イベントレポート
豊田合成、すぐそこにある“かもしれない”バッテリEVコンセプト&ワイヤレス給電の未来を展示
2023年10月26日 18:32
- 一般公開日:2023年10月28日~11月5日
- 入場料:1500円~4000円
東京ビッグサイトで開幕したジャパンモビリティショー2023(一般公開日10月28日~11月5日)。豊田合成は、高分子などの同社のコア技術を活かした将来の「モビリティ社会を支える技術」や「家庭や暮らしを豊かにする技術」をコンセプトモデルなどを通じて紹介している。
プレスカンファレンスでは、豊田合成 取締役社長 兼 CEO 斎藤克巳氏がプレゼンテーションを行ない、2023年8月に策定した「2030事業計画」について説明。「高分子の可能性を追求し、よりよい移動と暮らしを未来につなぐ会社」を目指す姿とし、社会により高い価値を提供するため、セーフティシステムを軸とした「安心・安全」、内外装部品を土台とした「快適」、材料リサイクルの新規事業化を含む「脱炭素」の3つの分野に注力していくとした。
続けて、3つの分野に関するブース展示を行なっていると紹介したのち、「今後も豊田合成は持ち前の高分子技術を活かし、安心、安全、快適なモビリティ社会の進化と、脱炭素社会の実現に貢献していきます。豊田合成は面白い会社、何かやってくれそう、と言っていただける会社にしたいと思っています。これからも豊田合成にご期待ください」と締めくくった。
モビリティ社会を支える技術「Flesby(フレスビー)BEVコンセプト」
クルマの安心・安全や快適に寄与する技術を、2030年ごろを想定した小型BEV(バッテリEV)に搭載して紹介。エクステリアには自動運転を支える技術として、周辺状況を感知する「センシング機能」や、歩行者などと光や音でコミュニケーションする「通知機能」を付与。インテリアには、アクセルやブレーキなどの操作機能を集約しつつ、自動運転時はインパネ部に収納できる「ロングテレスコ格納ハンドル」や、エアバッグをシートベルトに一体化させ、乗車姿勢の多様化に対応するとともに、インパネ部の薄型化に貢献する「ラップエアバッグ」など、広々としたコクピット空間を実現する技術などを搭載している。また、「面で大きく見せ、線で長く見せる」というデザインにもこだわり、実際は軽自動車サイズでありながらも、普通車のようなサイズ感に見える工夫が凝らされていた。
マイクロ波給電
Ossia、Space Power Technologiesと共同開発している次世代の長距離ワイヤレス給電技術。指向性を持ったマイクロ波に電気をのせて、離れた場所であっても、動いていても、送電機から受電機に給電できるようにするという技術。現在は自動車内やオフィス、リビングルームなど限られた場所での使用を想定しているが、いずれは電柱のかわりにマイクロ波給電用のポールが立ち、どこにいても充電ができるようになったり、EVに充電できるようになったりする未来がくるかもしれない。
共振式ワイヤレス給電技術
共振式ワイヤレス給電技術は、磁界(周波数)共振の原理を利用し、離れた場所への送電ができるというもの。送電コイルに電気を流すことで発生する磁界により、受電コイルに同じ周波数の磁界を発生させ共振させることで電力を伝搬。磁界が発生する数十cm程の範囲であれば送電ができるとしている。ブースではこの技術を用いてチェスの駒を光らせたり、光る積み木を重ねることでどれくらいの範囲まで給電できるか可視化したりといったデモンストレーションを行なっていた。