もすでに収録済みだ
有料優先。有料道を使う距離が若干長くなっている。到着予定時間も少し長くなってしまっているので、あくまでラクに走りたい人向けかも
一般優先。ルートとしては妥当と言えるものの渋滞が怖い
ecoは自動と同じルートに。まぁ、バランスがとれたルートってことかも
八王子バイパスを使ったルート。一般道だけでなく有料道路も使ってくれるのは意外とイイかも
選んだルートは詳細情報を確認することができる
ルート関連のメニュー
ルート編集は経由地を追加したり、迂回路を設定したりと、凝ったルートを選びたい人向け
迂回距離は4パターンから選べる
探索条件はかなり細かく設定できる。スマートICを考慮したルート探索もできるけれど、デフォルトでは「しない」になっている
ゴリラならではのエコ機能も搭載。「初級」でも結構判定が厳しく「急加速です」など怒られっぱなしになってしまう
一般道の案内はこの交差点拡大図が基本
方面案内看板は豊富に用意されており、安心感を高めるのに一役買っている
一部交差点に用意されている「リアル交差点拡大図」。実写ベースのイラストだからバツグンに分かりやすい
都市高速入口は分かりにくいところにあることが多いが、これならひと目で進む方向を把握できる
ETCゲート表示も収録
高速道路の分岐案内
こちらはトンネル直後にある分岐の案内。自車位置が正確なので案内通りに走るだけ。これぞカーナビだ
設定でハイウェイモードにチェックを入れておけば文字情報との2画面に

あえて控えめ!? なAV機能

 ワンセグチューナーを内蔵するほか、SDカードを介して音楽(MP3/WMA)や動画(MP4)、画像(JPG)データの再生に対応する。データに関しては本体SSDの専用領域にコピーすることで、SDカードなしでも利用することができる。ただ、音声に関しては本体スピーカーからしか出力できないのがちょっと残念。一応、ヘッドホン出力端子は用意されているものの、せっかくだからFMトランスミッターを内蔵するとか、Bluetoothを使ったストリーミング再生に対応するとか、そんなことができたりするとよいなぁなんて思ってしまった。ついでに言えば、ハンズフリー機能もなし。Bluetoothを標準搭載しているんだからすぐにでもできそうだけれど、そこまでするなら据え置き型のストラーダ買ってね、ってことだろう。まぁ、そりゃそーかも。

 そのほか、今回は試すことができなかったが「Gアプリ」と呼ばれる専用の無料アプリも用意されている。スマホと違って通信手段を持たないため、パソコンでダウンロードして本体にコピーすることで利用できる。用意されているのは「ジオタグ変換」「地点登録用KML変換」といったナビで使えるアプリのほか、「計算機」「地下鉄路線図」といった実用的なモノ、「四字熟語パズル」「道路標識クイズ」といったエンタメ系のモノなど現状7種類。必要に応じてインストールして使いたい。

AV選択のメニュー
ドライブカメラの設定もここから
地デジはワンセグのみ対応。画面が大きいので見応えがある
番組表表示にも対応
データ放送も表示可能

最後に残った高機能PND

 カーナビメーカーが次々とPND市場から撤退していく中、しっかりと新製品がリリースされ続けているゴリラシリーズ。新製品を出すからには新しい機能を追加しなきゃ、なんてジレンマを抱えつつもしっかりと進化を続けている。特に2014年モデルで嬉しいのは基本部分である精度の向上にコダワっているところ。ガラパゴスだの言われようが、あくまでもカーナビである以上、この部分がキチンとしているのはかなりポイントが高い。もちろん、スマホにはマネのできない部分と言うこともあり、差別化にあたっても重要だ。

 そんな精度の高さが生み出す安心感をサポートするのが、16GBのSSDを生かした豊富な情報、そしてストレスを感じない操作感のよさ。これら専用機ならではの持ち味を生かしつつ、足りない部分はスマホアプリ「ここいこ♪」や無料のデータ更新で補っている。

 価格はオープンプライス、発表当初の店頭予想価格は7万円前後となっていたが、現在ではそれより安価に売られていることが多い。ナビ性能はほぼ死角のないモデルのため、PNDを使い続けているユーザーはもちろん、スマホで十分と思っていたり、古い据え置き型ナビのリプレイスに悩んでいるなんてユーザーも、ぜひ一度使ってみてほしいモデルだ。

【訂正】記事初出時に掲載した映像は貸出機材に問題があるものとの連絡があり、新たに製品版の機材における録画映像を掲載した

安田 剛

デジモノ好きのいわゆるカメライター。初めてカーナビを購入したのは学生時代で、まだ経路探索など影もカタチもなかった時代。その後、自動車専門誌での下積みを経てフリーランスに。以降、雑誌やカーナビ専門誌の編集や撮影を手がける。一方でカーナビはノートPC+外付けGPS、携帯ゲーム機、スマホ、怪しいAndroid機など、数多くのプラットフォームを渡り歩きつつ理想のモデルを探索中。