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北村友里恵の“もっと運転が好きになる!!”、氷上レッスン「2018 iceGUARD 6&PROSPEC Winter Driving Park」に参加してみた
「フィット」+スタッドレスタイヤ「アイスガード 6」でチャレンジ
2018年1月24日 00:00
- 2018年1月20日 開催
1月20日、プロスペックが主催する氷上ドライビングレッスン「2018 iceGUARD 6&PROSPEC Winter Driving Park」が女神湖(長野県北佐久郡立科町)で開催された。
この氷上ドライビングレッスンは、冬季に全面凍結する女神湖を借り切り、元ラリードライバーでモータージャーナリストの日下部保雄氏らによるアドバイスを受けつつ、マイカーで凍結路面を走行できるというもの。
今回、Car Watchでは横浜ゴムの最新スタッドレスタイヤ「iceGUARD 6(アイスガード シックス)」を装着した本田技研工業「フィット」で参加。約20名の参加者とともに氷上での走行に挑戦した。
レッスン当日の天候は青空が見え、女神湖の凍った湖面がキラキラと輝くほど気持ちのよい晴れ。朝の気温は-1℃だったが、風が吹くので体感ではもう少し低く感じられた。湖面の状況は日下部氏曰く、「氷はしっかりと張っていてクルマが落ちるということはありませんが、1度雨が降って溶けたところがまた凍って、最高に滑りやすい」という状態だった。
湖面での走行の前に行なわれた開会式では、主催者代表の日下部氏が挨拶。レッスンについて、「女神湖だけで20年ぐらいやっていると思いますが、楽しくなってワクワクドキドキできるような運転を体感していただきたいと思っています。レーシングドライバーを育てるという気はなくて、雪道の滑りやすいなかで走ることによって、高速だと怖くて体験できないようなことが氷の上のゆっくりとしたスピードで体感できる。それを覚えていただけるだけでも、普通の道でも何かあったときに対処できるのではないかというコンセプトで続けています」と話した。
また、日下部氏は参加希望者が多く抽選になってしまっていることについてお詫びを述べるとともに、「平日でも開催したい」と開催日を増やす検討を進めていることを明らかにした。
続けて、「初対面の方は声をかけにくいことがあるかもしれませんけれど、運転もしますし、隣にも乗りますし、何でもやります」と日下部氏が話し、インストラクターを紹介した。
その後、簡単なコース説明が行なわれ、参加者はレッド、ブルー、イエローのチームに分かれて湖面での走行を開始。用意された「ブレーキング&スラロームエリア」「アクセルワークエリア」「ハンドリングエリア」のそれぞれのコースを思い思いに走り始めた。
記者は冬場、安心のためにマイカーにはスタッドレスタイヤを装着しているが、雪道の運転経験はほとんどない。さらにマイカーは4WD車なので、FF車での雪道走行経験はほぼ皆無。もちろん、氷上の運転は今回が初めてなので、コースに出る前はスタッドレスタイヤを履いているからとはいえ本当に走れるのかどうか半信半疑の状態だった。
そんなドキドキした気持ちを抱えつつ、1度試しに走行してみようと、パイロンのまわりを回るアクセルワークエリアに向かってみる。走り出した瞬間に感じたのは、当たり前のようなことだが「スタッドレスタイヤはすごい!」ということ。ドライ路面を走っているときのようなスピードは出せないが、しっかりと地に足をつけて滑らないように走っている感覚があり、挙動を大きく乱すことなくするすると走れるのだ。
さて、安心して走れることが分かると、次は少しでも上手く走りたくなってくる。そこで、置かれたパイロンの間を走ったあと加速してフルブレーキを行なうブレーキング&スラロームエリアに移動。インストラクターの小西重幸氏や片岡良宏氏に同乗してもらい、アドバイスを受けた。
「ドライ路面を走るときよりも1秒ほど早いタイミングでのステアリング操作が必要」「アクセルは完全にOFFにすると駆動力がなくなってしまい、車両の制御がしづらくなってしまうので少し緩めるだけにする」といったアドバイスを参考に、1人でブレーキング&スラロームエリアを走行してみる。しかし、アドバイスを理解しているつもりでも、実践するとなると次にどの操作をするか一瞬考えてしまい、なかなか思ったとおりのラインは走れない。その分、アドバイスどおりに少しでも上手く走れたと思ったときのうれしさはひとしおだった。
何度かブレーキング&スラロームエリアを走行したあとは、再度パイロンのまわりを回るアクセルワークエリアへ移動。廣川和希氏や斉藤邦夫氏が運転する姿を助手席から見て「ステアリングとアクセルの操作はなるべく一定に」というアドバイスをいただいた。ただ、いざ自分で走ってみると、ついステアリングを切りすぎたりアクセルを入れすぎたりしてリアが流れてしまい、ふらふらとラインが定まらない……。それでもフィット+アイスガード 6はきちんとグリップをするので、挙動が乱れても「止まらない」「怖い」と思うことはまったくなかった。
続いて向かったハンドリングエリアは、置かれたパイロンの間を通って最後に決められた枠の中で完全停止するというコース。距離が長いこともあり、コースのコンディションはグリップする場所やよく滑る場所などバラバラで、少しでもアクセル操作やハンドリング、コースの読みを間違えるとグリップが失われ、簡単にクルンと180度回転してしまう。今回用意されたコースのなかで最も長い距離を走ることができるからなのか、順番待ちが絶えない人気のエリアだった。
そんな滑りやすい氷上で翻弄されつつも、横浜ゴムのアイスガード 6はグリップ力を発揮。まったく滑らない……ということではないのだが、しっかりと「氷を掴んでいる」という感覚で思ったとおりのラインを走りやすかった。例えば、アクセルワークエリアを低速で走行すると、激しいハンドリングやアクセルワークをしない限り滑り出すことはなく、丁寧に円を描くことができる。
また、トラクションが失われかけたときにアクセルを少し緩めるとタイヤがグリップするような感じがあり、大きな修正をせずに体勢を立て直すことができた。明らかなオーバースピードでない限り、グリップを失って大きく回転することがない。終始安定して走ることができ、最初に感じていた「本当に大丈夫なのか」という不安は「もう怖くない」という思いに変わっていた。
走行の合間には日下部氏と竹岡圭氏のトークショーが行なわれ、クスッとする小ネタやここでしか聞けない裏話、参加者との質疑応答などの内容で、走行以外でも楽しむことができた。
このトークショーはチームごとの休憩の際に行なわれ、ほかのチームのトークショーは車内のFMラジオから聞くことができる。走行に集中してしまうと聞いている余裕はあまりないと思うが、コースを移動する際や走行の順番待ちをしているときも退屈せずに過ごすことができた。
午前と午後を合わせて50分×4本の走行を終え、最後は1日かけて習得したスキルを発揮するカーチェイスとタイムトライアルを実施。タイムトライアルでは実況が行なわれ、楽しい気分で走行することができた。
丸1日かけて氷上走行を楽しむことができた2018 iceGUARD 6&PROSPEC Winter Driving Park。ドライ路面ではスピードを出さないと味わうことができない状況を、氷の上では低速で安全に体感することができる。用意されているコースはそれぞれに特徴が分かれており、1つのコースである程度満足のいく走りができたとしても、別のコースではさらにテクニカルな要素が必要になるなど、飽きずに走ることができる。しかも、走れば走るほど運転スキルがどんどん身に付いていく。
さらに、ちょっとした操作の違いで挙動が大きく変わるという経験は、雪道や凍結路だけでなくドライ路面を走行するときのアクセルワークやステアリング操作のヒントにもなる。参加する前は「こんなにたくさん走れるだろうか」と思っていても、実際に走り始めるとあっという間に1日のプログラムが終わってしまい、また次も参加してみたくなる。
現在はドライビングレッスンの参加希望者が多いとのことで、参加には抽選となってしまっているが、テクニックを駆使して走る楽しさを体感できるので、ぜひ2019年の開催時には応募してみてほしい。参加後にはきっともっと運転が好きになると思う。