イベントレポート

【ジュネーブショー 2018】マクラーレン セナのサーキット専用バージョン「マクラーレン セナ GTR」デビュー

最大75台の生産で、およそ100万ポンド(約1億4660万円)

2018年3月6日~18日(現地時間)開催

サーキット専用バージョン「マクラーレン セナ GTR」

 英マクラーレン・オートモーティブは、スイス ジュネーブで開催されている「第88回 ジュネーブ国際モーターショー」(プレスデー:3月6日~7日、一般公開日:3月8日~18日)で、ロードカー「マクラーレン セナ」のサーキット専用バージョン「マクラーレン セナ GTR」を発表した。生産台数は“最大で75台”としており、価格はおよそ100万ポンド(UK国内税別暫定価格。日本円にして約1億4660万円)。

 2019年から英国サリー州ウォーキングのマクラーレン・プロダクション・センターにおいて手作業で組み立てられるというマクラーレン セナ GTRは、マクラーレン セナと同じカーボンファイバー製「Monocage III」構造が採用され、乾燥重量も最軽量のロードカーを謳うマクラーレン セナと同じ1198kg。

生産台数は最大75台

 パワートレーンもV型8気筒 4.0リッターツインターボエンジンで共通となるが、マクラーレン セナが800PS/800Nmなのに対し、マクラーレン セナ GTRでは少なくとも825PSまでパワーアップ。これにサーキット専用トランスミッション、改良されたダブルウィシュボーン式サスペンション、ピレリ製スリックタイヤなどの装着により、ダウンフォースは最大1000kgに達するという。詳細なテクニカルデータは今年の後半に発表とのことだが、「F1以外ではマクラーレン史上最速のラップタイムを記録することになる」と、その性能について紹介されている。

 エクステリアでは、フロント・スプリッターをマクラーレン セナに比べて大きくし、フロントのエアロダイナミクス性能を向上。また、リアディフューザーも大きく、長くなり、より後ろまで伸びるものに変更するとともに、リアデッキはマクラーレンの市販車の中で最も低い位置にあり、エアロダイナミクス性能とクーリング機能を向上させた。

ベースモデルから各所のエアロダイナミクス性能を向上

 今回のマクラーレン セナ GTRについて、マクラーレン・オートモーティブ最高経営責任者のマイク・フルーウィット氏は「サーキットで優れたパフォーマンスを発揮するのが、マクラーレン・ブランドの伝統の根幹であり、今日に至るまで、そのことを重要視する姿勢に変わりはありません。サーキット専用のマクラーレン セナ GTRは、マクラーレン セナに比べてパワー、グリップ、ダウンフォースが向上しており、ダウンフォースは最大で1000kgにも達し、マクラーレン史上最速のラップタイムも記録しています。このマシンを手に入れることのできるごく少数のお客様は、サーキットのグリッドに実際に並ばなくても、レースカーで得られる最上の経験を得ることができるのです」とアピール。

 また、エンジニアリング・ディレクターを務めるダン・パリー・ウィリアムズ氏は「マクラーレン セナは、当初より、公道とサーキットの要件すべてに留意して設計されました。そのため、GTRバージョンの開発は最初のプロジェクトを発展させる形となりました。ジュネーブで公開されるマクラーレン セナ GTRのコンセプトは、最終形ではありませんが、このマシンについての我々の思想がはっきりと分かるものです。この考えを通すことにより、長い間なかった、あるいは過去にはなかった究極のパフォーマンスを有する、最も刺激的なドライブができるマクラーレンが生まれることになります」と述べている。

編集部