英マクラーレン、故アイルトン・セナの名を冠した「マクラーレン セナ」発表。約1億円も完売

故アイルトン・セナの名を冠したロードカー「マクラーレン セナ」

　英マクラーレンは12月10日（現地時間）、元F1ドライバーである故アイルトン・セナの名を冠したロードカー「マクラーレン セナ」を発表した。同モデルは英国のマクラーレン・プロダクション・センターで手作業で組み立てられ、生産台数は500台限定。価格は67万5000ポンド（約1億193万円）としており、すでに所有者は決定しているとのこと。実車は2018年のジュネーブ国際モーターショーで公開される予定。

　マクラーレン セナは「公道でも走れる、マクラーレンの究極のサーキット仕様モデル」として開発されたモデル。同社の公道向けモデルのなかでもっとも強固なカーボンファイバー製のシャシーを採用するとともに、ボディパネルにもカーボンファイバーを用いることで車重1198kgを実現。

　エクステリアではフロントのスプリッターやリアのダブル・ディフューザー、巨大なカーボンファイバー製リアウィングで空力性能を高めたほか、カーボンセラミック製ディスクを用いたブレーキシステム、公道での走行とともにサーキットでの使用を想定したピレリ「P Zero Trofeo R」などを採用している。

　パワートレーンには「M840TR」と呼ばれるドライサンプ潤滑方式を採用したV型8気筒4.0リッターツインターボエンジンと7速DCTを組み合わせ、後輪を駆動。最高出力は800PS、最大トルクは800Nmを発生する。このエンジンから発せられるサウンドは、ルーフの上に取り付けられた「シュノーケル」型インテークを経由して車内に独特の高周波サウンドをもたらすという。また、走行モードとして「コンフォート」「スポーツ」「トラック」「レース」を用意するが、いずれのモードでも荒々しい性能を実感できるとその特徴について語られている。

　マクラーレン セナについて、レーシングドライバー兼マクラーレン・アンバサダーのブルーノ・セナ氏（アイルトン・セナの甥）は「私たち家族は、アルティメットシリーズの新モデル マクラーレン セナとして名前が冠されることをこの上なく誇りに思っています。アイルトンのレーシング・スピリットや業績と真につながるプロジェクトは、これが初めてです。マクラーレン セナは、叔父に敬意を表したものです。というのも、ドライバーが最高の自分になれるような、比類なきサーキット・エクスペリエンスを生み出すことに徹底的にこだわっているからです。クルマとドライバーの間には強固でシームレスな関係があり、クルマとドライバーのこのピュアな一体感により、ドライバーは自身が反応すべき状況やクルマに頼るべき状況について知るようになり、その深くて、強烈なエクスペリエンスを通じてマクラーレン セナの優れた性能の虜になるでしょう」と述べている。