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マクラーレン、アイルトン・セナの“チャレンジし続けるDNA”を受け継ぐ「マクラーレン セナ」日本初公開
車両重量1198kgでパワーウェイトレシオは668PS/t
2018年5月23日 00:00
- 2018年5月22日 開催
- 67万5000ポンド
マクラーレン・オートモーティブは5月22日、3月のジュネーブ・モーターショーで世界初公開した“アルティメットシリーズ”の最新モデル「マクラーレン セナ」を、東京都港区の大本山 増上寺で日本初公開した。
マクラーレン セナは、マクラーレンのマシンにも数多く搭乗してレース界にその名を刻むF1ドライバーの故アイルトン・セナの名を車名に使い、マクラーレンが「究極と呼ぶにふさわしいパフォーマンスのサーキット指向型ロードカー」とするモデル。2017年12月に「67万5000ポンドで500台が限定生産される」とアナウンスされたが、日本円で約1億円という価格設定ながらその時点ですでに所有者が決定した“完売状態”となっていた。
チャレンジし続けるDNAが「マクラーレン」と「セナ」共通のDNA
プレゼンテーションでは、最初にマクラーレン・オートモーティブ アジア 日本代表の正本嘉宏氏が登壇。正本氏は「この『マクラーレン セナ』ですが、マクラーレンが過去何十年にもわたって培ってきたレーシングテクノロジー、そしてそれを最新の技術とマテリアルの粋を尽くして作り上げた『究極の、最新のマクラーレン』です。その伝統と革新という2つの究極の融合を皆さんに御体感いただくために選んだ会場が、この増上寺です。マクラーレンはこの日本で、2012年に『MP4-12C』というわずか1つのモデルでスタートしたまだ若い会社でございます。しかし、現在では3つのプロダクトレンジを持つスーパーカーカンパニーに成長しております」。
「スーパーカーのパフォーマンスをスポーツカー分野で実現した『スポーツシリーズ」、マクラーレンの本当のDNAを体現する『スーパーシリーズ』、そして今回ご紹介いたしますマクラーレン セナは、マクラーレンのトップエンドに位置する究極の『アルティメットシリーズ』の最新バージョンになります」。
「マクラーレンにとって、この『セナ』というブランドは、単にお互いにとって栄光のモータースポーツの歴史を築いた絆があるというだけではなく、お互いの根底にいつの時代もチャレンジし続けるというDNAがあります」とコメントし、マクラーレン セナのコンセプトを紹介した。
正本氏に続いて登壇したマクラーレン・オートモーティブ アジア・パシフィック担当マネージング・ディレクターのジョージ・ビッグス氏は、直前に流れたムービーを「アイルトン(セナ)は限界を上まわるものであり、その思想はわれわれの取り組みそのもの」と表現。また、英国の「マクラーレン・テクノロジーセンター」にはF1マシンなどのレース車両を展示していることを紹介し、これが「われわれが目指すべき基準を日々思い起こさせてくれるもの」と解説、この取り組みを受けてユーザーの期待に応え続けていると述べた。
こうした取り組みにより、マクラーレンは4年連続で成長を続け、2017年はグローバルで3340台を販売。この3分の2が新たにラインアップに追加したスポーツシリーズのモデルであり、自分たちのブランドにとって多くの新規ユーザーを獲得しているとアピールしている。2016年からはマクラーレン・テクノロジーセンターで2シフト制度を導入しており、現在は20台/日体制を構築しているという。
また、日本は戦略的に非常に重要な国であるとビッグス氏は位置付け、2017年にはスポーツシリーズの販売台数で世界3位であり、受注台数が前年比78%増と大きく成長していることを紹介。東京で2カ所目となるディーラーが今年後半に開店予定となっているなど、取り組みを強化していると語った。
今回のマクラーレン セナだけでなく、これまでにも「P1」「675 LT」「720S」といったマクラーレンの歴代モデルで開発に携わってきたマクラーレン・オートモーティブ エンジニアリング・デザイン・ディレクターのダン・パリー・ウィリアムズ氏が車両解説を実施。
ウィリアムズ氏はマクラーレン セナの開発コンセプトを「公道仕様のレーシングカー。それも究極のマシンを作ること」と紹介。開発時には車両ごとにDMAに基づき属性分けをして開発していくが、マクラーレンでは全てのモデルで同じDNAを備えおり、異なる属性を持つことによってモデル分けされているという。
マクラーレン セナの解説では、「車両重量」「エアロダイナミクス」「エルゴノミクス」「パフォーマンス」の4つの属性別に説明。重量についてウィリアムズ氏はニュートンが定義した「運動の第2法則」について語り、「加速させるためにはパワーウェイトレシオをしっかりとさせなければならない。これは簡単に思われるかもしれないが、根本的な課題だ」と述べた。実際にマクラーレン セナでは最高出力800PS、最大トルク800N・mを発生するV型8気筒4.0リッターツインターボエンジンをボディのリアミッドに搭載しながら、車両重量は1198kgを実現。これは既存モデルで最軽量の675 LTより100kg軽い数値で、パワーウェイトレシオは668PS/tとなっている。
一方、ウィリアムズ氏は「最高速はわれわれにとって重要ではない。それはこのモデルがトラックカーであり、重要なのはラップタイム。その目標のためには加速力、減速力、高いコーナーリングスピードを実現することが大切だ」とコメントした。